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筋疾患

筋疾患へのアプローチ

ここでは筋疾患(ミオパチー: myopathy)を疑った場合にどのような病歴・身体所見に特に注目し、どの様な検査を検討するべきか?といったアプローチ方法に関してまとめます。 鑑別 ・炎症性筋疾患:皮膚筋炎、多発筋炎、免疫介在性壊死性筋症、封入体筋炎(下図参照)・全身性疾患:サルコイドーシス、抗ミトコンドリア抗体関連筋炎・ミトコンドリア病・周期性四肢麻痺(甲状腺機能)・糖原病(ポンペ病)・筋ジストロ […]

神経筋疾患による呼吸不全

神経筋疾患による呼吸不全の機序 神経筋疾患による呼吸不全の機序は以下の1-3が知られています。 1:上気道・咽頭・喉頭の筋力低下・嚥下機能低下により喀痰が貯留し上気道閉塞をきたす・喉頭周囲の筋力低下により仰臥位で上気道閉塞のリスクがある2:吸気筋力低下・吸気不十分により無気肺とそれに伴うV/Q mismatchによる低酸素血症、肺胞低換気による高二酸化炭素血症3:呼気筋力低下・通常呼気は受動的に行 […]

Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー

病態 Emery-Dreifuss muscular dystrophy(EDMD)は以下の3徴を特徴とした遺伝性の筋ジストロフィーです。通常は小児期に発症します。1960年代にEmery先生とDreifuss先生が見い出したことからこの名前が付いています。私は過去に循環器内科の先生から、「不整脈で当科(循環器科)受診となりましたが、過去にアキレス腱拘縮による手術歴がありEmery-Dreifus […]

SLONM: sporadic late onset nemaline myopathy

病態 SLONM(sporadic late onset nemaline myopathy)は遺伝性ではなく成人に亜急性経過で発症する筋病理でネマリン小体を認める、筋疾患です。亜急性の経過で筋萎縮をきたしすため、運動ニューロン疾患の鑑別として特に重要です。 nemaline myopathyは遺伝性のものが有名で、成人発症の孤発例は全体の4%(6/143例)を占めるとされています(AnnNeur […]

IMNM: immune-mediated nectorizing myopathy 免疫介在性壊死性ミオパチー

病態 ・壊死性ミオパチーは「炎症細胞浸潤が乏しいのに比して、壊死再生が主体である」ことを意味する病理学的な分類です。その名の通り病理学的には筋症(myopathy)と名付けられており筋炎(myositis)ではありませんが、臨床的には筋炎の経過と区別は困難です。壊死性ミオパチーは原因は不明のものや腫瘍関連のものもありますが(seronegative IMNMは25-40%程度とされている)は、ここ […]

封入体筋炎 IBM: inclusion body myositis

病態 炎症と変性どちらがprimaryな病態なのか?難しく、病態はまだまだ解明されていません。50歳以上の炎症性筋疾患として重要で、男女比は2-3:1程度です。自己免疫疾患合併はありますが、悪性腫瘍併存に関しては指摘されていません。筋疾患一般へのアプローチに関してはこちらをご参照ください。 臨床像 ・50歳以降に発症し、発症様式/経過は緩徐進行性(症状発症から診断まで数年単位かかることも多い:車い […]