注目キーワード
CATEGORY

整形外科

痛風 gout

病態/臨床像 ・病態:尿酸ナトリウム結晶の沈着・男女比が9:1と圧倒的に男性に多く、女性で少ない理由は閉経前エストロゲンの作用で尿酸排泄が亢進しているためと考えられている。・結晶の析出が病態なので、基本温度が高い体幹近くの関節では起こりにくく温度が低い遠位の関節で発症しやすい。また夜間は体温減少するため結晶が析出しやすい(このため明け方に母趾MTP関節での発症が多い)。 リスク因子 ・脱水、外傷、 […]

下垂足 foot drop

病態 ・足関節背屈の筋力が低下してその名の通り足が垂れてしまう病態を一般に下垂足と表現します。・足関節背屈を担う最大の筋は前脛骨筋(TA: tibialis anterior)で、神経根:L5、末梢神経:深腓骨神経(deep peroneal nerve)が対応しています。・足関節底屈(下腿三頭筋)の筋力低下を認める場合はよりdiffuseな障害の可能性があり、運動ニューロン疾患や複数の神経根や馬 […]

足の感覚神経まとめ

解剖まとめ ・坐骨神経は膝窩で脛骨神経(tibial nerve)と総腓骨神経(peroneal nerve)に分枝します。・脛骨神経(tibial):下腿後面を走行し、内果後下方の屈筋支帯(後足根管)を通過し、内側足底神経、外側足底神経として足底部へ分布します。・総腓骨神経(peroneal):浅腓骨神経と深腓骨神経に分岐します。 浅腓骨神経(superficial peroneal):下腿の前 […]

尺骨神経 Ulnar nerve

解剖 尺骨神経は「上腕骨内側→上腕骨内側上顆の後面:尺骨神経溝→尺骨手根屈筋の形成する弓状靭帯(Osborne靭帯)をもぐる→尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間→尺側手根屈筋と浅指屈筋との間→Guyon管→手」という走行をたどります。Guyon管より近位では尺側手根屈筋(FCU)と深指屈筋(Ⅲ, Ⅳ)への枝を出します。(上肢には分枝を出しません) ■肘部管の解剖 ■Guyon管の解剖尺骨神経は手関節 […]

正中神経 median nerve

解剖 ・正中神経は「上腕内側→肘窩→(前骨間神経(深枝・運動)を分枝として出す)→前腕→手根管→手」を走行します(下図参照)。正中神経の掌側枝(感覚線維)は手根管に入る前に分枝し、手掌母指球周囲の感覚を担います。(上肢には分枝を出しません)・前腕の筋肉は浅層と深層の2つに分かれますが、これは正中神経より浅いか深い位置にあるかで分けられます。前腕浅層の屈筋群はすべて上腕骨内側上顆から起始します(前腕 […]

外側大腿皮神経 lateral femoral cutaneous nerve

解剖 ・外側大腿皮神経はL2,3の神経根から起始し、骨盤内で腸骨筋の表面を走行し、上前腸骨棘の約2cm内側(平均1.90cm Hernia 2016; 20:649–657)と報告あり で鼠径靭帯と縫工筋に挟まれるようなかたちで骨盤外へ出て、大腿外側へ分布します(純粋感覚性の神経)。 ・剖検での解剖は下図の通りです。 異常感覚性大腿神経痛 ・外側大腿皮神経は絞扼性末梢神経障害の原因として重要で、& […]

腋窩神経 axillary nerve

解剖 神経根:C5由来→腕神経叢:後神経束 *腕神経叢の解剖に関してはこちらをご参照ください。走行:外側腋窩隙(四角隙)を通過して三角筋、小円筋、上腕外側へ分布する。*外側腋窩隙(quadrilateral space):上腕三頭筋長頭、小円筋、大円筋、上腕骨で形成される支配筋:三角筋(肩関節外転)、小円筋(上腕外旋) *上腕外旋は棘下筋も担っている感覚支配:上腕外側(上腕外側皮神経) 腋窩神経麻 […]

筋皮神経障害 musculocutaneous nerve palsy

解剖 筋皮神経(musculocutaneous nerve)・神経根:C5,6・腕神経叢:外側神経束、上神経幹・支配筋:上腕二頭筋、上腕筋、烏口腕筋*原則:筋皮神経は上腕屈筋を支配する(上腕筋は例外的に筋皮神経と橈骨神経の二重支配)*C5神経根障害で三角筋と上腕二頭筋の筋力低下が解離することが通常ないのでこの点がC5神経根症との鑑別点となります。・感覚領域:前腕橈側・掌側(外側前腕皮神経:lat […]

ベーカー嚢胞 Baker’s cyst

病態 ベーカー嚢胞は膝窩に位置する半膜様筋と腓腹筋の滑液包が拡大したものです(このように厳密には滑液包なので嚢胞という名称は正確ではありません)。半腱様筋と腓腹筋の間から滑液包が拡大して後方に広がることで臨床的には膝窩の嚢胞として認識します。この滑液包は通常膝関節の関節腔と連続しています。下図にイラストをまとめました。 以下に自験例のベーカー嚢胞の画像を掲載します(膝後面を写したものです)。 疫学 […]

脊髄円錐上部・円錐・馬尾

解剖 脊髄円錐上部・円錐・馬尾は重要な構造物がぎゅっとまとまっており、少し場所がずれただけで前面にでてくる臨床症状が異なるため、難しい領域です。解剖をまとめます(安藤哲朗先生の書かれた脊椎脊髄2015;28(3): 185-190.を参照させていただきました)。椎体高位と脊髄高位を勘違いしないようにしましょう。 下図はCONTINUUM (MINNEAP MINN)2018;24(2, SPINA […]