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血液

白血病 leukemia

病態 ①増殖スイッチON+②分化できないOFF→正常造血阻害+臓器浸潤が問題になる 急性白血病 診療の流れ ①骨髄検査急性白血病=芽球≧20%↓②ペルオキシダーゼ染色(顆粒を茶色に染める)AML≧3% or ALL<3%を大まかに鑑別↓③フローサイトメトリー・染色体検査 t(9;22)があるか? BCR-ABL融合遺伝子→増殖シグナルを起こし続けるB細胞 エネルギーをATPからチロシンキナー […]

汎血球減少 pancytopenia

原因 非骨髄疾患 骨髄疾患 ・脾腫:肝硬変・門脈圧亢進症・lymphoma・sarcoidosis ・感染症・SLE・DIC(播種性血管内凝固) ・AA(再生不良性貧血) ・MDS(骨髄異形成症候群)・PNH(発作性夜間ヘモグロビン尿症)・骨髄の他細胞による置換:白血病・多発性骨髄腫・lymphoma・骨髄線維症・癌骨転移 ・巨赤芽球性貧血 ・HPS(血球貪食症候群) *薬剤:アロプリノール、抗菌 […]

多発性骨髄腫 multiple myeloma

形質細胞の悪性腫瘍年齢:基本的に高齢者の疾患 臨床像 CRAB①Ca(高カルシウム血症):PTH, VitaminDいずれも正常②Renal:腎不全、RTA2型、ネフローゼ症候群*light chainは通常尿細管で再吸収されるが、閾値を超えると再吸収しきれなくなり尿細管障害を呈する(RTA2型)③Anemia:骨髄浸潤・腎機能障害④Bone lesion:破骨細胞活性化骨融解、圧迫骨折 *「頑固 […]

本態性血小板血症 ET: Essential thrombocythemia

ETと脳梗塞合併例が1週間で2例あり急いで勉強しないといけず、まとめていきます。過去にもあったのですが、その時勉強した内容はすっかり忘れてしまっていました(ブログを始める前で後悔・・・)。 病態 遺伝子異常・JAK2 mutation 50%:血栓症のリスクが最も高い遺伝子変異・MPL mutation 5-10%・CALR(Calreticulin) mutation 20% JAK-STAT系 […]

リンパ節の診察

リンパ節の触診は内科医にとって必須のphysical examinationです。これも本によって書いてあることがまちまちなので、混乱を招く要因になっている気もしますがまとめたいと思います。 頸部リンパ節 頸部リンパ節は沢山名前があってややこしいですが、まずは大雑把に胸鎖乳突筋の前/後で分類すると分かりやすいです。ざっくりと胸鎖乳突筋の前(前頸部リンパ節)は咽頭や顔面を、胸鎖乳突筋の後(後頚部リン […]

TTP: thrombotic thrombocytopenic purpura 血栓性血小板減少性紫斑病

先日医師人生で初めてTTPの症例コンサルテーションを受けました。TTPは学生時代に習ったイメージよりもはるかに実臨床での頻度が低く、ずっと「いつか出会うのかな?」と漠然に思っていました。私の師匠はよく「昔はチクロピジンでのTTPが多かったからそれでTTPを勉強していたけれど、チクロピジンがほぼ使われなくなってTTPはほとんど診なくなった」とおっしゃっていた記憶があります。やはり希少疾患であることは […]

輸血 blood transfusion

輸血1単位:全血200mLから作られた製剤 原則1:輸血は副作用が多く、”Do no harm”の精神が特に重要で、不必要な輸血は避ける2:輸血の適応は予防と治療があり、どちらのために行うのかを分けて考える 赤血球製剤 RBC(red blood cell concentrate) 1単位=140mL(1単位あたりのHb=26-30g:ドナーのHbが13-15g/dLの場合)適応1:循環動態が安定 […]

PICC 末梢挿入型中心静脈カテーテル

末梢挿入型中心静脈カテーテル peripherally inserted central catheter(PICC)に関してまとめます。 PICC挿入の手順 0:物品の準備 ・エコー(リニア)、エコーカバー、エコーゼリー・PICCカテーテルキット(穿刺針・ガイドワイヤー・ダイレーター・カテーテルなど含まれている)・コネクター、三方活栓など・局所麻酔薬、23G針、シリンジ・ヘパロック多数・ガーゼ・ […]

発熱性好中球減少 FN: febrile neutropenia

悪性腫瘍を扱っていない医師でも救急外来で対応しなければいけないのが発熱性好中球減少です。私自身も経験が多い訳ではないため、この記事ではIDSAのガイドラインに沿ってそのまままとめさせていただきます(参考文献:”Clinical Practice Guideline for the Use of Antimicrobial Agents in Neutropenic Patients w […]

HIT: heparin-induced thrombocytopenia

病態 HIT(heparin-induced thrombocytopenia)はPF-4(platelet factor:血小板放出)とヘパリンの複合体に対する抗体形成により血小板が減少しますが、出血合併症が起こるのではなく逆説的に血栓症を合併する病態です。未分画ヘパリンを7-10日間投与されている状態がリスクが高く、心臓手術後は約1-3%に認めるとされています。HITと確定した患者の約50%に […]