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梅毒 Syphilis

病原体:Treponema pallidum(スピロヘータ)感染経路:性行為感染(1,2期梅毒、早期潜伏梅毒)もしくは母子感染 臨床像 ・第1期梅毒:無痛性の陰部潰瘍(硬性下疳)が有名(感染後平均3週間後に出現)。無治療でも消失する。初期は非トレポネーマ検査が陰性の場合もあり注意が必要(時間をあけてフォロー)。・第2期梅毒:臨床像が極めて多彩で疑わないと診断することができない(起炎菌自体の病原性よ […]

結核

感染 起炎菌:Mycobacterium tuberculosis感染経路:空気感染(人から人への感染経路しか存在しない)(患者:サージカルマスク、医療従事者:N95マスク *患者にN95マスクは必要なし)生存環境:37℃、酸素があり軽度の二酸化炭素がある環境に生存するため、人体が環境として最も適している。感染症法:2類感染症(診断後すぐに保健所に届け出を提出) ■ポイント・結核は「感染」と「発病 […]

RCVS(reversible cerebral vasoconstriction syndrome) 可逆性脳血管攣縮症候群

急性頭痛の鑑別として稀だけれど重要なのがRCVSです。頭痛へのアプローチに関してはこちらにまとめがあるのでご参照ください。 疫学/誘因 ・交感神経活性・血管内皮障害・instabilityなどが原因で多発の血管攣縮をきたす病態です。・幅広い年代で発症しうるが、特に比較的若年の女性に多いことが特徴で、既往歴として片頭痛を約40%に認めます(片頭痛の頭痛と見極めが必要で、そこでは”patt […]

ブログ 質問回答

先日お悩み相談コーナーを開設してみて(こちら)いくつかいただいた中から回答させていただきます。質問文はそのまま、もしくは個人情報に支障をきたす場合は多少変更して記載させていただいております。 質問1:「地方医学生です。東京で後期研修(内科)を考えています。母校に入局するという選択肢がない場合、後期研修先はどのように選べばよいとお考えですか?」 以下小生の回答 ご質問大変ありがとうございます。個人的 […]

マクロCK血症

研修医の先生から「なんでこの患者さん採血検査でCK上昇しているのでしょうか?」と質問があり、マクロCK血症と思われる症例を経験し勉強した内容を簡単にまとめさせていただきます。 1:CKに関して CK(creatine kinase)はM型とB型の2種類から作られます(下図)。CK-MM:骨格筋、CK-MB:心筋(心筋全体の25%未満)という関係にあります(BBは臨床上問題になることは少ないため省略 […]

薬疹

分類 ・蕁麻疹、アナフィラキシー(IgEを介したⅠ型アレルギー):薬剤開始後数分(1時間以内) こちらを参照・薬疹(Ⅳ型アレルギー):薬剤開始後4-21日後(最も一般的)・重症薬疹:DIHS, SJS-TEN:薬剤開始後数日~数週後 薬疹(一般的なもの) ・時期:Ⅳ型アレルギーのため薬剤開始直後ではなく、薬剤開始後4-21日に出現することが多い。・皮疹は麻疹様の丘疹、斑状疹を呈することが多い。・通 […]

進行性多巣性白質脳症 PML: progressive multifocal leukoencephalopathy

病態 ・JCVは多くの場合(日本は70%以上)既感染(腎臓・脾臓・骨髄)で、免疫低下に伴いウイルスが増殖すると脳へ血行性感染をきたし、中枢神経に脱髄をきたし、不可逆的な障害をきたす病態です(その他JCVによる中枢神経障害にはJCV髄膜炎、JCV 脳症、JCV小脳顆粒細胞障害がありますがここではPMLのみを取り上げます)。免疫抑制を扱うすべての科で重要なテーマです。 原因 ・HIV感染症による免疫不 […]

ギランバレー症候群と味覚障害

先日診療したギランバレー症候群(疑い)の患者さんに味覚障害が出現し、自験例で一度も経験がなかったため文献を調べてみました(ギランバレー症候群の総論に関してはこちらをご参照ください)。ギランバレー症候群での味覚障害を認めるのは0.6-2%と比較的稀とされています(J Neurol Neurosurg Psychiatry 1988;51:605–612.)。顔面神経のほとんどは大径有髄繊維ですが、味 […]

フィンゴリモド fingolimod

薬剤/機序 商品名:ジレニア、イムセラ 製剤:0.5mg/カプセル投与量:0.5mg 1Cp1x 経口薬(経口薬のDMDとしての承認初)*基本的にこの投与方法(0.5mg/日)しか日本では認可がありません。 作用機序:S1P(スフィンゴシン-1-リン酸:sphingosine-1-phosphate)受容体に作用し、リンパ球遊走を阻害する作用があるとされています。S1Pはリンパ節でのT細胞のS1P […]

妊娠と多発性硬化症

多発性硬化症は若い女性の患者さんも多く妊娠との関係が重要なテーマです。ガイドラインの内容をなぞることが多くて恐縮ですが、内容をまとめます。 妊娠・出産のMS病勢への影響 1:再発に関して・妊娠中は再発率は低下するが、出産後3か月は再発リスクが最も高くなる(下図引用:”The PRIMS Study” :254人/269回の妊娠に関してのフォローアップ:N Engl J Me […]