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医学いろいろ

髄液multiplex-PCR(Filmarray®)

髄液のmultiplex-PCR(Filmarray®)が保険収載で実施可能となり、中枢神経感染症診療は非常にやりやすくなりました。ウイルス性髄膜炎は今まで「おそらくウイルス性」にとどまっていたものも起因ウイルスが同定されることでウイルス性髄膜炎の臨床像をより把握しやすくなり個人的にはとても勉強になっています。以下に簡単にまとめます。 検出可能な病原体 ・全14病原体の同定が可能です。ほとんどの主 […]

細菌性髄膜炎の合併症

細菌性髄膜炎はとにかくERでいかに疑い早期治療介入するかが最も重要です。しかし、その後入院管理がただ漫然と抗菌薬投与をしていれば良い訳ではありません。意識状態や発熱の改善に乏しい/悪い場合や、再増悪する場合は細菌性髄膜炎の合併症を考慮する必要があります(もちろん診断が正しいか?起炎菌に対しての抗菌薬選択は適切か?という点もあります)。合併症は頭文字をとって“HACTIVE” […]

細菌性髄膜炎とSeizure

脳炎はSeizure合併が非常に多いですが(印象としてはほぼ必発)、髄膜炎(ここでは細菌性髄膜炎)に関しての論文を紹介します。細菌性髄膜炎の合併症全般に関してはこちらの記事をご参照ください。 Neurology ® 2008;70:2109–2115 ・696例の細菌性髄膜炎患者をまとめ(”Dutch meningitis cohort study”から、全て髄液培養にて確 […]

全般性強直間代発作(GTCS)後の採血バイオマーカー変化

TLOC(transient loss of consciousness)の鑑別で①Seizureか②Syncopeかはもちろん「病歴が最も重要」であることは誤解を招かいために強調しますが、目撃者が全くおらずに搬送された場合は採血でのバイオマーカーの変化・推移が原因推定に有用です。調べた内容をまとめていきます。 各種バイオマーカーの時間経過での推移 重要文献:Acute metabolic eff […]

副神経 accessory nerve Ⅺ

解剖 1:副神経(nucleus ambiguus) 迷走神経と一緒に走行する→咽頭喉頭*迷走神経に対しての「副(accessory)」という位置づけ2:脊髄副神経(C3-5) 脊柱管内を上行→頸静脈孔→頭蓋外→胸鎖乳突筋・僧帽筋を支配 支配筋 僧帽筋 trapezius muscle ・起始:外後頭隆起~項靭帯(第12胸椎まで)、停止:鎖骨外側1/3, 肩峰,肩甲棘・肩甲骨挙上:①上腕骨を肩甲骨 […]

胸郭出口症候群 TOS: thoracic outlet syndrome

胸郭出口症候群に関して悩む症例が外来でありました。胸郭出口症候群という疾患名自体は有名ですが、概念が非常に幅広いです。この点に関しては日本では園生先生が第一人者で多くの著作があり、調べるとほぼ全て園生先生の記載にたどり着くため正直ただ書き写してまとめているだけになってしまう感じもあります・・・。詳細は特に園生先生の記載(「脊椎脊髄・神経筋の神経症候学の基本―日常診療での誤診を防ぐ初めの一歩」p.2 […]

重症筋無力症の周術期管理

NeurologistのConsultationとして重要なテーマの1つは重症筋無力症患者の周術期管理についてです。重症筋無力症クリーゼの原因としては感染症をはじめとした身体への侵襲があり、手術もその代表的な原因です。確固たるものがないところではありますが、調べた内容をまとめていきます。Up to dateの”Anesthesia for the patient with myasth […]

Myerson徴候(Myerson’s sign) / Glabella tap sign/reflex

Myerson徴候についてふと疑問に思って調べていると、なかなかよく分からなくなってきたので原著に戻ったりしながら調べた内容を追記していきます。 おそらく記載としては“Glabella tap sign”が元々ですが(*Glabella=眉間)、いつからかMyerson’s sign(Myerson徴候)として紹介されるようになっています(JAMAの” […]

LSRPN (non-diabetic) lumbosacral radiculoplexus neuropathy

LSRPNは糖尿病性のものがneurologistにとって有名ですが、先日全く糖尿病がないけれど同じような症例が外来でありました。「実は下肢のneuralgic amyotrophyなんてあるのか?はて全くわからないぞ」と思っていたのですが糖尿病と関係ない文献もあることが分かり自分の勉強ですがまとめます。 (non-diabetic)LSRPN57例の検討(Mayo clinic) Brain 2 […]

女性と片頭痛

片頭痛は疫学的に女性が男性よりも約3倍程度罹患頻度が高いです。エストロゲン濃度の変動と頭痛が関連するといわれています(逆にホルモンが安定すると頭痛増悪は少なく、閉経後は軽減する)。月経関連、妊娠、授乳など女性の方ならではの片頭痛管理上の問題点もあり簡単にまとめます。片頭痛一般に関してはこちらをご参照ください。 月経関連(menstrually related migraine) ・月経期に50-6 […]