特発性頭蓋内圧亢進症 IIH: Idiopathic Intracranial Hypertension
恥ずかしながら私(管理人)は今まで診断例がありませんが、先日疑う症例があり(結局違いそうですが)NEJMのreview articleをまとめます。 N Engl J Med 2025;393:1409-19. 病態 1. 肥満が、体幹を介して頸静脈圧を上昇させる。2. この静脈圧の上昇が頭蓋内の硬膜静脈洞に伝達され、CSF吸収のための圧勾配が減少し、ICPが上昇する。3.&n […]
恥ずかしながら私(管理人)は今まで診断例がありませんが、先日疑う症例があり(結局違いそうですが)NEJMのreview articleをまとめます。 N Engl J Med 2025;393:1409-19. 病態 1. 肥満が、体幹を介して頸静脈圧を上昇させる。2. この静脈圧の上昇が頭蓋内の硬膜静脈洞に伝達され、CSF吸収のための圧勾配が減少し、ICPが上昇する。3.&n […]
2021年度版の推奨に関してはこちらの記事にまとめさせていただきましたが,新しい版がでましたのでこちらにまとめます。 Nolan JP, Sandroni C, Cariou A, Cronberg T, D’Arrigo S, Haywood K, Hoedemaekers A, Lilja G, Nikolaou N, Olasveengen TM, Robba C, Skrifv […]
失神の原因として最も多いのがVasovagal syncope(VVS)ですが,安易に過剰診断している例と逆に不必要な検査に走る例(特にてんかん疑いとして紹介されることがとても多い)が多い印象があります。つまりVVSらしさというところの検証が甘いまま安易に診断するか,除外診断に走ることが多い印象です。VVSについて私も充分語り切れないため改めていろいろ調べました。特に病態に関してはまだ解明されてい […]
先日head dropが先行してクリーゼとなり初診断に至った全身型重症筋無力症(抗AChR抗体陽性)の症例がありました。head drop(首下がり)についてはこちらにまとめがありますが、ここでは重症筋無力症との関係についてまとめます。頸部屈筋と呼吸機能の相関関係やクリーゼリスクに関しては記載が文献上もありますが、頸部”伸筋”と呼吸機能に関しては確立していなさそうです。 “HEAD-D […]
視神経炎の過剰診断について Stunkel L, Kung NH, Wilson B, McClelland CM, Van Stavern GP. Incidence and Causes of Overdiagnosis of Optic Neuritis. JAMA Ophthalmol. 2018 Jan 1;136(1):76-81. doi: 10.1001/jamaophthalmo […]
視神経の血管解剖 解剖 ・内頸動脈⇒眼動脈⇒①網膜中心動脈,②後毛様体動脈(長/短)・網膜中心動脈:眼球の約1cm後方で視神経内に侵入して,網膜の内層を灌流する・視神経乳頭の血管支配:短後毛様体動脈,軟膜動脈網,脈絡膜血管⇒これらの細小動脈は塞栓により閉塞することは稀であり,動脈硬化や血管炎で障害されやすい 虚血性視神経症(ION: ischemic optic neuropathy)の分類 1: […]
NINDSの公式サイトこちら(このサイトから英語ですが元の評価記載のPDFファイルをダウンロードできます) 決まり事 1.見たままを客観的に記録する(きっとできそうと推測しない) 2.“最初”の反応を記録する(何回か実施してのベストではない) 3.患者を促して指導してはいけない 4.順番通りに行う(逆戻りしない) 5.全11項目 42点 *最大40点(失調は除外される) 各項目 *この項目だけ振り […]
Disorder of consciousness(DoC):重度意識障害の持続(遷延性意識障害についてはこちらをご参照ください) 分類 Coma:昏睡UWS (Unresponsive Wakefulness Syndrome):無反応性覚醒症候群 *以前はvegetative state(VS)と表現されていたMCS (Minimally Conscious State):最小意識状態 Com […]
本日外来で医師人生で初めて舌咽神経痛の症例を経験しました。三叉神経痛は普段から診慣れているので、それの舌咽神経Versionと思うと診療しやすかったです。三叉神経痛と同じですが、①舌咽神経領域に沿った②発作的かつ持続時間が短い瞬間的な神経障害性疼痛③誘因が重要と思います。三叉神経痛との鑑別は①の場所と②誘因が少し異なる点に着目します。痛み方は三叉神経痛そっくりです。 病態・解剖 原因 ・特発性・2 […]
ICU患者が新規に意識障害(または遷延性意識障害)を発症した際に原因精査(またはfever workup)で髄液検査をする意義はあるか?について調べた文献 Surgical ICU(脳神経外科,免疫不全者を除く70例)入室患者の髄液検査を検討した後ろ向きコホート研究 髄膜炎は0例(75例抗菌薬先行投与がある点に注意)Intensive Care Med 1997; 23: 749–752. […]