HIT: heparin-induced thrombocytopenia

病態

HIT(heparin-induced thrombocytopenia)はPF-4(platelet factor:血小板放出)とヘパリンの複合体に対する抗体形成により血小板が減少しますが、出血合併症が起こるのではなく逆説的に血栓症を合併する病態です。未分画ヘパリンを7-10日間投与されている状態がリスクが高く、心臓手術後は約1-3%に認めるとされています。HITと確定した患者の約50%に血栓症(PE>末梢動脈血栓>脳卒中>心筋梗塞)を認めます。 read more

大動脈解離と脳梗塞

急性期脳梗塞診療は「いかに大動脈解離を除外するか?」というテーマを常に抱えています。大規模な3次救急病院では年1例くらいは脳卒中搬送で実は原因が大動脈解離であったということがあるのではないでしょうか?しかし、初発症状で神経所見を呈する大動脈解離は典型的な疼痛を訴えることが少なく診断が難しいことが知られており、rt-PA投与は禁忌で致死的になりうるため注意が必要です。ここではその特徴を文献的にまとめます。先にまとめを掲載します。 read more

β-blocker

1:作用機序

■心臓への作用

心臓の刺激伝導系や作用することで“rate control”に作用します。房室結節を抑制することで寝室のrateをコントロールする作用があります。房室結節に作用する薬はβ-blocker非ジヒドロピリジン系カルシウム受容体拮抗薬の2種類が重要です(カルシウム受容体拮抗薬に関してはこちらをご参照ください)。 read more

ACE阻害薬/ARB

1:レニン・アンジオテンシン・アルドステロンシステムに関して

Renin-Angiotensin-Aldosterone-System(RAAS:以下簡略のためにRAASと表現します)に関してまず解説します。そもそもRAASはなぜ人間に備わっているのでしょうか? read more

左心耳の世界

解剖・形態

左心耳(LAA: left atrial appendage)は1909年に同部位に血栓ができることで脳梗塞になることが指摘されてから脚光(?)を浴びるようになった解剖構造です。左心房と比較して左心耳は非常にcomplianceが高いため、圧が上昇した際のリザーバーとしての機能・役割があるのではないかと指摘されていますが、脳梗塞領域においては非常にやっかいな構造物です・・・。 read more

急性大動脈解離をどう除外できるか?

大動脈解離ほど非典型例な症状で受診し、初診時に診断が難しい疾患はないと思います(誤診率は14~39%)。これも学生の時は簡単に診断できると思っていたけれどそうではない疾患の代表です(くも膜下出血やACSと同様)。かといって全員造影CTを撮影する訳にはいかないので、造影CT前にどこまで急性大動脈解離を除外できるか?どういうときに造影CTへ行くべきか?の判断が重要になります。以下のADD-RSとD-dimerを掛け合わせたものが最も有用と思います。 read more

腎梗塞 renal infarction

昨年度勤めていた病院の研修医の先生方から腎梗塞の症例をシェアしていただきました。私自身は1例しか経験がなく、それも自分で腎梗塞をねらって診断したわけではなく造影CT検査で偶発的に指摘され診断にいたった症例でした・・・。有名な疾患ですが、尿管結石、腎盂腎炎と誤診される場合も多いです。勉強した内容をここでまとめさせていただきます。 read more

頚静脈の診察

病態・解剖

心臓への静脈還流がうっ滞しているかどうか?を知る指標として「頸静脈」の評価は欠かすことが出来ません。私は情けない話ですが、頸静脈をある程度きちんと評価できるようになったのは昨年度からです・・・。これは身体所見すべてにおいてですが、一度きちんと身体所見をとれる医師と一緒に診察することが身体所見の習得には不可欠です。 read more