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神経

AHLE: acute hemorrhagic leukoencephalitis

ADEMの最重症型の亜型としてAHLEは報告されており(ADEM全体の約2%を占める Neurology. 2002;59(8):1224-1231.), 1941年にHurstが報告したことに端を発します。感染症やワクチン接種後数日から週単位後に発症することから自己免疫機序が想定されています。急性進行性の白質脳症に出血を伴い, 病理学的には血管周囲の炎症細胞浸潤と小血管壊死, 脱髄が特徴とされて […]

GPA(granulomatosis with polyangiitis)と中枢神経合併症

・ANCA関連疾患のなかで中枢神経病変を呈する頻度はGPA>MPA>>EGPAとされています。・GPA(granulomatosis with polyangiitis)の中枢神経障害は報告によりかなり幅がありますが7~11%と報告されており、肥厚性硬膜炎・下垂体病変・中枢神経血管炎が3大原因です。特にGPAに随伴する肥厚性硬膜炎を中心に文献をまとめます。肥厚性硬膜炎全般に関してはこちらをご参照く […]

Eating epilepsy

“Eating epilepsy”は反射てんかん(reflex epilepsy)の1つで、食べることによって誘発されるてんかんです。極めて特徴的な病歴で先日初めて診療しましたが、勉強した内容を少しずつまとめます。なぜかスリランカからの報告がとても多いのですが、これは食文化などと関係があるのでしょうか?? ■Systematic review Seizure: Europe […]

MOGADによる皮質性脳炎

MOG抗体関連疾患での皮質性脳炎(Cerebral cortical encephalitis)は2017年に初めて報告され(Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2017 Mar;4(2):e322.)確立した疾患概念です. 片側性皮質脳炎の代表的な鑑別疾患として重要です. 若年発症で髄膜炎のような頭痛が目立ち, てんかん発作を随伴し, ステロイド治療反応性が良好で […]

突発性難聴 SSHL: Sudden sensorineural hearing loss

先日起床後に安静時めまい+左難聴・耳鳴りを呈した症例があり、診察するとsupine head-roll testで左頭位変換で回旋性眼振が出現する症例を経験しました。当初は三半規管の問題であったとしたらBPPVで蝸牛症状は伴わないはずだし、でも前庭神経の問題なら普通は頭位変換と関係ないからなーと病巣が良く分からずでしたが、結局突発性難聴の診断に至りました。なぜこうなったのか疑問に思い改めて調べます […]

心原性脳塞栓症の抗凝固療法導入時期

非弁膜症性心房細動患者さんの抗凝固療法導入時期は出血性梗塞合併リスクがあり判断に悩む領域です。 今までの変遷 ・前向き研究不在の中で今までさまざまなrecommendationが提唱されてきました。その変遷をまずまとめていきます。 基礎知識 ・心原性塞栓症の再発リスクは初期14日以内で0.5-1.3%/日(Stroke 1983; 14: 688–93.)・脳梗塞直後が再発リスクも, 出血性梗塞に […]

抗LGI1抗体関連脳炎

抗LGI1(leucine-rich, glioma-inactivated 1)抗体関連脳炎は自己免疫性脳炎の中で抗NMDAR脳炎に次いで多い原因として指摘されており認知が広まってきています. 自己免疫性脳炎の総論に関してはこちらを参照ください。抗VGKC関連抗体としてLGI1とCaspr2への抗体が代表的で前者が辺縁系脳炎(中枢神経)を主体に, 後者が末梢神経を主体な臨床像を呈します. LGI […]

脳底動脈閉塞への治療介入

脳底動脈閉塞は脳梗塞の中でも極めて神経学的予後が不良なものです. 脳底動脈閉塞に対する血管内治療は元々「救命目的に行うかどうか?」という立ち位置にありましたが, 2022年にNEJMで2つのRCTが発表され, 機能予後改善の意味でも流れが大きく変っています. ここではこの2つのRCTに関して取り上げます. “ATTENTION” N Engl J Med 2022;387:1361-72. まとめ […]

傍腫瘍神経症候群 PNS: paraneoplastic neurological syndrome 末梢神経障害

・傍腫瘍神経症候群(PNS: paraneoplastic neurologic syndrome)は臨床像が多岐にわたるため、ここでは末梢神経障害に絞って調べた内容をまとめたいと思います。・Sensory neuronopathyが最も多く、CIDP,GBS、腕神経叢障害、血管炎性ニューロパチー、その他(自律神経障害 AAG, chronic gastrointestinal pseudo-ob […]

“DeJong’s The Neurologic Examination”

医学書の紹介です(完全に神経専門医向けです)。最近購入してはまっているNeurologyの教科書が”DeJong’s The Neurologic Examination”です。臨床神経領域では有名な教科書でずっと存在は知っていたのですが、「なかなか手ごわそうだな・・・」と思って購入するのを躊躇い続けていました(日本語訳本はなし)。新しい職場で改めてNeurol […]