リンパ節の診察
リンパ節の触診は内科医にとって必須のphysical examinationです。これも本によって書いてあることがまちまちなので、混乱を招く要因になっている気もしますがまとめたいと思います。 頸部リンパ節 前頸部リンパ節 ・意義:咽頭・口腔~顔面からのリンパ還流を受ける部位であり、咽頭炎などで最もリンパ節腫脹を認めやすい部位・分類1:浅頸部リンパ節:胸鎖乳突筋の表層に位置するリンパ節・触診の方法: […]
リンパ節の触診は内科医にとって必須のphysical examinationです。これも本によって書いてあることがまちまちなので、混乱を招く要因になっている気もしますがまとめたいと思います。 頸部リンパ節 前頸部リンパ節 ・意義:咽頭・口腔~顔面からのリンパ還流を受ける部位であり、咽頭炎などで最もリンパ節腫脹を認めやすい部位・分類1:浅頸部リンパ節:胸鎖乳突筋の表層に位置するリンパ節・触診の方法: […]
先日医師人生で初めてTTPの症例コンサルテーションを受けました。TTPは学生時代に習ったイメージよりもはるかに実臨床での頻度が低く、ずっと「いつか出会うのかな?」と漠然に思っていました。私の師匠はよく「昔はチクロピジンでのTTPが多かったからそれでTTPを勉強していたけれど、チクロピジンがほぼ使われなくなってTTPはほとんど診なくなった」とおっしゃっていた記憶があります。やはり希少疾患であることは […]
輸血1単位:全血200mLから作られた製剤 原則1:輸血は副作用が多く、”Do no harm”の精神が特に重要で、不必要な輸血は避ける2:輸血の適応は予防と治療があり、どちらのために行うのかを分けて考える 赤血球製剤 RBC(red blood cell concentrate) 1単位=140mL(1単位あたりのHb=26-30g:ドナーのHbが13-15g/dLの場合)適応1:循環動態が安定 […]
末梢挿入型中心静脈カテーテル peripherally inserted central catheter(PICC)に関してまとめます。 PICC挿入の手順 0:物品の準備 ・エコー(リニア)、エコーカバー、エコーゼリー・PICCカテーテルキット(穿刺針・ガイドワイヤー・ダイレーター・カテーテルなど含まれている)・コネクター、三方活栓など・局所麻酔薬、23G針、シリンジ・ヘパロック多数・ガーゼ・ […]
悪性腫瘍を扱っていない医師でも救急外来で対応しなければいけないのが発熱性好中球減少です。私自身も経験が多い訳ではないため、この記事ではIDSAのガイドラインに沿ってそのまままとめさせていただきます(参考文献:”Clinical Practice Guideline for the Use of Antimicrobial Agents in Neutropenic Patients w […]
病態 HIT(heparin-induced thrombocytopenia)はPF-4(platelet factor:血小板放出)とヘパリンの複合体に対する抗体形成により血小板が減少しますが、出血合併症が起こるのではなく逆説的に血栓症を合併する病態です。未分画ヘパリンを7-10日間投与されている状態がリスクが高く、心臓手術後は約1-3%に認めるとされています。HITと確定した患者の約50%に […]
MDS(myelodysplastic syndrome)では免疫システムの破綻が病態に関与していることが知られており、MDSの10-20%に自己免疫疾患を合併すると報告されています。 ■自己免疫疾患を合併したMDS123例のまとめ Rheumatology 2016;55:291-300 MDS/CMLL合併した自己免疫疾患としては血管炎32%(PN12例、GCA9例、Behcet病6例:全体の […]
異常蛋白血症(paraproteinemia)とは? まず基本的なおさらいですが、形質細胞由来の免疫グロブリンはHeavy chain(H鎖)とLight chain(L鎖)の2つから構成されています。H鎖はIgG,IgA, IgM, IgD, IgEの5種類があり、L鎖はκとλの2種類があります。これらが組み合わさることで免疫グロブリンを構成しています。そして、このうちある一種類の免疫グロブリン […]
病態 POEMS症候群(Polyneuropathy, Organomegaly, Endocrinopathy, M protein, Skin changes)は形質細胞腫を背景とした多臓器疾患で、VEGF(vascular endothelial growth factor)血管内皮増殖因子の過剰産生が関与しています(Crow-深瀬症候群)。VEGFは骨髄の形質細胞由来であることが指摘されて […]
病態 Trousseau症候群は腫瘍に伴う過凝固状態による塞栓症を表しますが、文献によってはこの表現は使用さえておらず、pub medでもhitする数は少ないです。腫瘍由来の過凝固状態には多段階の機序が作用しているとされており(下図はBlood. 2007;110:1723-1729より引用)、抗凝固療法もDOACやワーファリンでは不十分で多段的に作用する未分画ヘパリンが有用とされています(実際に […]