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白質ジストロフィー

いくつかまとめます。

ALD adrenoleukodystrophy 副腎白質ジストロフィー

病態・遺伝

病態:超長鎖脂肪酸をペルオキシソームへ輸送する機序の異常→超長鎖脂肪酸の蓄積:中枢神経の脱髄と副腎不全
遺伝形式:XR 遺伝子: ABCD1(ATP-binding cassette, subunit D) 
*特定の遺伝子変異が多い訳ではない(エクソンだけでなく全塩基配列を調べる必要がある)
同一遺伝子変異でも臨床病型が異なる場合があり病型を予想することは困難である
*女性保因者は超長鎖脂肪酸が10%程度で正常範囲内になる→最終的には遺伝子診断が必要

小児大脳型 childhood cerebral form

発症時期:4-8歳頃発症  *疑う契機:学校に通学する頃に注意や行動障害を認める場合
精神発達遅滞→視力低下・痙性麻痺 数年で
検査:超長鎖脂肪酸 C26:0, C26:C22, C26:C24
画像所見:後頭頭頂葉+脳梁膨大部の白質病変 85% *Loes scoring system


治療:早期の造血幹細胞移植

AMN:adrenomyeloneuropathy 副腎脊髄ニューロパチー

発症時期:20-40歳
臨床像:痙性対麻痺で発症・膀胱直腸障害
*女性保因者も加齢とともに軽度の症状を呈する場合があり、必ずしも保因者という名前が適切ではない

*副腎不全単独を呈する場合も10%程度ある

Krabbe病

病態:ライソゾーム病・脱髄 グロボイド細胞出現
遺伝形式:AR 遺伝子:GALC 欠損酵素:ガラクトセレブロシダーゼ
臨床像
1) 乳児型:~6か月 最も多い・易刺激性・退行
2) 後期乳児型:7か月~3歳発症
3) 若年型:4~8歳発症
4) 成人型(adult-onset):9歳以降発症・緩徐な経過で多彩で見逃されやすい

画像所見(成人型):錐体路が特徴 *逆に両側中心前回に高信号がある際には成人型Krabbe病を考える
中心前回(内側 100%>外側 76.2%)~放線冠 95.2%~内包後脚 81%~中脳 57.1%~橋 52.4%・中心後回 71.4%・脳梁・視放線 85.7% 側脳室後角周囲白質 95% 下図引用元:Neurology ® 2019;93:e647-e652.

酵素補充療法:なし