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医学いろいろ

bihemispheric PICA

先日両側PICA領域の小脳梗塞で、片側のPICAが両側小脳を還流している血管解剖の症例がありました。bihemispheric PICAと呼ばれ調べた内容を簡単にまとめます(血管造影検査を日常的にされている先生方にとっては当たり前の内容かもしれません)。 解剖 ・椎骨動脈から分岐→延髄周囲を走行→小脳扁桃と第四脳室屋根後半部の間を通過→小脳半球と小脳虫部→vermian branch(medial […]

尿毒症による不随意運動

顔面と首を主体に急性経過で不随意運動を呈しており、四肢にはほとんど認めない透析を数日スキップした高齢女性の方がおられました。asterixisもはっきりせずTMAとしても長すぎる経過もあり、代謝性で尿毒症由来かなーということで透析をしたところその夕方には寛解しました。まだ少ししか調べられていないですが、尿毒症による不随意運動に関して勉強して追記していきます。 多い不随意運動:ミオクローヌス、2次性 […]

後頭神経痛 occipital neuralgia

田舎の病院で内科外来をしているときはよく遭遇しました。本日外来でそうなのかな?と微妙な症例があり改めて勉強しました。取り急ぎで、少しずつ追記していきます。 解剖・病態 ・大後頭神経(greater occipital nerve)が最も障害されやすい(>小後頭神経)・疼痛分布の90%は大後頭神経に合致する・大後頭神経はC2由来→半棘筋(semispinalis)、僧帽筋を貫通する(下図)→同部位が […]

脊髄髄膜瘤による仰臥位失神

「仰臥位」になるときだけ再現性をもって頭痛と失神を生じ、「側臥位」では生じない症例がありました。最初全くわからず悩んだのですが、調べると色々わかってきました。 まとめ 髄膜瘤(meningocele):硬膜欠損により硬膜外にCSFが貯留する病態→先天性に椎弓欠損により生じる髄膜瘤 meningocele (硬膜に覆われる)と、椎体切除術後(月~年単位後、頻度0.007%-2%)、外傷後などに二次性 […]

髄液蛋白 CSF protein

髄液蛋白の基礎 ・蛋白とは?:アルブミン+免疫グロブリン ・髄液蛋白=①血液からの移行分(blood-CSF barrierを超えるもの)+②中枢神経産生分 髄液蛋白上昇の原因  1: “blood-CSF barrier”破綻(例:髄膜炎, ギラン・バレー症候群など) ・一般的に血液:髄液=200~400:1で蛋白は移行するとされています ・ここの”blood-CSF-barrier […]

脳症 encephalopathy

脳症(encephalopathy)という言葉はなかなかつかみどころがないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私(管理人)は脳症の意識障害診療上の位置づけを理解しているか?が意識障害診療の習熟度を如実に反映していると思います。今回は経験上の私見が多い記事ですが日常臨床の参考になりましたら幸いです。 脳症(encephalopathy)とは? 脳症(encephalopathy)①中枢神 […]

眼振 nystagmus

・まず最初に厳しい結論を申し上げると「眼振を理解しないかぎりめまい診療は絶対にできない」ということです。・めまい診療において症状の自覚症状は客観性に欠けあてにならないことが指摘されており(Mayo Clin Proc. 2007;82:1329- 1340.)、近年最も使用されている”Standing algorithm”も客観的な指標としての眼振をベースに議論をすすめるよ […]

不思議の国のアリス症候群 Alice in Wonderland syndrome

患者さんからの訴えでしばしば遭遇するのが「不思議の国のアリス症候群」です(実際に経験されたことがある先生もいらっしゃるかもしれません)。1955年にイギリスの精神科医John Toddがこの名称が提唱されました。確固たる基準がある症候群ではないので(病態も解明されておらず、独立して扱って良い症候群なのかどうかもわかっていない)、あいまいなところも多いですがまとめます。 臨床像 ポイント:知覚のゆが […]

低血糖脳症 hypoglycemic encephalopathy

脳症(encephalopathy)の総論に関してはこちらに解説がありますのでご参照ください。低血糖脳症に関して調べた内容をupしていきます(これから追加していきます)。最後に管理人の一言を記載しています。 画像所見 ・低血糖脳症に特異的な所見はなし ①白質②灰白質:皮質,基底核 *視床・脳幹・小脳は障害されない傾向 *参考:DWI皮質高信号の鑑別(鑑別は比較的限定的なので重要)・脳血管障害:塞栓 […]