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感染性心内膜炎の予防

感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)より *太字は管理人によるもの

感染性心内膜炎リスク

高リスク群 ⅠB→予防薬適応

・生体弁,機械弁による人工弁置換術患者,弁輪リング装着例
・IE の既往を有する患者
・複雑性チアノーゼ性先天性心疾患(単心室,完全大血管転位,ファロー四徴症)
・体循環系と肺循環系の短絡造設術を実施した患者

中リスク群 Ⅱa C
・ほとんどの先天性心疾患 (単独の心房中隔欠損症(二次孔型)を除く)
・後天性弁膜症(逆流を伴わない僧帽弁狭窄症では IE のリスクは低い)
・閉塞性肥大型心筋症
・弁逆流を伴う僧帽弁逸脱

中リスク群 Ⅱb C
・人工ペースメーカ,植込み型除細動器などのデバイス植込み患者
・長期にわたる中心静脈カテーテル留置患者

手技ごと

予防的抗菌薬を行うことを強く推奨する Ⅰb B
・ 歯科口腔外科領域:出血を伴い菌血症を誘発するすべての侵襲的な歯科処置(抜歯などの口腔外科手術・歯周外科手術・インプラント手術,スケーリング,感染根管処置など)
・ 耳鼻科領域:扁桃摘出術・アデノイド摘出術
・ 心血管領域:ペースメーカや植込み型除細動器の植込み術

予防的抗菌薬を行ったほうがよいと思われる Ⅱa C
・ 局所感染巣に対する観血的手技:膿瘍ドレナージや感染巣への内視鏡検査・治療(胆道閉塞を含む)
・ 心血管領域:人工弁や心血管内に人工物を植え込む手術
・ 経尿道的前立腺切除術:とくに人工弁症例

抗菌薬選択

基本:アモキシシリン2g単回投与 処置1時間前

ペニシリンアレルギー:クリンダマイシン600mg, アジスロマイシン500mg, クラリスロマイシン 400mg単回投与 処置1時間前