注目キーワード

dysferlinopathy ジスフェルリン異常症

筋ジストロフィー 遺伝形式:AR
原因遺伝子:DYSF(2p13) dysferlin蛋白をコードしている(筋細胞膜の膜修復に関与している)

三好型遠位型筋ジストロフィー

■臨床像
・下腿遠位から発症・下腿屈側(腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋) 初期からつま先立ちが困難になる
・10歳代後半から20歳代で発症
・CK値は高度に上昇する
・筋病理は壊死再生が主体であるが、細胞浸潤を認める場合もありその場合に多発筋炎と間違えられてしまう場合もあり注意が必要
・遺伝子検査は研究段階レベル

Brain. 1986 Feb;109 ( Pt 1):31-54. doi: 10.1093/brain/109.1.31. PMID: 3942856.

■診断基準
診断に有用な特徴
A.臨床的特徴(a~cは必須)
a.常染色体劣性遺伝又は孤発性
b.進行性の筋力低下及び筋萎縮:下肢後面特に腓腹筋が侵される。
c.歩行可能な時期に血清CK値が異常高値(1,000IU/L以上)を示す。
(以下は参考所見)
・発症年齢は30歳までに多い。
・進行すれば近位筋の筋力低下が出現する。
・針筋電図で筋原性変化
B.dysferlinの評価(a又はbが必須)
a.dysferlin欠損(骨格筋免疫染色又はウェスタンブロット解析)
b.DYSF (dysferlin)遺伝子のホモ接合型又は複合ヘテロ接合型変異
(以下は参考所見)
・CD14陽性リンパ球のウェスタンブロット解析でdysferlin欠損
除外すべき疾患臨床的鑑別
・遠位筋を侵し得る他の筋疾患(他の遠位型ミオパチーを含む。)
・神経原性疾患病理学的鑑別
・他の筋ジストロフィー
・多発性筋炎
診断のカテゴリー
Definite:A+Bを満たす例 
Probable:Aを満たすが、Bが実施されていない例

肢帯型筋ジストロフィー2B:LGMD2B

参考文献
・筋疾患診療ハンドブック