ストレス潰瘍予防 Stress Ulcer Prophylaxis

1:病態

通常胃内はpH=2程度の強酸性で、このままの状態だと組織障害性が高いですが、胃粘膜を保護する粘液を産生することでバランスがとられています。普段胃への血流のうち70~90%が胃粘膜に供給されますが、ICUに入室するような重症患者は循環不全などで胃粘膜への血流不全がおこり、ストレス関連粘膜障害(SRMD: stress-related mucosal damage)が起こるとされています。消化管の血流不全に対する脆弱性として、
・消化管血流は”autoregulation”を備えていない
・交感神経刺激などで真っ先に血流が低下する(皮膚、消化管が代表)ことで、他の重要臓器へ血流を再分配する
などが原因として挙げられます。ストレス潰瘍(stress ulcer)はこのストレス関連粘膜障害の範疇です。ストレス潰瘍では、一般の胃潰瘍と異なり腹痛といった自覚症状に乏しい特徴があります。 read more

腹痛 abdominal pain

私は救急外来での腹痛診療が苦手です。致死的疾患が多いこと、鑑別疾患が多いこと、造影CT検査まで行っても必ずしも診断が付かない場合があることなど理由は沢山あります。恐い経験を沢山積むとついつい造影CT検査の閾値が下がり検査過剰になってしまう場合もあります。「腹痛診療でなんでもかんでも造影CT検査となってしまうことを避けたい」という思いから、「いかに解剖・病態生理を腹痛診療に活かすか?」というテーマで今回は執筆しました。 read more