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神経画像

下垂体の解剖と画像

下垂体の解剖と画像はややこしいため勉強した内容をまとめました。今後徐々に内容を追加していきます。 解剖 ・下垂体はトルコ鞍(sella turcica)内(蝶形骨により形成)に位置する・上方:鞍隔膜 ・両側:海綿静脈洞 *海綿静脈洞と下垂体の間には硬膜が存在しないため、下垂体病変は海面静脈洞へ物理的に波及しやすい(下図) ・解剖:視床下部-正中隆起-下垂体茎(柄)(pituirary stalk) […]

NBIA: neurodegeneration with brain iron accumulation

総論 ・遺伝子異常による基底核への異常な鉄沈着・神経変性が病態であり(中枢神経への鉄沈着による神経変性をきたす疾患はNBIAと脳表ヘモジデリン沈着症)、下記経路のいずれかに遺伝子異常により障害を来たした病態(単一の疾患ではなく総称)。・いずれも特徴的な画像所見や臨床像がありますが、遺伝子診断が確定診断になります。 遺伝形式からの鑑別 ・AD:神経フェリチン症(Neuroferritinopathy […]

SPECT single photon emission computed tomography

原理 放射性同位元素・陽電子(positron)→陽電子放出断層撮像法(PET: positron emission tomography)・単光子(single photon)→ 単光子放出コンピューター断層撮像法(SPECT: single photon emission computed tomography) *感度と空間分解能が低い点が問題である SPECTでの放射性医薬品・99mTc( […]

脳実質石灰化病変へのアプローチ

生理的石灰化部位:松果体、淡蒼球、手綱交連、小脳歯状核 成人発症:遺伝性白質脳症+石灰化病変へのアプローチ この項はJAMA Neurol. 2017;74(8):1000-1008.からすべて引用。 鑑別 ・HDLS/ALSP(遺伝子CSF1R):微小石灰化(白質)・脳梁菲薄化 こちら参照・COL4A1 related disorders:微小石灰化(基底核)・RVCL(遺伝子TREX1):網膜 […]

MIBG心筋シンチ

原理 ■核種:123I meta-iodobenzylguanidine(MIBG)はノルアドレナリンの生理的アナログで、交感神経終末でノルアドレナリンと同じように貯蔵、放出される物質です。このMIBGの心臓への集積を評価することで、心臓へ分布する交感神経の節後線維の評価目的に使用します。*交感神経節後線維の評価は心臓がMIBG, 皮膚がQSART, 末梢血液がNoradrenaline基礎値とい […]

てんかん重積とMRI所見の対応

今までてんかん重積(periictalとpostictalを含みます)と頭部MRI画像検査の対応関係に関しては耳学問のみできちんと調べられていなかったため勉強した内容をまとめます。ここではてんかんの原因となるMRI画像所見(例えば異所性灰白質など)に関しては扱いませんのでご容赦ください。まず先に結論である「ポイント・まとめ」を提示します。 ポイント・まとめ ・大脳皮質、視床枕、海馬などがてんかん重 […]

脳梁病変

脳梁の解剖 ・脳梁(のうりょう: corpus callosum)は左右大脳半球を連絡する最大(約2億本)の繊維束(白質)です。その他左右の大脳半球を連絡する交通線維は前交連、海馬交連が存在します。 ・膨大部:PCAからの血流支配・膨大部以外:ACAからの血流支配 脳梁障害による神経症候 ■左半球機能の伝導障害:言語処理を左半球で行う際に右半球からの情報が脳梁障害により左半球に伝達されないと生じる […]

初学者のための頭部画像

脳の解剖と血管支配 主要な解剖構造 解剖と神経学的症候の対応関係 血管支配 主要血管(MRA)1.前方循環:内頚動脈-前大脳動脈-中大脳動脈2.後方循環:椎骨動脈-脳底動脈-後大脳動脈 *MRAでは主幹動脈と一部皮質枝のみ描出され、穿通枝は描出されない。*描出される血管の内、椎骨動脈は唯一生理的に左右差がありうる点に注意(片側の椎骨動脈が細いことがすぐに血管狭窄を意味する訳ではない)。 大脳・基底 […]

両側視床病変 bilateral thalamic lesions

今回は画像の話です。両側視床に病変を認める場合ケースは往々にして遭遇します。ここでは鑑別疾患をまとめさせていただきます。 通常脳の左右対称の疾患では代謝性・中毒を考慮しますが、視床に関しては血管障害・腫瘍も両側性を呈する場合があるため鑑別が多岐にわたり、画像所見のみから鑑別をすすめるのは難しいです。このため実臨床では臨床情報からの鑑別も非常に重要です。 鑑別まとめ ・腫瘍 glioma(PBTG: […]

硬膜病変へのアプローチ

硬膜の解剖 硬膜は頭蓋骨とくも膜に接している髄膜で、頭蓋骨側の”periosteal layer”とくも膜側の”meningeal layer”の2層から構成されています。通常この2層は接していますが、静脈洞はこの2層の間に位置します。”periosteal layer”は頭蓋骨にとって内側の骨膜の役割を果たし、骨を栄養する血 […]