低Na血症 hyponatremia
1:病態 低Na血症の病態を理解するためには水代謝の理解が必要で、水代謝のチャプター(こちら)をもしよければ予めごらんください。。低Na血症病態の本質は、低Na血症はNa量の問題ではなく、水(H2O)代謝の問題だということです。 私たち人間は体液を調節する機序として「容量調節(volume regulation)」と「浸透圧調節(osmoregulation)」の2つを兼ね備えています。Na濃度が […]
1:病態 低Na血症の病態を理解するためには水代謝の理解が必要で、水代謝のチャプター(こちら)をもしよければ予めごらんください。。低Na血症病態の本質は、低Na血症はNa量の問題ではなく、水(H2O)代謝の問題だということです。 私たち人間は体液を調節する機序として「容量調節(volume regulation)」と「浸透圧調節(osmoregulation)」の2つを兼ね備えています。Na濃度が […]
1:容量と浸透圧 低Na血症の理解がなぜ難しいかというと、水代謝を評価する際に「容量」と「浸透圧」(正確には水の移動に関係するのは張度:tonicityという概念ですがここでは分かりやすくするために浸透圧:osmolalityで表現します)という2つの概念を同時に評価しないといけない点にあります。低Na血症の完全な理解のために、ここではまず「容量」と「浸透圧」という概念を理解することを目標とします […]
腎代替療法はその名の通り腎臓の代わりを担う治療で、臨床現場では全部まとめて「透析」といわれることが多いです。ここではその原理から分類、言葉の定義などを中心に解説していきます。 0:腎代替療法の適応 1:腎代替療法の原理 これらの余分な物質を血液中から透析液中へ除去するための原理として2つ「拡散(diffusion)」と「濾過(filtration)」が挙げられます。イメージとしては前者は受動的に勝 […]
1:Ca代謝まとめ Caはその99%が骨に存在しますが、それ以外に平滑筋の収縮・神経伝達・心筋の刺激伝導・血液凝固など重要な働きをもつ電解質です。 Ca代謝にとって重要な解剖とホルモンは下記の通りです。・解剖:腸管・血液・骨・腎臓・副甲状腺・ホルモン:PTH(副甲状腺ホルモン)・活性型VitaminD ホルモンでは特にPTHが重要で、血中Ca濃度が低下すると1:骨吸収によりCaを血中へ2:VitD […]
1:P代謝 P(リン)は解糖系(glycolysis)・ATP産生などの重要な生体機能で担っています。Pはそのほとんどが細胞内に存在し(そのほとんどが骨:85%、その他肝臓・筋肉などの細胞内:15%)、血液中には0.1%しか存在していない。血液でPはは有機リン(ATPなど):10mg/dL程度、 無機リン(PO4):4mg/dL程度(こちらを血中濃度として測定している)として存在しています。 P正 […]
MgはNaやKと比べると普段日の目を浴びない電解質ですが、影の存在として臨床上非常に重要なのでここでまとめます。 1:Mg代謝・生理 MgはATPからエネルギーを得る際、細胞膜のNa-Kポンプ機能維持など様々な生理的な役割を担っています。Mgはそのほとんど(99%)が細胞内(特に骨>>筋肉)に分布しており、血中のMgは体内総Mgの1%程度です。 細胞内にそのほとんどがあり、細胞外にはわ […]
1:K代謝の生理学 低K血症のchapterで詳しく解説したので、詳細はそちらをご参照ください。 K負荷に対する生体の反応をまとめると1:細胞内シフトによる緩衝2:腎臓からの排泄(6~8時間以内に起こる)の2点になります。低K血症のところでも解説しましたが、基本的に腎臓はKを排泄する力が十分にあります。よって高K血症が持続するためには、必ず腎でのK排泄障害が背景にあります。 2:高K血症の原因 高 […]
0:はじめに まず言葉ですが、急性腎不全(ARF: acute renal failure)は高度な腎機能障害によって全身に影響が出ている状態を指します。しかし、これよりもっと早期の段階、軽度の腎機能障害を拾い上げて対応するために急性腎障害(AKI: acute kidney injury)という言葉・概念を使用するようになりました。 「これはAKIかどうか?」と悩むことは実臨床ではまずありません […]
尿電解質を理解せずして「電解質異常」と「酸塩基平衡」を語ることは出来ません。ここではそれぞれ尿電解質(特にNa, K ,Cl)の役割を簡単にまとめます。 まずはじめに「尿電解質に固定された正常値というものはない」という点を強調させて下さい。血液中の電解質は例えば血漿Na濃度=135~145mEq/Lと非常に狭い範囲でコントロールされています。人体にかかるNa負荷は日々異なりますが、腎臓が供給量に合 […]
1:尿比重・尿浸透圧 尿比重(正常値): 1.002~1.035尿浸透圧(正常値 ):50~1200mOsm/kg 体液量の評価で尿浸透圧の代用として使用します。前提条件を満たした場合(尿糖・造影剤・マンニトールいずれもなし)に尿比重は尿浸透圧と相関関係にあり、尿比重が”0.010″増えるごとに尿浸透圧が”350mOsm/kg”上昇すると覚えます(下 […]