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神経症候・解剖

下垂体の解剖と画像

下垂体の解剖と画像はややこしいため勉強した内容をまとめました。今後徐々に内容を追加していきます。 解剖 ・下垂体はトルコ鞍(sella turcica)内(蝶形骨により形成)に位置する・上方:鞍隔膜 ・両側:海綿静脈洞 *海綿静脈洞と下垂体の間には硬膜が存在しないため、下垂体病変は海面静脈洞へ物理的に波及しやすい(下図) ・解剖:視床下部-正中隆起-下垂体茎(柄)(pituirary stalk) […]

高齢者歩行障害へのアプローチ

明確な筋力低下があればもちろんそれが原因で歩きづらいことになりますが、これはそこまで鑑別に困らないことが多いと思います(例えば封入体筋炎での大腿四頭筋萎縮による歩行障害などは筋力低下による膝折れなどが明瞭であるため診断に悩むことは少ない)。 高齢者の歩行障害アプローチで難しいのは筋力低下はそこまで目立たないのだけれど、上手く歩けないというケースに多く遭遇するということです。またそれだけではなく「さ […]

Neurology diagnostic approach

私は今までNeurologyのコンサルトを受ける仕事が多かったのですが、よくコンサルト頂くカルテのアセスメントに「Assessment:鑑別はギランバレー症候群または亜急性連合性脊髄症など」と書かれている場合が多くあります。このAssessmentをみると「あっ病名から考えているんだなー」と思います。そもそもその2つの疾患で病巣も違えば、経過から類推される病因/機序も全くことなるからです。確かに普 […]

一過性意識消失 TLOC(transient loss of consciousness)

過去にTLOCに関しては記事を作りましたが、質が低いため今回新しく作り直しました。改訂版としてこちらをご覧になっていただけますと幸いです。 TLOC: transient loss of consciousness ・過去にまとめた通りですが、意識は覚醒(arousal)と認知内容(content)の2つに分類されます。また時間軸で一過性と持続性で分類します。これによって2×2の4通りの […]

前頭葉機能の評価

FAB(frontal assessment battery) 前頭葉の6つの機能を簡便に評価できる優れた方法です。原著はこちらです”Dubois B, Slachevsky A, Litvan I, Pillon B. The FAB: a Frontal Assessment Battery at bedside. Neurology. 2000 Dec 12;55(11):162 […]

三叉神経・自律神経性頭痛 TACs

TACs (trigeminal autonomic cephalalgias:三叉神経・自律神経性頭痛)に関してまとめます。 ICHD-3の分類 3.1「群発頭痛」 3.1.1「反復性群発頭痛」 3.1.2「慢性群発頭痛」 3.2「発作性片側頭痛」 3.2.1「反復性発作性片側頭痛」 3.2.2「慢性発作性片側頭痛」 3.3「短時間持続性片側神経痛様頭痛発作」 3.3.1「結膜充血及び流涙を伴う […]

緊張型頭痛 tension type headache

緊張型頭痛はもちろんそれ単独でも重要なのですが、「本当に片頭痛ではないか?」という臨床姿勢が最も重要と個人的には考えています。 分類 ICHD-3における筋緊張型頭痛の分類  *参考 反復性 episodic:14日/月以下、慢性 chronic:15日/月以上 2.1 稀発反復性緊張型頭痛 1回/月未満2.2 頻発反復性緊張型頭痛 1~14回/月2.3 慢性緊張型頭痛 15日/月以上(3か月を超 […]

腱反射 tendon reflex

この記事は神経を専門としていない初学者の方向けに腱反射に関してまとめたいと思います。 基本的な腱反射 上腕二頭筋反射 biceps reflex ・責任髄節:C5 末梢神経:筋皮神経・患者の姿勢:座位または臥位・ポイント:きちんと検者の母指を上腕二頭筋腱に押し当てて(強く押し当てすぎてはだめ)、そこを打腱器で叩くことが重要です。また肘の角度が伸展しすぎていたり、屈曲しすぎていたりすると反射を誘発し […]

翼口蓋窩 pterygopalatine fossa

学生の時に解剖の授業で勉強したけれど訳がわからなかった「翼口蓋窩」ですが、確かに臨床では特に耳鼻科・脳外科領域などで重要な解剖構造です。神経内科医はここは苦手な領域ですが、勉強しないといけない状況がときどき生じるため、以下にInsights Imaging (2016) 7:589 – 599と「画像診断 Vol.41 No.11 増刊号 2021」から学んだ内容をまとめます。 解剖 含む構造物: […]

舌下神経 hypoglossal nerve

発生と機能 いきなり衝撃的な事を書きます。舌下神経は12番目の脳神経と学生時代に解剖の授業で習いますが、発生学の教科書を読むと「舌下神経は頭蓋内に閉じ込められた脊髄神経である」(参考:ケント 脊椎動物の比較解剖学)と記載があり厳密には脳神経に分類されないことが書かれています。この根拠として発生学的に舌は鰓下筋であり、カエルやカメレオンの両生類や爬虫類は舌で獲物を捕らえる(手と同じ動きを担う)点で脊 […]