恥ずかしながら私はまだ病理確定診断例を経験できておりません。ご経験ある先生いらっしゃいましたら是非ご教授いただけますと幸いです。
病理
・4 repeat tauopathy:agryrophilic grain *由来:神経細胞の樹状突起の後シナプス膜
・出現する部位:迂回回(ambient gyrus)から出現 *下図は以下より引用:J Neuropathol Exp Neurol. 2004 Sep;63(9):911-8
・高齢者で多く 加齢と共に増加し、ADに次ぐ頻度となる(高齢者5-9%・稀な疾患ではない)
臨床像
・高齢発症・易怒性、頑固、被害妄想などBPSD症状が目立つ
・進行は緩徐
・Aβ42、タウなどの髄液バイオマーカーは正常範囲内
・コリンエステラーゼ阻害薬の効果は限定的
画像
・左右差が特徴的(ADでも左右差を認める場合もあり「左右差=AGD」ではない)
・迂回回を含む辺縁系・側頭葉前部に萎縮が限局し、周囲との解離が強い
・MMSEと萎縮の程度に解離がある
normal controlとの比較 左図:AGD vs normal control, 右図:AD vs normal control
参考文献
・Neuroradiology 2019;61:1239 病理の裏付けが取れている素晴らしい文献です
・日本認知症ガイドライン2017