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神経

出血性梗塞 hemorrhagic transformation

特に心原性脳梗塞で問題となるのが出血性梗塞(または脳梗塞の出血転化”hemorrhagic transformation”)です。脳梗塞全体の10-15%程度に認めるとされており、抗血栓薬との兼ね合いが難しくなるところです。心原性脳塞栓症の治療は出血性梗塞と戦っているといっても過言ではないかと思います。なかなかevidenceに乏しい領域ですが(日本の脳卒中ガイドライン20 […]

非外傷性脳出血患者への急性期予防的抗てんかん薬投与 “PEACH” trial

ずっと気になるテーマであった臨床試験がついに発表されざわざわしています(私だけ・・・?)。脳血管障害患者で急性期に抗てんかん薬を予防的に投与することに意味があるのか?というRCTはこれまで存在せず、ガイドラインでも推奨するに根拠が薄いとされてきたためとても重要なテーマです。”PEACH (Prevention of Epileptic seizures at the Acute pha […]

透析患者の心房細動に対する抗凝固療法

透析患者さんが心房細動を合併している場合は多く(既報では約10%)、その際に抗凝固療法を導入するべきか?は議論があります。透析患者さんは脳卒中罹患リスクが5倍とされていますが、その一方で尿毒症の血小板機能低下(uremic platelet dysfunction)による出血傾向があります。このため「塞栓症予防のメリットが出血合併症のデメリットを上回るのか?否か?」が問題となります。この点に関して […]

発作(seizure)の誘因となる薬剤

ここではてんかん患者さんにおいて発作(seizure)の誘因となる(閾値を下げる)薬剤を文献から調べまとめます。発作(seizure)へのアプローチで「発作の誘因があるか?」は最も重要なポイント点です。誘因があればまずは誘因を除外して抗てんかん薬は増量または導入しない選択肢をとりますし、「誘因がない」場合は抗てんかん薬を増量または導入する選択肢を考慮します。この誘因の原因として「薬剤」は常に注意が […]

下垂体の解剖と画像

下垂体の解剖と画像はややこしいため勉強した内容をまとめました。今後徐々に内容を追加していきます。 解剖 ・下垂体はトルコ鞍(sella turcica)内(蝶形骨により形成)に位置する・上方:鞍隔膜 ・両側:海綿静脈洞 *海綿静脈洞と下垂体の間には硬膜が存在しないため、下垂体病変は海面静脈洞へ物理的に波及しやすい(下図) ・解剖:視床下部-正中隆起-下垂体茎(柄)(pituirary stalk) […]

下垂体炎 hypophysitis

免疫チェックポイント阻害薬の登場により注意が必要なのが下垂体炎です。最近下垂体疾患が多くまとめます。 分類 原発性:リンパ球性下垂体炎 続発性・薬剤性(免疫チェックポイント阻害薬・IFNα・Ustekinumab, Daclizumab)・自己免疫性(甲状腺疾患・Ⅰ型糖尿病・polyglandular syndrome・原発性胆管性肝硬変)・結合組織疾患(シェーグレン症候群・SLE・その他)・炎症 […]

Critical Care EEG Terminology: ACNS 2021

新しい施設は持続脳波検査を積極的に行うことが出来るため日々勉強させていただいております。このcritical care EEGの領域は実際にどれだけ経験したか?勉強したか?がとても重要な分野です。脳波は従来言葉の使い方も人によって違って訳わからない・・・と思われてきましたが近年用語の整理がすすみとても分かりやすくなっています。全てを訳すだけだとDeepLの方が圧倒的に優れているので、重要なポイント […]

心肺停止後の神経学的予後

これは倫理的な意思決定支援などにおいて極めて重要かつ慎重な判断が要求されるテーマです。Neurologistがコンサルタントとして関わることも多い領域だと思います。以下ガイドラインを元にして内容をまとめます。”European Resuscitation Council and European Society of Intensive Care Medicine […]

下垂体卒中 pituitary apoplexy

日々こつこと臨床を続けていると苦手分野が洗い出されありがたい限りです。下垂体卒中は1950年にBroughamらが5例報告で最初に”pituitary apoplexy”と名付けました。”apoplexy”はよく昔の先生が「アポった」と表現されることがありますが、元々はギリシャ語で日本語では「卒中」を意味します。下垂体卒中は神経内科医にとって意外とア […]

イラストで理解する「てんかん重積」

この記事は初学者向けにてんかん重積のイメージをつかみやすくするため比喩とイラストを用いて解説したものになります。よく「てんかん重積」は「火事」に例えられます。この例えは様々な書籍でされており私の新規性は一切ありません。唯一イラストは私が自分でいそいそと書いた独自のものです。理解の参考になりましたら幸いです。この記事では以下の例えを使用し、対応関係を先に記載しておきます。 ・家=脳・火事=てんかん重 […]