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整形外科

足関節痛へのアプローチ

解剖 ・足関節は距腿関節(脛骨・腓骨と距骨の関節:背屈/底屈を担う)、距骨下関節(距骨と踵骨:外反/内反を担う)が大きな関節として重要。・第1MTP関節(中足趾節間関節)は痛風の障害部位として重要。 診察方法 ROM:距腿関節(背屈・底屈)、距骨下関節(内反・外反) 触診:母指と示指で内外顆直下前面を触診。MTP関節はsqueezing testで確認。 足では必ず腱・腱付着部も診察する 疾患各論 […]

手指疼痛へのアプローチ

解剖 1)骨の名前 ・手指骨:基節骨、中節骨、末節骨(近位~遠位にかけて)*母指は中節骨がない・中手骨・手根骨:近位3つ(舟状骨・月状骨・三角骨)と遠位4つ(大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨)+豆状骨の8つから構成 2)関節の名前 ・DIP(distal interphalangeal)関節:末節骨と中節骨の間・PIP(proximal interphalangeal)関節:中節骨と基節骨の間* […]

膝痛へのアプローチ

膝関節痛は高齢化社会でcommonかつ、化膿性関節炎や偽痛風などの関節炎の罹患関節として非常に多いため重要です。関節穿刺の中で膝は非専門医でも実施できるようになるべきです。その他ランニングなどで膝が痛くなることも多いと思いますので、日常医学として何科の医師であったとしても基本的な事項は習得するべきです。ここも拙著「内科診療ことはじめ」に準拠した内容です。 基本的な解剖・診察方法 ROM:伸展、屈曲 […]

股関節へのアプローチ

内科医で股関節痛を診療できない訳にはいけません。ここも拙著「内科診療ことはじめ」に記載している内容に準拠していますが、おおまかな鑑別アプローチを身に付けます。 原因 ・まず最初のアプローチは股関節の前方・側方・後方いずれの部位に疼痛があるか?という点から鑑別をすすめていきます。・3大疾患は股関節炎・大転子滑液包炎・腰椎疾患からの放散痛でありこれらで原因の90%以上を占めるとされています。その他は大 […]

肩疼痛へのアプローチ

肩の疼痛は内科でもよく遭遇するproblemで基本的なアプローチを習得する必要があります。拙著「内科診療ことはじめ」に記載している内容とほぼ同じですが、改めてまとめます。 なぜ回旋筋腱板”rotator cuff”が重要なのか? 肩の疼痛は「純粋な肩関節(肩甲上腕関節)自体の問題ではない」ことが多く、実際には回旋筋腱板損傷の問題が多いです。回旋筋腱板は”rota […]

C3/4頚椎症性脊髄症

なんでこんな特殊なテーマを扱ったんだと思われるかもしれませんが、臨床像が複雑で難しい(興味深い)からです。一般的な頚椎症性脊髄症に関してはこちらをご覧ください。先日入院した原因不明の歩行障害患者さんで当初頭部MRI撮像も分からず入院となった症例がありました。診察すると失調がかなり強く確かに小脳性を疑いましたが、構音障害や眼振ははっきりせず病巣を小脳として良いか違和感がある症例でした。両手指の異常感 […]

脳脊髄液減少症/脳脊髄液漏出症

先日久しぶりに脳脊髄液減少症の確定診断例を経験しました。この疾患は緊急性はそこまで高くないのですが、primary care医は知っておくべき疾患です(一見不定主訴にみえるため)。改めて勉強した内容をまとめました。 病態 病態の本質は「硬膜破綻による脳脊髄液の漏出」です。 ただ脳脊髄液が減少している様子を直接観察することが出来ません。ここで重要なのが「モンロー・ケリーの法則 脳 実質+脳脊髄液+血 […]

脂肪塞栓症 FES: fat embolism syndrome

知らないと鑑別に挙げることができない疾患の代表で、私はよく鑑別から漏らしてしまい先日も寝る直前に「あっあの今日コンサルトをもらった患者さんは脂肪塞栓症では・・・?」と思ったことがあります。 機序 骨折や整形外科手術により骨髄内の脂肪が血液中に放出され、脂肪が物理的に塞栓症を引き起こす”mechanical theory”と、生化学的な機序の”biochemica […]

痛風 gout

病態/臨床像 ・病態:尿酸ナトリウム結晶の沈着・男女比が9:1と圧倒的に男性に多く、女性で少ない理由は閉経前エストロゲンの作用で尿酸排泄が亢進しているためと考えられている。・結晶の析出が病態なので、基本温度が高い体幹近くの関節では起こりにくく温度が低い遠位の関節で発症しやすい。また夜間は体温減少するため結晶が析出しやすい(このため明け方に母趾MTP関節での発症が多い)。 リスク因子 ・脱水、外傷、 […]

下垂足 foot drop

病態 ・足関節背屈の筋力が低下してその名の通り足が垂れてしまう病態を一般に下垂足と表現します。・足関節背屈を担う最大の筋は前脛骨筋(TA: tibialis anterior)で、神経根:L5、末梢神経:深腓骨神経(deep peroneal nerve)が対応しています。・足関節底屈(下腿三頭筋)の筋力低下を認める場合はよりdiffuseな障害の可能性があり、運動ニューロン疾患や複数の神経根や馬 […]