BAEP:brainstem auditory evoked potential 脳幹聴性誘発電位とも表現します。聴覚の精査だけではなく、脳幹障害の評価に有用な検査です。
1:方法
電極:Cz(頭頂部), A1(左耳朶), A2(右耳朶)、E(earth:額)
表示:Cz-A1(上段), Cz-A2(下段)
姿勢:仰向け(座位では筋電図が混入してしまう場合が多い)
*覚醒度による影響を受けないため、寝ている状態でも記録することが出来る
*出来るだけ防音の方が良い条件で記録することが出来る
記録条件刺激頻度:13Hz刺激強度:80dB(反対40dBのホワイトノイズ) ヘッドホンを装着
*同側Ⅰ波が導出されない場合は105dBにて刺激する
回数:1000回x2セット 左刺激、右刺激それぞれ (*右左の切り替えはstimを押すと出来る)
記録条件:0.2μV/1ms
2:波形
以下が具体的な波形でそれぞれの成分と解剖学的部位の対応関係があります。左耳聴覚刺激と右聴覚刺激それぞれを行います。Ⅰ波は聴刺激の対側では描出されませんが、Ⅱ波以降は左右交差しているため両側性に描出されます。一般的にⅠ波とⅤ波が再現性よく検出されます。
基準値:「筋電図判読テキスト」著:廣瀬和彦先生より引用させていただきました。