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ギランバレー症候群 CIDP

神経筋疾患による呼吸不全

神経筋疾患による呼吸不全の機序 神経筋疾患による呼吸不全の機序は以下の1-3が知られています。 1:上気道・咽頭・喉頭の筋力低下・嚥下機能低下により喀痰が貯留し上気道閉塞をきたす・喉頭周囲の筋力低下により仰臥位で上気道閉塞のリスクがある2:吸気筋力低下・吸気不十分により無気肺とそれに伴うV/Q mismatchによる低酸素血症、肺胞低換気による高二酸化炭素血症3:呼気筋力低下・通常呼気は受動的に行 […]

抗MAG抗体ニューロパチー

病態 異常蛋白血症に伴うニューロパチーの中に含まれます(異常蛋白血症に伴うニューロパチーに関してはこちらを参照ください)。IgM praproteinemiaに伴うニューロパチーのうち約50%で抗MAG(myelin associated glycoprotein:ミエリン随伴性糖蛋白質)抗体が陽性となります。MAGは髄鞘間の接着因子として機能している髄鞘構成蛋白で、下図の赤矢印部分をご参照くださ […]

両側顔面神経麻痺を主徴とするGuillain Barre症候群:facial diplegia and paresthesia(FDP)

両側顔面神経麻痺の鑑別としてギラン・バレー症候群が挙げられます(後はサルコイドーシス、ライム病などが有名でしょうか)。ギラン・バレー症候群の経過中に顔面神経麻痺を合併することは一般的で24-60%に合併するとされていますが、これとは別に両側性末梢性顔面神経麻痺と四肢遠位部での異常感覚を主徴とする臨床亜型として“facial dipelgia and paresthesia” […]

Guillain Barre症候群 合併症

Guillain Barre症候群ではさまざまな合併症を併発するため(特に重症例)、集学的なアプローチが必要となる場合が多いです。以下で各合併症に関して調べた内容をまとめます(ギラン・バレー症候群の一般的事項に関してはこちらをご参照ください)。この中でも特に重要なのが致死的になりうる自律神経障害と深部静脈血栓症の2点です。これに加えてQOLに大きな影響を与える疼痛をこの記事では取り上げます。ギラン […]

Guillain Barre症候群 治療

ギラン・バレー症候群の治療方法は1990年代に血漿交換療法が確立し、その後1990年代にIVIGの治療が確立しました。その後20年程度に渡り両者が1st line therapyとして君臨し、新規の治療法が出現せず大きな進歩がなかなかありませんでしたが、近年C5モノクローナル抗体が脚光を浴びるようになってきています。ここではギラン・バレー症候群の治療に関してまとめます(ギラン・バレー症候群の一般的 […]

Guillain Barre症候群 予後予測

患者さんご本人、家族へのギラン・バレー症候群の説明をするにあたっては大まかな機能予後と道筋を示すことが求められます。その際に参考となるのが予後予測のスコアリングです。ギラン・バレー症候群では機能予後に関するスコアリングとしてmEGOSが、人工呼吸管理となる予後評価に関してEGRISの2つが提唱されており、ここで簡単に紹介させていただきます(ギラン・バレー症候群の一般的事項に関してはこちらをご参照く […]

PAF: pure autonomic failure 純粋自律神経機能不全

病態 純粋自律神経機能不全(PAF: pure autonomic failure 以下PAFと表記します)は末梢の自律神経にαシヌクレイン蛋白が異常集積し、遠心性節後神経が主として障害さることが特徴の神経変性疾患です(求心性線維は比較的保たれるとされています)。1925年Bradbury and Egglestonによって報告されたことに端を発します。自律神経障害の総論に関してはこちらにまとめが […]

CIDP:chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー

病態 後天的な自己免疫の機序により末梢神経の特に髄鞘が障害されることがCIDPの機序です。自己抗体が攻撃をしやすい部位(脱髄が起こりやすい部位)はBNB(blood nerve barrier)が生理的に脆弱な神経根部、神経最遠位部に起こりやすいとされています。 これはつまり、障害が神経の長さに依存しない(non-length dependent)ということを意味しており、長さが短い神経(近位筋を […]

MMN :multifocal motor neuropathy 多巣性運動ニューロパチー

病態 病態は後天性の脱髄、病変の首座は運動神経の末梢神経単位であり、全体的ではなく一部が障害されることが本疾患の特徴です。臨床的には緩徐進行性に左右非対称、遠位優位(特に上肢)に障害されることが特徴です。抗GM1-IgM抗体が半数程度に検出される点や、免疫グロブリン療法が奏功するため自己免疫機序が関与していることが推察されますが、機序は解明されていません(下図はNat. Rev. Neurol. […]

脊髄神経根 spinal nerve root 増強効果

0:解剖 通常硬膜内の神経根はBNB(blood nerve barrier)が保たれており造影MRI検査で増強効果を認めることはないですが、硬膜外の神経根と後根神経節(DRG: dorsal root ganglion)はBNBが脆弱なため造影MRI検査で生理的な増強効果を認める場合があります ( AJNR1996;166:173 )。 脊柱管内と脊柱管外で・硬膜→神経上膜(epineurium […]