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腎臓 酸塩基・輸液

乳酸 Lactic acid/Lactate

・lactate:乳酸イオン *血液ガスで測定している値・lactic acid:乳酸 正常値:0.5~1.5 mmol/L (通常 2 mmol/L未満)*換算(mmol/Lとmg/dL):mmol/L=0.11 x mg/dL 0.44-1.78mmol/L(4-16mg/dL) →だいたい8~9倍すれば良い(血液ガス測定の機械によって単位表記が異なる) 産生と代謝 産生 機序:嫌気性解糖=ピ […]

メイロン®を投与するべきなのか?

「メイロン®(NaHCO3)を投与するべきなのか?」はずっと議論があります。ここでは臨床試験ではなく生理学的議論に関してまとめていきます。 電離定数からの議論:The ICU book(Marino)の記載 The ICU bookの記載をざっくりまとめると「そもそも重炭酸の電離定数pK=6.1だから、pH=6.1前後で最も有効な緩衝剤になる。すると通常acidemiaの例えばpH=7.2の状況で […]

尿閉 Urinary retention

ER当直をしているとよく遭遇するのが「尿閉」です。身体所見では臍より下の部分がポコッと盛り上がっており一目瞭然ですが(下図自験例)、患者さんは尿閉ではなく「腹痛」として受診する場合もあるため注意が必要です。 原因 ・男性の場合:前立腺肥大症が最多、前立腺炎も尿道圧迫による尿閉を来しえます(自験例もあります)・物理的な尿道閉塞:血塊による膀胱タンポナーデ、結石・薬剤性:抗コリン薬(特に市販の感冒薬に […]

マクロCK血症

研修医の先生から「なんでこの患者さん採血検査でCK上昇しているのでしょうか?」と質問があり、マクロCK血症と思われる症例を経験し勉強した内容を簡単にまとめさせていただきます。 1:CKに関して CK(creatine kinase)はM型とB型の2種類から作られます(下図)。CK-MM:骨格筋、CK-MB:心筋(心筋全体の25%未満)という関係にあります(BBは臨床上問題になることは少ないため省略 […]

浮腫 edema

ポイント1:病態生理による浮腫の分類2:浮腫の解剖分布3:pitting edema (fast edema/ slow edema), non-pitting edemaに分類 病態 浮腫に関与する病態”Starlingの法則”1:血管透過性亢進(炎症・アレルギー)2:毛細血管圧亢進(体液量増加:心不全・腎不全)3:膠質浸透圧(アルブミンの喪失:肝硬変・ネフローゼ症候群など)4:リンパ管排出(リ […]

Fabry病

Fabry病はαガラクトシダーゼA(α-Gal A)の酵素活性低下・欠損によるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)のライソゾームへの進行性の蓄積が病態で、全身の細胞にこれらが蓄積することで臓器障害を引きおこいます。αガラクトシダーゼ遺伝子(GLA)はX染色体上に存在するため、X連鎖性劣性遺伝形式をとります(ヘミ接合体)。しかし、実際には女性でも症候性の場合もあります(症候性ヘテロ接合体)。 以下 […]

呼吸性アルカローシス

病態 呼吸性アルカローシスは何らかの原因で呼吸中枢が活性化し、換気量が増えることでPaCO2が下がる病態です。呼吸を駆動系・肺胞・血液の3つに分類すると、駆動系の問題に該当し、肺胞や血液の問題ではありません。このため鑑別はかなりシンプルになります。 原因を上げると下記が挙げられます。 ・低酸素血症による呼吸中枢へのフィードバック・敗血症の初期・疼痛、精神的苦痛・サリチル酸中毒・肝不全・妊娠 このう […]

AG開大性代謝性アシドーシス

血液ガスではたとえ一見酸塩基平衡がなさそうに見えても、必ずアニオンギャップ(以下AG)を計算する必要があります。そして、AGが開大していれば必ずAG開大性代謝性アシドーシスが存在します(physiological approachのStep4に該当します。血液ガスの詳しい解析法はこちらをご覧ください)。 AG開大性代謝性アシドーシスの原因は大きく4つでケトン・乳酸・中毒・CKDです。これは「暗記」 […]

細胞外液(晶質液):リンゲル液 VS 生理食塩水

1:細胞外液(晶質液) Na含有量が体内の細胞外液と近い輸液を細胞外輸液と表現し、代表的なものに生理食塩水とリンゲル液があります(輸液全般のまとめに関してはこちらをご参照ください)。両者の違いは生理食塩水はCl=154mEq/LとClが多く、またpH=7.00と人体に比べてアシデミアに傾いているのに対して、リンゲル液は緩衝剤(乳酸、酢酸、重炭酸など)が含まれているためpHが人体に近く、Clも100 […]

排尿・蓄尿障害まとめ

排尿障害は尿路感染症での評価、高齢者での一般的な症状として泌尿器科非専門医にとっても避けては通れない分野です。ここでは非専門医として考えることをまとめます。このよう内容はまだ勉強が浅いので適宜アップデートしていきます。 1:排尿の調節 末梢神経:骨盤神経(副交感神経)、下腹神経(交感神経)、陰部神経(体性神経) ■蓄尿:交感神経 ・α1(交感神経、下腹神経):収縮 内尿道括約筋・体性神経(陰部神経 […]