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ギランバレー症候群 CIDP

Bickerstaff脳幹脳炎

脳幹脳炎(brainstem encephalitis)またはrhombencephalitisに対する系統的なアプローチを身に付けることがNeurologistとして必須の知識です。その中でもBickerstaff脳幹脳炎に関してまとめ、途中で脳幹脳炎に対するアプローチについて文献的なことと、個人的な考えをまとめます。 病態・背景 ・日本では年間約100例程度と報告されている(脳幹脳炎の43%を […]

CIDP EFNS/PNS Guideline 2021

「もう2022年の夏だよ!今更記事作っても遅いよ!」と言われてしまいそうですが・・・、1年遅れでCIDPの新ガイドラインについて簡単にまとめたいです(完全に自分の理解のためです・・・)。CIDPに関しては過去こちらにまとめていますのでご参照ください。前の記事に書き加えると収集がつかなくなるため前の記事とは別に新しい記事にしています。この記事は全体をただ訳すことが目的ではなく、一部私の意訳やコメント […]

腱反射が保たれるギラン・バレー症候群

特に日本からよく報告されています。「そもそもなぜ腱反射が起こるのか?」、「軸索障害や脱髄なにが特に障害するのか?」など考えることが広がり、面白いテーマです。 ただ「腱反射が保たれているギラン・バレー症候群もあるから!」という一点張りでは戦えません。やはり総合的な臨床経過・神経所見・電気生理所見などを合わせて初めて病態の評価が可能となります。つまり「腱反射が保たれているギラン・バレー症候群もある」と […]

CMV感染後のギラン・バレー症候群

ギランバレー症候群一般に関してはこちらにまとめがあるためご参照ください。Campyrobacter jejuni感染後は抗GM1抗体は分子相同性の機序によって末梢神経障害を引き起こす機序が推定されています。抗GM2抗体(IgM)がCMV感染後GBSで患者の血清から認めることは有名ですが、これが本当にpathogenic(病原性があるのか?)は証明されていません。その経緯をみていきたいと思います。 […]

acute-onset CIDP(A-CIDP)とGBS

一般的にギランバレー症候群は症状のピークが4週以内、CIDPは8週以上かけてピークに達するとされていますが、急性に発症する最終的に診断がCIDPとなる症例があり、acute-onset CIDP(以下A-CIDP)と呼ばれています。簡単に調べた内容をまとめさせていただきます。 臨床像 ・8週間以上症状が進行し、単相性の経過ではない場合にA-CIDPを考慮します。 ・9週以降の症状増悪が3回以上をA […]

IVIg: 経静脈的免疫グロブリン療法

自己免疫疾患で使用する機会があるIVIg(intravenous immunoglobulin):経静脈的免疫グロブリン療法に関してまとめます。 機序・投与方法 ■作用機序:免疫グロブリン製剤は献血された血漿からIgGを中心に精製された製剤です。結論から申し上げますと作用機序は分かるようでよくわかりません(研修医の先生から「なんで免疫グロブリン療法で効くんですか?」とよく質問を受けますがうまく答え […]

ギランバレー症候群と味覚障害

先日診療したギランバレー症候群(疑い)の患者さんに味覚障害が出現し、自験例で一度も経験がなかったため文献を調べてみました(ギランバレー症候群の総論に関してはこちらをご参照ください)。ギランバレー症候群での味覚障害を認めるのは0.6-2%と比較的稀とされています(J Neurol Neurosurg Psychiatry 1988;51:605–612.)。顔面神経のほとんどは大径有髄繊維ですが、味 […]

PCB variant (pharyngeal-cervical-brachial variant of GBS):咽頭頸部上腕型GBS

病態/臨床像 ・咽 頭 頸 部 上 腕 型 GBS(pharyngeal-cervical-brachial variant of GBS:PCB)は球麻痺が前景に立つギラン・バレー症候群の亜型で(下図オレンジ色文字が該当)、1986年にRopperが報告したことに端を発します(ギラン・バレー症候群の一般的事項に関してはこちらをご参照ください)。・球麻痺で発症し、その後症状分布が下行性に拡大してい […]

Guillain Barre症候群・ギラン・バレー症候群 総論

病態 ・末梢神経の髄鞘もしくは軸索の抗原に対して自己抗体が産生されることで末梢神経障害・神経根障害をきたすことがギラン・バレー症候群(Guillain Barre syndrome: GBS)の病態です。・想定されている病態機序が下図にまとめられています(Nat Rev Neurol. 2016;12(12):723-731.)。全体の約2/3に先行感染(関連のある病原体:Campyro […]

神経伝導検査 NCS: Nerve Conduction Study 総論

ここでは「神経伝導検査(NCS: Nerve Conduction Study)で一体何を調べているのか?」「その検査結果をどのように解釈すればよいのか?」という点に絞って解説を行います(余談ですが「伝速:でんそく」と呼ばないように注意です。電気生理専門の先生に怒られます。「伝速」は速度しか意味していませんが、潜時や振幅なども重要なパラメーターだからです)。実際にどのように検査を行うか?というテク […]