Fabry病

Fabry病はαガラクトシダーゼA(α-Gal A)の酵素活性低下・欠損によるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)のライソゾームへの進行性の蓄積が病態で、全身の細胞にこれらが蓄積することで臓器障害を引きおこいます。αガラクトシダーゼ遺伝子(GLA)はX染色体上に存在するため、X連鎖性劣性遺伝形式をとります(ヘミ接合体)。しかし、実際には女性でも症候性の場合もあります(症候性ヘテロ接合体)。 read more

手術・処置における抗凝固薬の休薬

ここでは手術・処置の前にあたって「抗凝固薬をそもそも中止する必要があるのか?」また中止する場合は「いつから中止する必要があるのか?」、「いつから薬を再開するべきか?」に関してまとめさせていただきます。抗血小板薬の休薬に関してはまた別に記載させていただければと思います。 read more

ヘパリンブリッジ

「ヘパリンブリッジ」は慣習的に行われている施設が多いかもしれませんが、近年「ヘパリンブリッジは本当に意味があるのか?」というclinical questionが臨床試験で問われています。自分は今まできちんと元文献にあたれていなかったため調べた内容をまとめさせていただきます(以下では「ワーファリンのヘパリンブリッジ」に関してのみ扱います。DOACのヘパリンブリッジに関してはまた別途記載させていただきます)。 read more

HIT: heparin-induced thrombocytopenia

病態

HIT(heparin-induced thrombocytopenia)はPF-4(platelet factor:血小板放出)とヘパリンの複合体に対する抗体形成により血小板が減少しますが、出血合併症が起こるのではなく逆説的に血栓症を合併する病態です。未分画ヘパリンを7-10日間投与されている状態がリスクが高く、心臓手術後は約1-3%に認めるとされています。HITと確定した患者の約50%に血栓症(PE>末梢動脈血栓>脳卒中>心筋梗塞)を認めます。 read more

大動脈解離と脳梗塞

急性期脳梗塞診療は「いかに大動脈解離を除外するか?」というテーマを常に抱えています。大規模な3次救急病院では年1例くらいは脳卒中搬送で実は原因が大動脈解離であったということがあるのではないでしょうか?しかし、初発症状で神経所見を呈する大動脈解離は典型的な疼痛を訴えることが少なく診断が難しいことが知られており、rt-PA投与は禁忌で致死的になりうるため注意が必要です。ここではその特徴を文献的にまとめます。先にまとめを掲載します。 read more

β-blocker

1:作用機序

■心臓への作用

心臓の刺激伝導系や作用することで“rate control”に作用します。房室結節を抑制することで寝室のrateをコントロールする作用があります。房室結節に作用する薬はβ-blocker非ジヒドロピリジン系カルシウム受容体拮抗薬の2種類が重要です(カルシウム受容体拮抗薬に関してはこちらをご参照ください)。 read more

ACE阻害薬/ARB

1:レニン・アンジオテンシン・アルドステロンシステムに関して

Renin-Angiotensin-Aldosterone-System(RAAS:以下簡略のためにRAASと表現します)に関してまず解説します。そもそもRAASはなぜ人間に備わっているのでしょうか? read more

左心耳の世界

解剖・形態

左心耳(LAA: left atrial appendage)は1909年に同部位に血栓ができることで脳梗塞になることが指摘されてから脚光(?)を浴びるようになった解剖構造です。左心房と比較して左心耳は非常にcomplianceが高いため、圧が上昇した際のリザーバーとしての機能・役割があるのではないかと指摘されていますが、脳梗塞領域においては非常にやっかいな構造物です・・・。 read more