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細菌性髄膜炎とSeizure

脳炎はSeizure合併が非常に多いですが(印象としてはほぼ必発)、髄膜炎(ここでは細菌性髄膜炎)に関しての論文を紹介します。細菌性髄膜炎の合併症全般に関してはこちらの記事をご参照ください。

Neurology ® 2008;70:2109–2115

・696例の細菌性髄膜炎患者をまとめ(”Dutch meningitis cohort study”から、全て髄液培養にて確定、髄液培養陰性の場合も一般には11-30%程度ある点に注意)

結果
seizure合併:計17%  *pre-hospital:5%, in-hospital:16%
seizure発症までの期間=平均2日(IQR=1-4) *75%:prehospital or 48時間以内、25%:48時間以降
死亡率:41%(Seizure合併あり) vs 16%(Seizure合併なし)
・risk facotors(in-hospital seizuresに関して) :CSF 細胞数1000以下 36% vs 25%,CSF 蛋白高い 3.8 vs 4.1,ESR高い 46 vs 36,頻脈,GCSが病着時に低い,起炎菌S.pneumoniae

考察
・髄液細胞数が低いことは全身のsystemicな炎症と関係性があることが示唆されている

・今回の結果で予防的な抗てんかん薬を使用することを推奨されるわけではない

limitations
・髄液培養陽性の場合のみを抽出している
・ステロイド投与が十分にされていない
・MRI実施されておらず局所所見に関してはunderestimationかもしれない
・pre-hospitalの情報が30例欠落しているため、pre-hospitalのseizuresに関してはunderestimationかもしれない