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2020年9月

NMOSD 治療

急性期治療 急性増悪の際の治療としてはステロイドパルス療法と血液浄化療法が挙げられます。 1:ステロイドパルス methyl presonidolone 500-1000mg/day 3-5日間 その後ステロイド後療法を1mg/kg/日で継続する場合が多いです。 2:血液浄化療法 TPE or IAPP1500-2000ml 5-7回 IgG200mg/dl前後を目安に終了もしくは中断を検討すると […]

Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー

病態 Emery-Dreifuss muscular dystrophy(EDMD)は以下の3徴を特徴とした遺伝性の筋ジストロフィーです。通常は小児期に発症します。1960年代にEmery先生とDreifuss先生が見い出したことからこの名前が付いています。私は過去に循環器内科の先生から、「不整脈で当科(循環器科)受診となりましたが、過去にアキレス腱拘縮による手術歴がありEmery-Dreifus […]

カルシニューリン阻害薬 シクロスポリン・タクロリムス

作用機序 カルシニューリン阻害薬はシクロスポリン(Cyclosporine A: CyA)とタクロリムス(Tacrolimus: Tac, FK506)が挙げられます。後者は筑波で発見されたマクロライド系の免疫抑制剤ということで、Tsukuba macrolide immunosuppressantから”Tacrolimus”という名称が付いています。 作用機序は […]

アザチオプリン Azathioprine

一般名:アザチオプリン商品名:アザニン®・イムラン® 製剤:50mg/1錠 ■作用機序 アザチオプリンはプロドラッグで体内で6-MPに代謝され薬効を発揮します。プリンと名前が付いている通りプリン体代謝(DNA合成)を阻害することで、免疫抑制・細胞増殖を抑制する効果を持ちます(下図参照)。細胞選択性はありません。 ■使用方法 開始量:25mg 1T1x(慎重) or 50mg 1T1x(普通) or […]

COVID19と血漿交換

COVID19では過剰な免疫反応が病態の一つとされており、血漿交換療法によりサイトカインを除去することで病態改善につながるのではないか?という点からCOVID19の治療方法として検討されています。過去にインフルエンザA型H1N1が流行した際にも血漿交換が有用であったという報告があります(Pediatr Crit Care Med. 2011;12:e87 – 89)。 ただ問題なのは安全性です。C […]

筋皮神経障害 musculocutaneous nerve palsy

解剖 筋皮神経(musculocutaneous nerve)・神経根:C5,6・腕神経叢:外側神経束、上神経幹・支配筋:上腕二頭筋、上腕筋、烏口腕筋*原則:筋皮神経は上腕屈筋を支配する(上腕筋は例外的に筋皮神経と橈骨神経の二重支配)*C5神経根障害で三角筋と上腕二頭筋の筋力低下が解離することが通常ないのでこの点がC5神経根症との鑑別点となります。・感覚領域:前腕橈側・掌側(外側前腕皮神経:lat […]

SLONM: sporadic late onset nemaline myopathy

病態 SLONM(sporadic late onset nemaline myopathy)は遺伝性ではなく成人に亜急性経過で発症する筋病理でネマリン小体を認める、筋疾患です。亜急性の経過で筋萎縮をきたしすため、運動ニューロン疾患の鑑別として特に重要です。 nemaline myopathyは遺伝性のものが有名で、成人発症の孤発例は全体の4%(6/143例)を占めるとされています(AnnNeur […]

神経生検 検体採取

前回筋生検の手技に関して解説させていただき、今回は神経生検の採取のところまでの手技に関して解説させていただきます。 適応 ・血管炎によるニューロパチー・サルコイドーシスによるニューロパチー・アミロイドーシスによるニューロパチー・悪性リンパ腫によるニューロパチー・ハンセン病 これらが特に神経生検の意義が大きい疾患です。 神経の選択 一般的には腓腹神経(sural nerve)で神経生検を行います。こ […]

筋生検 検体採取

神経内科は手技が少ない科ですが、筋生検と神経生検が手技として重要です。ここでは筋生検の手技に関してまとめさせていただきます(具体的な固定や染色の方法はまた別途に記事にする予定です)。施設や先生方によってやり方は多少の違いがあると思いますのであくまで参考にしていただけますと幸いです。 採取部位の選択 生検適した筋・MMT4程度:筋力低下がないと所見が得られないし、筋力低下が強すぎると脂肪変性により有 […]

進行性核上性麻痺と表情

少しゆるめの話です。 下の絵画に描かれた人は進行性核上性麻痺ではないかと指摘されています(Lancet neurology “Portrayal of progressive supranuclear palsy in the 16th century”)。進行性核上性麻痺の患者さんの表情がパーキンソン病患者さんの表情と違うことは前から指摘されており、パーキンソン病患者さん […]