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視神経疾患

Hessチャート “Hess chart”

「Hess赤緑試験」とも表現する眼球運動を評価するための検査方法です。眼科で行う検査ですが、神経内科では眼球運動障害、複視を多く扱うためどのような検査なのか?またどのように結果を解釈するか?を知っておく必要があると思い勉強した内容をまとめます。 1:原理 右眼と左眼をそもそもどのようにして分離するか? 検査の原理がわからない場合はその検査を1から組み立てる気持ちになるとわかりやすくなることが多々あ […]

VEP: visual evoked potential 視覚誘発電位

視神経の脱髄病変は画像では検出が難しい場合が多いです。VEPは例え視力低下が明らかではない場合も、subclinicalな視神経の障害を検出することができ、視神経疾患の評価・診断にとても重要な電気生理検査です。視神経疾患の中でも特に多発性硬化症、視神経脊髄炎などで利用する場合が多いと思います(視神経疾患に関してはこちらもご参照ください)。 1:測定方法 刺激方法1:pattern-reversal […]

サルコイドーシスによる視神経症

サルコイドーシスによる眼障害としては前部ブドウ膜炎が有名で、脳神経障害としては顔面神経麻痺が有名ですが、ここでは視神経症を取り上げます。基本的には亜急性経過の視神経症の臨床像で52例のサルコイドーシスによる視神経症をまとめた報告の内容をまとめます(Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm 2016;3:e270)。 視神経症をきたす病態としては視神経自体の炎症、浸潤もしくは […]

中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)による視神経障害

PCNSLでは眼内病変を呈することが約20%程度あるとされ重要な所見です。PCNSLによる眼内病変は通常月単位の慢性経過であり、無症候性に指摘される場合もあるためPCNSLを疑う場合は眼内病変の検索をすることが重要とされています。 一方でPCNSLによる視神経障害は頻度が稀で、比較的早い進行性の経過をたどり予後が悪いことが指摘されています。ここでは7例のPCNSLによる視神経障害報告をまとめます( […]

視神経周囲炎 Optic perineuritis

1:病態 視神経鞘(optic nerve sheath)を主体に炎症をきたす病態(視神経軸索ではなく)とされています。視神経炎とは独立した疾患概念として報告されています。 視神経鞘は頭蓋内では存在しない(頭蓋骨の硬膜へ移行)ため、炎症は視神経前方に起こりやすいとされています。眼底検査では視神経乳頭部にも炎症をきたしていることも多い(乳頭浮腫 68% Arch Opthalmol 2001;119 […]

視神経疾患 総論

1:解剖 視神経は末梢神経ではなく、中枢神経(間脳)の延長なのでOligodendrocyteが髄鞘形成をしています(Schwann細胞ではなく)。視神経は網膜部・眼窩部・視神経管部・脳槽部の4つに分類されます。以下視神経の部分によって分類して記載します。 1.1:網膜部:視野障害と網膜上の視神経線維走行・分布 障害された視神経が網膜上にどのように分布するかによって視野障害の範囲が決まります。どの […]