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電気生理

脳波の基本 EEG: Electroencephalogram

脳波は私の苦手な分野です(いつか得意と自信を持っていえる日は来るのだろうか・・・)。ここ最近は出来るだけ積極的に脳波を読んで訓練を積む努力をしていますが、まだまだ自信がありません。前にホームページのアンケートをさせていただいた際に「脳波」の希望が非常に多かったため、まずは基本的な内容から少しずつ記載していきます。いかんせん量が膨大なので少しずつupdateしていければと思います(まだまだ言葉ばかり […]

針筋電図検査 総論

0:運動単位の理解 電気生理検査を理解するにあたって運動単位という概念を理解していないと各検査の意義が理解しにくくなるため最初に解説させていただきます。 運動単位(motor unit):1個の前核細胞が支配する筋線維群*神経原性変化:運動単位が減少する*筋原性変化:運動単位内の筋線維の数が減少する運動単位電位(MUP: motor unit potential):同じ運動単位に属する筋線維の活動 […]

神経伝導検査 NCS: Nerve Conduction Study 総論

ここでは「神経伝導検査(NCS: Nerve Conduction Study)で一体何を調べているのか?」「その検査結果をどのように解釈すればよいのか?」という点に絞って解説を行います(余談ですが「伝速:でんそく」と呼ばないように注意です。電気生理専門の先生に怒られます。「伝速」は速度しか意味していませんが、潜時や振幅なども重要なパラメーターだからです)。実際にどのように検査を行うか?というテク […]

VEP: visual evoked potential 視覚誘発電位

視神経の脱髄病変は画像では検出が難しい場合が多いです。VEPは例え視力低下が明らかではない場合も、subclinicalな視神経の障害を検出することができ、視神経疾患の評価・診断にとても重要な電気生理検査です。視神経疾患の中でも特に多発性硬化症、視神経脊髄炎などで利用する場合が多いと思います(視神経疾患に関してはこちらもご参照ください)。 1:測定方法 刺激方法1:pattern-reversal […]

Blink reflex

三叉神経からの入力、顔面神経での出力の反射経路を電気生理学的に捉える方法です(眼輪筋反射とも呼ばれます)。脳幹の障害があるかどうか?の評価や、多発脳神経麻痺でsubclinicalな障害を合併しているかどうか?などの評価で利用する機会が多いです。 0:解剖 ・R1:眼窩上切痕からの刺激(眼窩上神経)が三叉神経を経由し、三叉神経主知覚核を経由し、同側の顔面神経に出力したものを検出する。・R2:三叉神 […]

ABR: auditory brainstem response

BAEP:brainstem auditory evoked potential 脳幹聴性誘発電位とも表現します。聴覚の精査だけではなく、脳幹障害の評価に有用な検査です。 1:方法 電極:Cz(頭頂部), A1(左耳朶), A2(右耳朶)、E(earth:額)表示:Cz-A1(上段), Cz-A2(下段)姿勢:仰向け(座位では筋電図が混入してしまう場合が多い)*覚醒度による影響を受けないため、寝て […]

神経伝導検査 下肢

ここでは神経伝導検査の下肢に関して具体的な方法を解説します(施設毎に決まったやり方があると思いますのであくまで参考です)。上肢に関してはこちらをご参照ください。また神経伝導検査の総論・解釈に関してはこちらをご参照ください 脛骨神経(Tibial nerve) 神経根:S1(L4,5, S1,2,3)記録電極:母趾外転筋(AH: abductor hallucis) 舟状骨粗面より1cm後方、1cm […]

神経伝導検査 上肢

ここでは神経伝導検査の上肢に関して具体的な方法を解説します(施設毎に決まったやり方があると思いますのであくまで参考です)。下肢に関してはこちらをご参照ください。また神経伝導検査の総論・解釈に関してはこちらをご参照ください。 正中神経 神経根:C8/Th1(短母指外転筋の場合)、C6/C7(示指の感覚神経評価の場合)■運動神経の評価導出電極:APB(短母指外転筋)母指は屈曲・伸展・外転・内転・対立の […]

反復神経刺激試験 RNST: repetitive nerve stimulation test

RNST: repetitive nerve stimulation test(別名:Harvey-Musland test)に関して解説します。重症筋無力症を疑った場合に検査をすることが多いですが、「RNST陽性≠重症筋無力症」という点に注意が必要です(あくまで神経筋接合部の異常を検出するための検査です)。ここでは2,3Hzで行う低頻度反復刺激に関して解説します。 1:方法 ■刺激強度:最大上刺 […]