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自律神経障害

POTS: postural tachycardia syndrome

立位不応(orthostatic intolerance:立っていると具合が悪くなる)の鑑別として重要なのがPOTSです。立位に対する異常な心拍数の増加と、起立性低血圧と異なり収縮委血圧は低下しないという特徴を有する症候群です(立位に対する正常の反応はHRが10-30/分上昇し、収縮期血圧は変化なく(保たれ)、拡張期血圧は-5mmHg上昇とされています)。 定義/機序 ■定義・立位(tiltもしく […]

Fabry病

Fabry病はαガラクトシダーゼA(α-Gal A)の酵素活性低下・欠損によるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)のライソゾームへの進行性の蓄積が病態で、全身の細胞にこれらが蓄積することで臓器障害を引きおこいます。αガラクトシダーゼ遺伝子(GLA)はX染色体上に存在するため、X連鎖性劣性遺伝形式をとります(ヘミ接合体)。しかし、実際には女性でも症候性の場合もあります(症候性ヘテロ接合体)。 以下 […]

発汗障害 無汗症・発汗低下

生理と解剖 汗腺の構造 発汗機能を担う構造は汗腺(sweat gland)です。汗腺はエクリン腺(eccrine gland)とアポクリン腺(apocrine gland)の大きく2種類が存在します。前者のエクリン腺は全身に分布し、体温調節を主に担います。後者のアポクリン腺は腋窩など比較的限局した部位に存在し、情動に伴う発汗に関与します。 発汗の機能は1:体温調節のための発汗と2:情動に伴う発汗の […]

PAF: pure autonomic failure 純粋自律神経機能不全

病態 純粋自律神経機能不全(PAF: pure autonomic failure 以下PAFと表記します)は末梢の自律神経にαシヌクレイン蛋白が異常集積し、遠心性節後神経が主として障害さることが特徴の神経変性疾患です(求心性線維は比較的保たれるとされています)。1925年Bradbury and Egglestonによって報告されたことに端を発します。自律神経障害の総論に関してはこちらにまとめが […]

起立性低血圧への治療介入

1:起立性低血圧に対する治療 1.1:非薬物治療 起立性低血圧に対する治療は基本対症療法です。薬剤は病態自体を改善するわけではないため、副作用も懸念があり、まずは非薬物療法の導入が重要です。どこまで患者さんに下記の内容を教育出来るかが日常診療の鍵です。以下に非薬物療法に関してまとめます。 ・飲水:300~500ml程度(意外と多いですね)時期:朝起床時、食事前飲水後:10-15分後に血圧上昇、40 […]

自律神経障害 autonomic failure

1:自律神経の解剖・生理 自律神経系(autonomic nervous system)は交感神経系(symathetic nervous system)と副交感神経系(parasympathetic nervous system)の2つに分類されます。いずれも神経節の前後の神経線維をそれぞれ「節前線維」、「節後線維」と表現します。 以下に解剖をまとめます。 また循環動態を維持するための自律神経系 […]