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神経

認知症と自己免疫性脳炎

変性疾患の認知症とおもっていたけれど、実は自己免疫性脳炎というケースがあります。この場合免疫治療により治療介入可能なので(treatable dementiaに該当)、見逃さないように注意が必要です。これらに関してまとめた文献を紹介していきます。最近亜急性経過の認知症で受診してLGI1脳炎の診断に至った例を経験したばかりなので、とても勉強になりました。 文献:自己免疫性脳炎側からのapproach […]

吃逆 hiccups

病態 ・横隔膜の筋収縮により、強制吸気が生じ、喉頭蓋が閉鎖し音(例:「ひっく」)がでる・求心路:横隔神経,迷走神経,交感神経・遠心路:横隔神経・中枢:不明であるが,延髄・脳幹網様体・視床下部などが推定されている 原因 中枢神経 ・延髄外側症候群(こちら):日常臨床で難治性の吃逆として良く遭遇する・最後野症候群を呈する脱髄疾患:NMOSDが代表的 横隔神経・迷走神経を刺激する病態 ・頸部腫瘍,縦隔腫 […]

脳腫瘍の画像

画像ごとの考慮すべき点 CT ・高吸収:細胞密度が高いことを反映する 悪性リンパ腫など・石灰化:oligodendroglioma MRI ・DWI, ADC map:拡散制限があると細胞密度が高いことを示唆・T2/FLAIR像:astrocytomaはT2-FLAIR mismatch(T2WIで高信号の部位が、FLAIR像で低信号)を認める場合がある・T1:出血病変・Gd造影T1:壊死があると […]

外リンパ瘻 perilymphatic fistula

SSHL(こちら)の鑑別としてNeurologistにとってやっかいなのが外リンパ瘻(PLF: perilymphatic fistula)です。外傷歴や疑わしい病歴があればすぐに耳鼻科コンサルトになりますが、それらの病歴がない場合はどうしても侵襲的アプローチが必要となるため非耳鼻科医にとっては限界があります。私は現在耳鼻科常勤医がいない病院で急性期のめまい診療の責任を担っているので、耳鼻科領域の […]

ICU-acquired weakness

なかなかつかみどころがないためまとめづらい分野なのですが、考える機会があったためまとめていきたいと思います。 背景・用語 元々指摘されていたのは以下2つの病態。①敗血症や多臓器不全患者でのポリニューロパチー:端緒は1984年の文献で5例の敗血症や多臓器不全でのポリニューロパチー報告でいずれも電気生理で運動感覚神経の軸索障害(脱髄や伝導ブロックなし)で他の原因が指摘できず、3件の剖検例でもその他の障 […]

橋本脳症

橋本脳症はかなり注意が必要な疾患概念で、誤解も非常に多いです。今回の記事は拙著「レジデントのための神経診療」でも記載した内容が中心です。脳症の全体像に関してはこちらを参照ください。 元々の概念提唱 ①脳症② 抗甲状腺抗体(抗TPO抗体)陽性③髄液所見/MRI所見は正常(または非特異的所見)④ステロイド治療反応性が良好 注意:甲状腺機能自体は正常~軽度低下の場合が多く, 甲状腺機能低下に伴う粘液水腫 […]

bihemispheric PICA

先日両側PICA領域の小脳梗塞で、片側のPICAが両側小脳を還流している血管解剖の症例がありました。bihemispheric PICAと呼ばれ調べた内容を簡単にまとめます(血管造影検査を日常的にされている先生方にとっては当たり前の内容かもしれません)。 解剖 ・椎骨動脈から分岐→延髄周囲を走行→小脳扁桃と第四脳室屋根後半部の間を通過→小脳半球と小脳虫部→vermian branch(medial […]

尿毒症による不随意運動

顔面と首を主体に急性経過で不随意運動を呈しており、四肢にはほとんど認めない透析を数日スキップした高齢女性の方がおられました。asterixisもはっきりせずTMAとしても長すぎる経過もあり、代謝性で尿毒症由来かなーということで透析をしたところその夕方には寛解しました。まだ少ししか調べられていないですが、尿毒症による不随意運動に関して勉強して追記していきます。 多い不随意運動:ミオクローヌス、2次性 […]

後頭神経痛 occipital neuralgia

田舎の病院で内科外来をしているときはよく遭遇しました。本日外来でそうなのかな?と微妙な症例があり改めて勉強しました。取り急ぎで、少しずつ追記していきます。 解剖・病態 ・大後頭神経(greater occipital nerve)が最も障害されやすい(>小後頭神経)・疼痛分布の90%は大後頭神経に合致する・大後頭神経はC2由来→半棘筋(semispinalis)、僧帽筋を貫通する(下図)→同部位が […]