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神経

発作(Seizure)の臨床像

てんかんの臨床像を把握することは病歴聴取上極めて重要です。病歴聴取が不十分なまま脳波検査に突入しても迷宮入りしてしまうためまずは代表的な臨床像を知識として把握しておく必要があります。てんかんは「前提知識がないとそもそも何を問診すればよいか分からない」という事態に陥りがちなので重要です。これもまだ未完成なのですが適宜追記していきます。 発作(seizure)の3原則 ①発作型が毎回同じ②持続時間は1 […]

帯状疱疹ウイルス感染症と中枢神経合併症

帯状疱疹ウイルスは神経合併症を多く引き起こすため注意が必要な感染症で、コンサルトもよくあるテーマです。取り急ぎの記事のためまだ記載途中の部分もありますが徐々に足していきますのでご容赦ください。 臨床像 VZVの再活性化はもちろん免疫不全で問題となりますが、加齢による生理的な免疫低下によっても起こるため注意が必要です。以下全てに共通ですが「VZV中枢神経感染では必ずしも皮疹を合併しない」という点に臨 […]

アルコール性末梢神経障害 alcoholic neuropathy

病態・臨床像 問題点/疑問点:アルコール関連は常にビタミンB1欠乏を合併する場合がありうるため「ビタミンB1欠乏によるニューロパチーとは別の病態なのか?同じ病態なのか?」が問題となります。 ■末梢神経病理によるアルコール性ニューロパチーとビタミンB1欠乏性ニューロパチーの違い検討(超重要文献) Ann Neurol 2003;54:19–29 1:アルコール性ニューロパチー(ビタミンB1欠乏なし) […]

初回の非誘発性発作(unprovoked seizure)へのアプローチ

簡単におさらいすると「てんかん(epilepsy)」は病名で、「発作(seizure)」は脳細胞の異常興奮に由来する症状(総称)です。発作の中に「痙攣(convulsion)」を呈するものも「非痙攣性(non-convulsive)」のものもあります。そしてこの発作が中毒や脳出血急性期などの誘因があるものを「急性症候性発作(acute symptomatic seizure)」と、誘因がない「非誘 […]

神経内科専門医試験について

今年度はCOVID19流行の影響もあり例年よりも遅れて2022年2月13日に神経内科専門医試験が実施されました。神経内科専門医試験は受験する人数も少ないこともあってなかなか情報が世に出回っていないですが、個人的にどのように勉強したかなどに関してまとめたいと思います(ここでは1次試験に限定した内容です)。あくまでも個人的な見解なのでご了承ください(詳細は日本神経学会のホームページをご確認お願い致しま […]

遠位型ミオパチー

筋疾患は通常近位から障害されることが多いとされていますが遠位から障害される遺伝性疾患をまとめて「遠位型ミオパチー」と称することがありまとめます。 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー distal myopathy with rimmed vacuoles(GNE myopathy) 遺伝形式:AR 遺伝子:GNE遺伝子 シアル酸合成酵素の変異臨床像:20歳前後で発症緩徐に進行 尊大な歩行 股関節外転 […]

脊髄性筋萎縮症 SMA: spinal muscular atrophy

病態:運動神経前角細胞の障害(遺伝) 下位運動ニューロン障害・比較的均一な臨床病型を呈する遺伝形式:AR 遺伝子:SMN1 SMN2のコピー数が多いほど軽症化する傾向にある臨床像:近位筋障害(障害の程度:下肢>上肢・上腕三頭筋>上腕二頭筋・腸腰筋>大殿筋)*上位運動ニューロン徴候、感覚障害、高次脳機能障害、外眼筋麻痺は基本的に認めない分類Ⅰ急性乳児型(Werdnig-Hoffman病):0~6か月 […]

末梢神経障害の原因いろいろ

末梢神経障害を起こす原因をまとめます。過去にまとめた記事も多いのでそれはリンクとして掲載されていただきます。末梢神経障害一般に関してはこちらもご参照ください。 自己免疫機序 GBS こちらをご参照ください CIDP こちらをご参照ください MMN こちらをご参照ください 血管炎性ニューロパチー こちらをご参照ください シェーグレン症候群 こちらをご参照ください 遺伝性 CMT Charcot-Ma […]

白質ジストロフィー

いくつかまとめます。 ALD adrenoleukodystrophy 副腎白質ジストロフィー 病態・遺伝 病態:超長鎖脂肪酸をペルオキシソームへ輸送する機序の異常→超長鎖脂肪酸の蓄積:中枢神経の脱髄と副腎不全遺伝形式:XR 遺伝子: ABCD1(ATP-binding cassette, subunit D) *特定の遺伝子変異が多い訳ではない(エクソンだけでなく全塩基配列を調べる必要がある)* […]

前頭側頭型認知症

この領域がややこしい理由は臨床病型と病理分類が1対1対応になっていない点にあります(これは仕方のないことなのですが)。このため似たような名前が違う意味で使われている点に十分注意する必要があります。FTD(前頭側頭型認知症)は臨床診断名であり、FTLD(前頭側頭葉変性症)は病理診断名です。病理は更にTDP43, tau, FUSを背景病理に持つことにより大きく3つに分類され、さらにこれと関連する遺伝 […]