高CK血症へのアプローチ
高CK血症で紹介受診になることはままあると思います。ここではそのアプローチに関して検討します。 鑑別 ・物理的圧迫:昏睡状態での長期臥床、事故での外傷・筋肉の過剰使用:痙攣、過度な運動、アルコール離脱症候群・熱性:悪性症候群、悪性高熱症、熱中症・電解質/代謝:低K血症、低P血症、低Ca血症、低Na血症、甲状腺機能低下症/亢進症、副甲状腺機能低下症・筋/神経疾患:炎症性筋疾患、筋強直性ジストロフィー […]
高CK血症で紹介受診になることはままあると思います。ここではそのアプローチに関して検討します。 鑑別 ・物理的圧迫:昏睡状態での長期臥床、事故での外傷・筋肉の過剰使用:痙攣、過度な運動、アルコール離脱症候群・熱性:悪性症候群、悪性高熱症、熱中症・電解質/代謝:低K血症、低P血症、低Ca血症、低Na血症、甲状腺機能低下症/亢進症、副甲状腺機能低下症・筋/神経疾患:炎症性筋疾患、筋強直性ジストロフィー […]
筋疾患は通常近位から障害されることが多いとされていますが遠位から障害される遺伝性疾患をまとめて「遠位型ミオパチー」と称することがありまとめます。 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー distal myopathy with rimmed vacuoles(GNE myopathy) 遺伝形式:AR 遺伝子:GNE遺伝子 シアル酸合成酵素の変異臨床像:20歳前後で発症緩徐に進行 尊大な歩行 股関節外転 […]
Duchenne muscular dystrophy: DMD Duchenne型筋ジストロフィー 筋疾患一般へのアプローチに関してはこちらをご参照ください。 遺伝形式 遺伝形式:XR Xp21ジストロフィン遺伝子 細胞膜直下のジストロフィン蛋白欠損→膜不安定性により進行性の筋繊維変性筋ジストロフィーの中で最も頻度高い人口2~3人/10万人女性も症候性保因者の場合がある*Becker muscu […]
筋ジストロフィー 遺伝形式:AR原因遺伝子:DYSF(2p13) dysferlin蛋白をコードしている(筋細胞膜の膜修復に関与している) 三好型遠位型筋ジストロフィー ■臨床像・下腿遠位から発症・下腿屈側(腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋) 初期からつま先立ちが困難になる・10歳代後半から20歳代で発症・CK値は高度に上昇する・筋病理は壊死再生が主体であるが、細胞浸潤を認める場合もありその場合に多発筋炎 […]
病態 Pompe病(糖原病Ⅱ型)は酸性α-グルコシダーゼ(GAA: glucosidase acid alpha: ライソゾーム酵素)の欠損により細胞内にグリコーゲンが蓄積するARの遺伝性疾患で、特に骨格筋障害をきたします。 乳児型ポンペ病は肥大型心筋症、floppy infantを呈する疾患で、乳児型の病理はすべての筋繊維に空胞とamorphousの酸フォスファターゼ活性を持つ特徴的な空胞を認め […]
遺伝形式 遺伝子:D4Z4 正常:10回以上の反復 FSDH1患者は反復回数が3~10回程度と少ない →DUX4(毒性のあるたんぱく質)による障害遺伝形式:AD *約30%は親に4q35欠失は認めずde novoと考えられている(孤発例あり) 臨床像 ■左右差のある筋萎縮“Facioscapulohumeral muscular dystrophy can show marked si […]
周期性四肢麻痺の原因は様々ですがその中で最も多いのが甲状腺機能亢進症に伴う二次性の周期性四肢麻痺です。自験例も周期性四肢麻痺はTPPしかないのですが、勉強した内容をまとめます。臨床的に非常に興味深い疾患です。 周期性四肢麻痺の分類 ■K値による分類1:高K性周期性四肢麻痺・2次性:K保持性利尿薬・副腎不全・腎不全など・遺伝性AD(SCN4A遺伝子) ミオトニーを認める場合がある→針筋電図で確認2: […]
筋強直性ジストロフィーは神経内科の疾患というよりも内科医がみつけるべき疾患という位置づけだと個人的には思っています(頻度もまれではありません)。「なんでこの年で白内障があって誤嚥性肺炎になるの?」、「なんでCKがちょっと高くて不整脈と白内障があるの?」などなど年齢に比してこれはおかしいという臨床的な視点が本疾患を疑うヒントになると思います。 病態/遺伝 1型(DM1)に関して遺伝形式:AD 遺伝子 […]
遺伝形式:AD(ARもあり)原因遺伝子:LRP12 非翻訳領域の CGG repeat 異常伸長(Nat Genet. 2019 Aug;51(8):1222-1232.)その他:GIPC1, NOTCH2NLCLRP12に関してrepeat数が長いほど発症年齢が若年化することが指摘されています。 *参考:繰り返し配列の異常伸長に伴う主な神経筋疾患まとめ(https://www.amed.go. […]
非常に久しぶりの投稿がかなりマニアックなテーマになってしまい恐縮です(ここ2ヶ月くらい仕事が立て込んでおり投稿できておらず大変申し訳ございませんでした)。最近外来で「限局性筋炎」を鑑別として考える必要のある症例を経験し、勉強した内容をまとめます。ご経験のある方は是非臨床経験を教えていただけますと幸いです。 限局性筋炎(focal myositi)は1977年Heffnerが報告したことに端を発しま […]