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LSRPN (non-diabetic) lumbosacral radiculoplexus neuropathy

LSRPNは糖尿病性のものがneurologistにとって有名ですが、先日全く糖尿病がないけれど同じような症例が外来でありました。「実は下肢のneuralgic amyotrophyなんてあるのか?はて全くわからないぞ」と思っていたのですが糖尿病と関係ない文献もあることが分かり自分の勉強ですがまとめます。 (non-diabetic)LSRPN57例の検討(Mayo clinic) Brain 2 […]

女性と片頭痛

片頭痛は疫学的に女性が男性よりも約3倍程度罹患頻度が高いです。エストロゲン濃度の変動と頭痛が関連するといわれています(逆にホルモンが安定すると頭痛増悪は少なく、閉経後は軽減する)。月経関連、妊娠、授乳など女性の方ならではの片頭痛管理上の問題点もあり簡単にまとめます。片頭痛一般に関してはこちらをご参照ください。 月経関連(menstrually related migraine) ・月経期に50-6 […]

ナツメグ中毒 nutmeg intoxication

ナツメグ nutmeg:Myristica fragrans treeの実 wikipediaより香辛料:ハンバーグなど肉料理 *スターバックスのトッピングであるかも 原因成分:myristicin(ミリスチン)→代謝されMMDA(3-methoxy-4,5 methylenedioxyamphetamine)になる(交感神経刺激+幻覚誘発)*抗コリン作用(口渇、顔面紅潮、嘔気、ふらふら、尿閉、視 […]

不眠症へのアプローチ 睡眠衛生指導

不眠症へのアプローチで最も重要なのはまずは非薬物療法で特に睡眠上の注意点を教育する睡眠衛生指導が重要です。ここでは重要なポイントを列記していきます。 睡眠への誤解を解く ・絶対に何時間寝ないといけない、絶対に90分周期にしないといけないといった誤解を患者さんが持っている場合があるためこの点は教育が必要です。・下図は有名な図ですが、加齢と共に総睡眠時間は短縮し、中途覚醒が増加し、REM睡眠は減少して […]

睡眠・覚醒 Sleep/Awake

睡眠・覚醒の生理学 ・睡眠・覚醒がどのように調節されているのか?を簡単に模式図にしたもの下図です。脳幹網様体が覚醒を担う解剖として重要で、覚醒を担うホルモンにはヒスタミン、セロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなどが挙げられます。・一方で睡眠を担うのは視床下部前部(視索前索)でGABAがホルモンとして働きます。・覚醒と睡眠はそれぞれ相互に互いを制御(抑制)しあっており、覚醒に傾いているときは […]

免疫関連有害事象 irAE: immune-related adverse events

神経内科コンサルタントとして知識が必要な分野で調べた内容をまとめていきます。 全体像 抗CTLA-4抗体: イピリムマブ(ipilimumab)抗PD-1抗体: ニボルマブ(nivolumab), ペンブロリズマブ(pembrolizumab)抗PD-L1抗体:アテゾリズマブ, アベルマブ, デュルバルマブ irAE全体のうち神経筋病態の内訳は3-5% ■428例のsystematic revie […]

下垂体炎 hypophysitis

免疫チェックポイント阻害薬の登場により注意が必要なのが下垂体炎です。最近下垂体疾患が多くまとめます。 分類 原発性:リンパ球性下垂体炎 続発性・薬剤性(免疫チェックポイント阻害薬・IFNα・Ustekinumab, Daclizumab)・自己免疫性(甲状腺疾患・Ⅰ型糖尿病・polyglandular syndrome・原発性胆管性肝硬変)・結合組織疾患(シェーグレン症候群・SLE・その他)・炎症 […]

心肺停止後の神経学的予後

これは倫理的な意思決定支援などにおいて極めて重要かつ慎重な判断が要求されるテーマです。Neurologistがコンサルタントとして関わることも多い領域だと思います。以下ガイドラインを元にして内容をまとめます。”European Resuscitation Council and European Society of Intensive Care Medicine […]

CGRPモノクローナル抗体:片頭痛予防薬

片頭痛予防薬として新たに出現してきた薬剤です。片頭痛一般に関してはこちらをご参照ください。調べていきながら少しずつ内容をupdateしていきます。 作用機序 ・カルシトニン遺伝子関連ペプチド (calcitonin gene-related peptide: CGRP)シグナルに関する機序です。・CGRPは三叉神経から放出され、血管平滑筋に作用し血管拡張をする作用があります(三叉神経血管反射)。片 […]

高CK血症へのアプローチ

高CK血症で紹介受診になることはままあると思います。ここではそのアプローチに関して検討します。 鑑別 ・物理的圧迫:昏睡状態での長期臥床、事故での外傷・筋肉の過剰使用:痙攣、過度な運動、アルコール離脱症候群・熱性:悪性症候群、悪性高熱症、熱中症・電解質/代謝:低K血症、低P血症、低Ca血症、低Na血症、甲状腺機能低下症/亢進症、副甲状腺機能低下症・筋/神経疾患:炎症性筋疾患、筋強直性ジストロフィー […]