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神経

Agryrophilic grain disease: AGD 嗜銀顆粒性認知症

恥ずかしながら私はまだ病理確定診断例を経験できておりません。ご経験ある先生いらっしゃいましたら是非ご教授いただけますと幸いです。 病理 ・4 repeat tauopathy:agryrophilic grain *由来:神経細胞の樹状突起の後シナプス膜・出現する部位:迂回回(ambient gyrus)から出現 *下図は以下より引用:J Neuropathol Exp Neurol. 2004 […]

Chorea(舞踏運動)

臨床像 ・”chorea”はギリシャ語で「踊り」を意味する言葉に由来します。特徴としては「動きがランダムであること」が重要です(不規則で予想が出来ない)。動きの速度が速いとミオクローヌスに見えることがありますが、choreaはランダムであることが鑑別と点として重要です。・parakinesia: “chorea”を日常の動きの中に取り入れてあたかもc […]

ハンチントン病 Huntington disease

遺伝・病態・疫学 遺伝形式:AD 遺伝子:HTT(huntingtin)ポリグルタミン病 第4染色体 CAG repeat anticipation(表現促進現象:世代を経るごとに繰り返し数が増大して発症年齢は若年化・重篤化)を認める通常:26回以下異常:36回以上(27-35回はgray zoneになっている) 発症:いずれの年齢でも発症しうる(平均30才代)*20才以下(若年型):10% 以下 […]

Wilson病

遺伝子・病態・臨床像 ・遺伝形式:AR(遺伝子ATP7B) 先天性銅代謝異常症 日本全国約1500人程度と推定・病態:肝臓からの銅排泄障害による様々臓器への銅沈着(非セルロプラスミン結合銅は臓器に蓄積:肝硬変・錐体外路症状)・銅は小腸から体内に取り込まれ、肝臓でセルロプラスミンと結合し血液中を流れる・血液中の95%はセルロプラスミンと結合しており、臓器に銅を供給することはない(役割としては鉄の酸化 […]

NBIA: neurodegeneration with brain iron accumulation

総論 ・遺伝子異常による基底核への異常な鉄沈着・神経変性が病態であり(中枢神経への鉄沈着による神経変性をきたす疾患はNBIAと脳表ヘモジデリン沈着症)、下記経路のいずれかに遺伝子異常により障害を来たした病態(単一の疾患ではなく総称)。・いずれも特徴的な画像所見や臨床像がありますが、遺伝子診断が確定診断になります。 遺伝形式からの鑑別 ・AD:神経フェリチン症(Neuroferritinopathy […]

若年発症アルツハイマー型認知症 early-onset Alzheimer’s dementia

若年発症(early-onset AD) ・65歳未満の発症を”early-onset AD”と表現し、全体の5-6%を占める(診断が約1.6年遅れる) 若年性認知症の原因として約1/3を占める ・臨床像がtypical amnestic ADと異なる点が重要!「失語」、「視空間認知障害」、「失行」といった症状が目立つ(記憶障害が目立たず) 頭頂葉、側頭頭頂葉病変が主体であ […]

アルツハイマー病 Alzheimer’s disease

結局は病理診断でないと答えが分からない(つまり独りよがりな診断になってしまう)ため苦手意識を持つ方も多いと思いますが、個人的には去年「往診」をするようになってから、かなり興味を持つようになりました。診察室の中での出来事よりも「日常生活」へどれだけイメージを膨らませることができるか?という視点が認知症診療へ興味を持つきっかけになったように感じています。2010年時点で65歳以上の認知症有病率は15% […]

糖尿病性末梢神経障害 diabetic neuropathy

学生の時に勉強する糖尿病による細小血管合併症は「し(神経)・め(眼)・じ(腎臓)」が有名で、その中の神経障害を扱います。さまざまな病型があるため紹介させていただきますが、最も多いのはもちろん多発ニューロパチー(polyneuropathy)です。血糖コントロールが良くても2型糖尿病では多発ニューロパチーを併発しうるという点が重要です。私はNCSなど含めてきちんと精査・除外を行った上で「糖尿病性神経 […]

SPECT single photon emission computed tomography

原理 放射性同位元素・陽電子(positron)→陽電子放出断層撮像法(PET: positron emission tomography)・単光子(single photon)→ 単光子放出コンピューター断層撮像法(SPECT: single photon emission computed tomography) *感度と空間分解能が低い点が問題である SPECTでの放射性医薬品・99mTc( […]

脳血流の評価

色々なパラメーターがでてきて混乱するかもしれませんが、基本は電気回路の電流(血流)=Δ電圧(Δ還流圧)/血管抵抗を理解していれば理解できると思います。 脳血流の生理学 以下が登場するパラメーターです。電気回路では電流の受け手(=組織:血流の受け手)側のことは一切考慮しませんが、ここでは受け手(組織)の酸素摂取率(OEF)を考慮する必要があります。 CPP: cerebral perfusion p […]