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髄膜炎・脳炎

進行性多巣性白質脳症 PML: progressive multifocal leukoencephalopathy

病態 ・JCVは多くの場合(日本は70%以上)既感染(腎臓・脾臓・骨髄)で、免疫低下に伴いウイルスが増殖すると脳へ血行性感染をきたし、中枢神経に脱髄をきたし、不可逆的な障害をきたす病態です(その他JCVによる中枢神経障害にはJCV髄膜炎、JCV 脳症、JCV小脳顆粒細胞障害がありますがここではPMLのみを取り上げます)。免疫抑制を扱うすべての科で重要なテーマです。 原因 ・HIV感染症による免疫不 […]

無菌性髄膜炎 aseptic meningitis

無菌性髄膜炎に関しては経験を積むにつれて一筋縄ではいかずに迷うことが多いです。勉強した内容と日常臨床で特に感じる点に関してまとめます。細菌性髄膜炎に関しては別にまとめておりますのでこちらをご参照ください。 ポイント 1:「無菌性髄膜炎」≠「ウイルス性髄膜炎」・無菌性髄膜炎はあくまで髄液に菌体が証明できない髄膜炎の「総称」であり、ウイルス性髄膜炎と同義ではない(その他薬剤性、自己免疫性など様々な原因 […]

Eculizumabと髄膜炎菌感染症

元々はaHUS/PNHに対して使用されていましたが、神経内科領域では重症筋無力症、視神経脊髄炎関連疾患で抗補体モノクローナル抗体のeculizumab(商品名:ソリリス)が投与される機会が近年増えてきています(ギランバレー症候群は現在治験中)。しかし、Eculizumab投与中髄膜炎菌感染症は1000-2000倍増加するとされており、髄膜炎菌感染症は致死的なため医療従事者は十分注意する必要がありま […]

脳膿瘍 brain abscess

私が脳膿瘍を初めて経験したのは初期研修医2年目のときで脳膿瘍の初発症状が痙攣重積で救急搬送された症例でした。まったく発熱や頭痛、神経学的巣症状が先行しておらず突然の痙攣重積を呈したイメージが頭に強く残っています。脳神経外科の先生方よりは経験数が圧倒的に少なく恐縮ですが、勉強した内容をまとめます。 病態 感染経路:1:感染の直接波及もしくは2:血行性 起炎菌 ・嫌気性菌(最多):Streptococ […]

髄液細胞数正常の細菌性髄膜炎

臨床は例外だらけですが、こと致死的な緊急性の高い疾患での例外にはいつも頭を悩まされます(大動脈解離が代表でしょうか・・・)。細菌性髄膜炎もご多分に漏れず、髄液細胞数が正常範囲内の細菌性髄膜炎が報告されています。このテーマに関して調べた内容をまとめます(細菌性髄膜炎の全体像に関してはこちらをご参照ください)。 ■髄液細胞正常の細菌性髄膜炎 Ann Emerg Med. 2021;77:11-18. […]

単純ヘルペス脳炎後の自己免疫性脳炎

単純ヘルペス脳炎後に自己免疫性脳炎(特に抗NMDA受容体脳炎)を発症することが指摘されています。この自己免疫応答が単純ヘルペス脳炎により神経組織が破壊され、NMDA受容体が放出されることにより起こるのか?それともヘルペスウイルスのタンパク質と相同性があるのかはまだわかっていません。臨床的観点からまとめます。 単純ヘルペス脳炎一般に関してはこちらを、抗NMDA受容体脳炎に関してはこちらをご参照くださ […]

腰椎穿刺 lumbar puncture

腰椎穿刺は日常臨床で頻回に行う手技で、手順をまとめさせていただきます。 ■禁忌 ・頭蓋内圧亢進を示唆する所見・穿刺部位の感染・血液凝固障害(血小板数 < 5万/μL、PT-INR > 1.5)・抗凝固薬内服は禁忌(抗凝固薬の処置前休薬期間に関してはこちらをご参照ください)*抗血小板薬に関しては絶対禁忌ではなく、緊急性が高い場合は腰椎穿刺を実施を検討します。*これらに関しては絶対的な基準 […]

単純ヘルペス脳炎 HSE: herpes simplex encephalitis

現在非常に重症な単純ヘルペス脳炎患者さんの診療をしており調べた内容をまとめます。 病態 単純ヘルペスウイルスにはHSV1とHSV2が存在しますが、前者のHSV1が単純ヘルペス脳炎の95%以上を占めます。ヘルペスウイルスの中枢神経への進展経路としては1:三叉神経あるいは嗅神経を介した直接浸潤2:中枢神経外での再感染からの波及3:中枢神経内潜伏感染の再活性化が想定されています。感染の機序としては1の直 […]

Jolt accentuationと髄膜炎

“Jolt accentuation”は「頭部を自動的あるいは他動的に動かす(1秒間に2-3回首を回旋させる)と頭痛が増悪する」ことを意味し、髄膜炎を疑った際に用いる身体所見です(細菌性髄膜炎の一般に関してはこちらをご参照ください)。内原俊記先生が1991年Headacheに発表されたことに端を発します(Headache 1991;31:167)。 元々Kernig徴候やB […]

肥厚性硬膜炎 hypertrophic pachymeningitis

病態・原因 髄膜は硬膜、くも膜、軟膜に分けられますが、ここではこのうち硬膜に主病変がある肥厚性硬膜炎を取り上げます。硬膜病変へのアプローチ一般に関してはこちらにまとめましたので、ご参照ください。 感染症は肥厚性硬膜炎の原因としては現代は比較的まれだとされています。 自己免疫関連ではGPA(多発血管炎性肉芽腫症)が原因として最も多いと報告されており、側頭動脈炎・サルコイドーシスも重要な原因となります […]