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髄膜炎・脳炎

HSV-2 髄膜炎

HSV-2はウイルス性髄膜炎の3大原因の1つ(Enteroウイルス,帯状疱疹ウイルス,HSV-2)で日常臨床でもしばしば遭遇します(髄液Filmarray®にも含まれています)。HSV-1は脳炎,HSV-2は髄膜炎を中枢神経病変として呈することが多いです。HSV-2初感染や再燃時に髄膜炎を呈することがあり,臨床像をまとめます。 臨床像 “Herpes Simplex Virus 2 M […]

副鼻腔炎と神経合併症

以下の内容は”Neurological Complications of Acute and Chronic Sinusitis. Curr Neurol Neurosci Rep. 2018 Feb 5;18(2):5.”PMID: 29404826.を参照させていただきました。頭部CTを撮影すると副鼻腔炎は偶発的によく認めますが、念のため骨条件で骨破壊などの所見がないか […]

Bickerstaff脳幹脳炎

脳幹脳炎(brainstem encephalitis)またはrhombencephalitisに対する系統的なアプローチを身に付けることがNeurologistとして必須の知識です。その中でもBickerstaff脳幹脳炎に関してまとめ、途中で脳幹脳炎に対するアプローチについて文献的なことと、個人的な考えをまとめます。 病態・背景 ・日本では年間約100例程度と報告されている(脳幹脳炎の43%を […]

GFAP astrocytopathy

2016年Fangらが報告した疾患概念で近年報告が非常に増えています(JAMA Neurol. 2016;73(11):1297-1307.)。まだまだ途中なので追記していきます。 背景に関して ・腫瘍合併:約1/5の症例に認める 最多は卵巣腫瘍 teratoma・自己抗体合併:NMDAR>AQP4・感染先行:約30-40% 上気道症状など parainfectiousの可能性あり 臨床像 […]

癌性髄膜炎 carcinomatous meningitis/ leptomeningeal metastases

背景 ・原発:乳癌(12-34%)>肺癌(10-26%)>melanoma(17-25%)>消化管(4-14%) *日本では胃癌も多い・癌のうちどのくらい転移するか?:melanoma 22-46%> SCLC 10-25% > 乳癌 5% > NSCLC 1%> 頭頚部癌 1%・組織型:adenocarcinomaが最多*乳癌は特にtriple-nega […]

AHLE: acute hemorrhagic leukoencephalitis

ADEMの最重症型の亜型としてAHLEは報告されており(ADEM全体の約2%を占める Neurology. 2002;59(8):1224-1231.), 1941年にHurstが報告したことに端を発します。感染症やワクチン接種後数日から週単位後に発症することから自己免疫機序が想定されています。急性進行性の白質脳症に出血を伴い, 病理学的には血管周囲の炎症細胞浸潤と小血管壊死, 脱髄が特徴とされて […]

GPA(granulomatosis with polyangiitis)と中枢神経合併症

・ANCA関連疾患のなかで中枢神経病変を呈する頻度はGPA>MPA>>EGPAとされています。・GPA(granulomatosis with polyangiitis)の中枢神経障害は報告によりかなり幅がありますが7~11%と報告されており、肥厚性硬膜炎・下垂体病変・中枢神経血管炎が3大原因です。特にGPAに随伴する肥厚性硬膜炎を中心に文献をまとめます。肥厚性硬膜炎全般に関してはこちらをご参照く […]

MOGADによる皮質性脳炎

MOG抗体関連疾患での皮質性脳炎(Cerebral cortical encephalitis)は2017年に初めて報告され(Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2017 Mar;4(2):e322.)確立した疾患概念です. 片側性皮質脳炎の代表的な鑑別疾患として重要です. 若年発症で髄膜炎のような頭痛が目立ち, てんかん発作を随伴し, ステロイド治療反応性が良好で […]

抗LGI1抗体関連脳炎

抗LGI1(leucine-rich, glioma-inactivated 1)抗体関連脳炎は自己免疫性脳炎の中で抗NMDAR脳炎に次いで多い原因として指摘されており認知が広まってきています. 抗VGKC関連抗体としてLGI1とCaspr2への抗体が代表的で前者が辺縁系脳炎(中枢神経)を主体に, 後者が末梢神経を主体な臨床像を呈します. LGI1脳炎38例の臨床像まとめ Neurology ® […]

髄液糖所見の解釈

Classicalなテーマを扱いますが、調べてみると意外とわからないことだらけです。 髄液糖が低下する機序 ・前提の生理学:通常糖は血液からBBBのグルコーストランスポーター(GLUT1)を超えて能動的にCSFに輸送されており、血中濃度と髄液濃度は平衡関係にある・髄液糖が低下する原因は以下が挙げられる原因1:髄腔内での糖消費原因2:BBBのGLUT1(グルコールトランスポーター)の機能不全 カット […]