注目キーワード
CATEGORY

消化器

肝腫瘤病変へのアプローチ

ここではサーベイランスでの指摘ではなく、腹部エコー検査で偶発的に肝腫瘤性病変を認めた場合のapproachに関してまとめる。 問題となるのは悪性腫瘍(3つ:肝細胞癌・肝内胆管癌・転移性肝癌)である↓腫瘍リスク評価・B型肝炎、C型肝炎 肝硬変の有無・腫瘍の併存または既往(転移性腫瘍の可能性)↓画像評価・ダイナミック造影CT*EOB-MRIは感度がより高く質的評価が可能であり、CT検査で判断が難しい場 […]

上部消化管出血

血を吐いた場合出血源は3つの可能性「消化管」、「気管支~肺」、「鼻~咽頭~喉頭」がある。1:消化管(吐血):嘔気・嘔吐を伴う、食物残渣の混入 2:気管支~肺(喀血):咳嗽のタイミングで血を出す、泡沫状3:上気道・口腔:血液が咽頭へ垂れてくる *上部消化管出血を示唆する所見(JAMA. 2012;307(10):1072-1079)・過去の上部消化管出血 感度22%、特異度96%、陽性尤度比6.2、 […]

下部消化管出血

言葉の確認 ・血便:便に血液が混じった状態 ≠下部消化管出血・下部消化管出血:Treitz靭帯より肛門側の消化管からの出血(古典的には) 原因 “DRAIN”(覚え方)D:diverticular hemorrhage 憩室出血(原因最多)R:rectal ulcer/radiation enteritis 直腸潰瘍・放射線腸炎A:angiodysplasia/aortoenteric fistu […]

急性胆管炎 cholangitis

胆道感染症のうち胆嚢炎に関してはこちらを参照ください。 臨床像 ・胆嚢炎と胆管炎は臨床像が異なる。胆嚢炎(こちら)は急性腹症を呈することが多いが、胆管炎は腹痛が目立たず敗血症が主体となる場合がしばしばある。その他嘔気・嘔吐(嘔吐まで至る場合が多い)、背部痛、悪寒戦慄を伴う菌血症症状が主症状となる場合など胆嚢炎と比べて臨床像の幅が広い。特に高齢者の場合は臨床像がかなり非典型的なことが多い。*管理人は […]

胃潰瘍

消化性潰瘍 原因 NSAIDs、ピロリ菌感染が2大原因 合併症:出血・穿孔 NSAIDs ・NSAIDs潰瘍は腹痛などの自覚症状に乏しい場合が多いため注意。・NSAIDsをやむを得ず使用する場合は潰瘍のリスク因子と心血管リスクから潰瘍予防薬を併用するか?潰瘍リスクの低いCOX2阻害薬を使用するか?などを検討する NSAIDs潰瘍のリスクと予防:*実際には潰瘍の1次予防のためのプロトンポンプ阻害薬は […]

膵炎

急性膵炎 原因 ①胆石:40%(原因最多)②アルコール:30% *安易にアルコール性としない*2大原因は胆石、アルコール *胆石とアルコール性が原因の大半を占める要注意:膵臓癌、解剖学的異常(膵胆管合流異常) ・高トリグリセリド血症:2-5%(特にTG≧1000mg/dLがリスク)*高トリグリセリド血症に関してはこちらを参考下さい・薬剤性:<5%100種類以上あり(例:アザチオプリン、6-M […]

肝機能障害の原因精査

肝逸脱酵素について ・AST,ALTの上昇は「肝逸脱酵素の上昇」であり、それだけで「肝障害」を意味する訳ではない。心筋や骨格筋の障害、溶血、甲状腺機能異常などで上昇するため、「AST,ALT上昇」≠「肝機能障害」である。「AST, ALTが上昇しており肝障害を認めます」というプレゼンテーションがあるが、これは根本的に間違っている。・「肝機能障害」を反映するものは肝臓から合成される蛋白質でPT-IN […]

脾腫の診察方法

脾腫の身体所見に関してまとめます。脾臓は後腹膜臓器ではなく、腫大すると外側に沿ってぐるっと前へ広がります(下図の通りCT画像を思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません)。脾臓は相当腫大しない限り触れることはできないため(通常触診はできない臓器と考えた方が良い)、代わりに「打診」により診察します。診察上最も重要な解剖がTraube腔であり、ここは通常「鼓音」を呈します。脾臓が外側から前へ広がって […]

PTP誤飲

先日救急車でPTP誤飲の症例がありました。内科医をしていると高齢者の異物誤飲の中ではよく遭遇すると思います。一度調べてみようと思いまとめました。短めの内容で恐縮です。 PTPは“Press-Through-Package”の略称でプラスチック製の薬を入れるつつみで、当初は1錠ずつ分けることができたため、誤飲が多発してしまいました。その対策として1錠ずつ分けられない構造になり […]

急性間欠性ポルフィリン症 AIP: acute intermittent porphyria

人生で一度は診断をしたいなと思っていますが残念ながら私はいまだ診断できたことがない疾患です。この疾患の臨床像を初めて知ったのはドラマDr.House(シーズン1:第22話)で間欠的な腹痛、末梢神経障害、人格変化があり最初全く病気が想起できませんでしたが、答えはまさかの急性間欠性ポルフィリン症で非常に印象に残りました。腹痛で消化器内科の先生が診察する可能性や、末梢神経障害で私のような神経内科医が診察 […]