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2020年10月

Guillain Barre症候群 合併症

Guillain Barre症候群ではさまざまな合併症を併発するため(特に重症例)、集学的なアプローチが必要となる場合が多いです。以下で各合併症に関して調べた内容をまとめます(ギラン・バレー症候群の一般的事項に関してはこちらをご参照ください)。この中でも特に重要なのが致死的になりうる自律神経障害と深部静脈血栓症の2点です。これに加えてQOLに大きな影響を与える疼痛をこの記事では取り上げます。ギラン […]

Guillain Barre症候群 治療

ギラン・バレー症候群の治療方法は1990年代に血漿交換療法が確立し、その後1990年代にIVIGの治療が確立しました。その後20年程度に渡り両者が1st line therapyとして君臨し、新規の治療法が出現せず大きな進歩がなかなかありませんでしたが、近年C5モノクローナル抗体が脚光を浴びるようになってきています。ここではギラン・バレー症候群の治療に関してまとめます(ギラン・バレー症候群の一般的 […]

初期研修 何を基準に研修先の病院を選ぶか?(医学生向け)

この記事は医学生の方向けに、初期研修マッチング先の病院を決める際の参考になればと思い書かせていただきました(医学の内容ではありません)。この記事の内容はあくまで管理人の個人的な経験に基づいた意見なので、私とは全く違う意見も沢山あると思います。このためあくまで一個人の意見として参考にとどめていただければと思います。 また初期研修で求めるものや将来のビジョンによっても初期研修の選び方は大きく変わってき […]

神経サルコイドーシス Neurosarcoidosis

サルコイドーシス患者のうち約5-15%が神経サルコイドーシスを合併するとされています。しかし、全身性のサルコイドーシスを有している患者が神経症状を呈したからといってその原因が神経サルコイドーシスとは限らないという点が神経サルコイドーシスの診断の難しい点です。また神経サルコイドーシスの10-30%は全身症状を伴わずに神経症状のみで発症するため、全身症状を伴っていないからといって神経サルコイドーシスを […]

神経サルコイドーシス 治療

神経サルコイドーシスの治療に関して前向き研究は不在であり、基本的にはexpert opinionや観察研究の結果からの内容をまとめます。 ■副腎皮質ステロイド 神経サルコイドーシスの治療では通常副腎皮質ステロイドを第1選択として使用します。一般的にはサルコイドーシスによる他の臓器障害に比べて、神経サルコイドーシスはステロイドの治療反応性が悪いとされています。一定数の神経サルコイドーシス患者はステロ […]

Guillain Barre症候群 予後予測

患者さんご本人、家族へのギラン・バレー症候群の説明をするにあたっては大まかな機能予後と道筋を示すことが求められます。その際に参考となるのが予後予測のスコアリングです。ギラン・バレー症候群では機能予後に関するスコアリングとしてmEGOSが、人工呼吸管理となる予後評価に関してEGRISの2つが提唱されており、ここで簡単に紹介させていただきます(ギラン・バレー症候群の一般的事項に関してはこちらをご参照く […]

感覚障害のみを呈する脳梗塞 Pure sensory stroke

感覚障害のみを呈する(つまり運動症状を呈さない)脳梗塞としては視床が有名ですが、脳幹部の限局性梗塞でも感覚障害のみの脳梗塞を呈する場合があり注意が必要です。 ■Pure sensory strokeの疫学に関して J Neurol (2005) 252:156–162 この研究では99例のpure sensory strokeの症例があり、全脳卒中の4.7%、脳梗塞の5.4%、ラクナ梗塞の17.4 […]

中脳梗塞 midbrain infarction

ここでは中脳の解剖と中脳に限局した脳梗塞(pure midbrain infarction:つまり中脳以外の部分には梗塞巣を認めない)に関してまとめます。 中脳の解剖・血管支配 中脳の構造は下図のようになっています。・動眼神経核:中脳の脳神経で最も重要な脳神経は動眼神経です。内側に位置しており、脚間窩へ走行しています。・大脳脚:内包を経由した下降性投射線維の集合体です。皮質脊髄路(錐体路)の線維が […]

尾状核梗塞と無為 abulia

尾状核梗塞は経験したことがあると病歴だけから診断することが可能である点が個人的には好きな疾患です。以下で解説していきます。 無為 abulia 脳梗塞の診断は今までの記事でも何度か書いておりますが1:神経学的巣症状(focal neurological sign)から病巣を推定することと、2:病歴から血管障害を示唆する突然発症(sudden onset)を取ることの2点が極めて重要です(むしろこれ […]

PSP-PAGF pure akinesia with gait freezing

歩行のhesitationやfreezingが前景に立つがパーキンソン病に典型的な振戦や固縮が目立たない臨床病型としてPSP-PAGF(pure akinesia with gait freezing)が知られています。個人的にはかなり特徴的な臨床像と思っており、いままできちんと調べられていなかったので既報を調べたものをまとめます。PSP全般に関してはこちらをご参照ください。 ■PAGFをPSPの […]