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2021年6月

Hessチャート “Hess chart”

「Hess赤緑試験」とも表現する眼球運動を評価するための検査方法です。眼科で行う検査ですが、神経内科では眼球運動障害、複視を多く扱うためどのような検査なのか?またどのように結果を解釈するか?を知っておく必要があると思い勉強した内容をまとめます。 1:原理 右眼と左眼をそもそもどのようにして分離するか? 検査の原理がわからない場合はその検査を1から組み立てる気持ちになるとわかりやすくなることが多々あ […]

筋強直性ジストロフィー myotonic dystrophy

筋強直性ジストロフィーは神経内科の疾患というよりも内科医がみつけるべき疾患という位置づけだと個人的には思っています(頻度もまれではありません)。「なんでこの年で白内障があって誤嚥性肺炎になるの?」、「なんでCKがちょっと高くて不整脈と白内障があるの?」などなど年齢に比してこれはおかしいという臨床的な視点が本疾患を疑うヒントになると思います。 病態/遺伝 1型(DM1)に関して遺伝形式:AD 遺伝子 […]

脊髄小脳変性症 SCD:spinocerebellar degeneration

分類・疫学 日本の疫学に関してCerebellum. 2008;7(2):189-97.より引用。 ■脊髄小脳変性症の分類 1:孤発性・多系統萎縮症 MSA-C・皮質性小脳萎縮症 CCA(cortical cerebellar atrophy) 2:遺伝性(1): AD-SCD・純粋小脳型(pure cerebellar):SCA6 > 31 *通常pure cerebellarの方が緩徐に […]

FXTAS: fragile X-associated tremor/ataxia syndrome 脆弱X関連振戦/失調症候群

FXTASに関して(私はまだ診断できたことがないのですが)、しばしば鑑別に挙げるためまとめます(ほとんどの内容をNeurology ® 2012;79:1898–1907より引用させていただきました)。2001年にHagermanにより報告されたまだ比較的新しい疾患概念です。 疫学/病態 原因遺伝子:FMR1 CGG repeat異常伸長(55-200回)総称 FXDs: fragile X-as […]

OPDM: Oculopharyngodistal myopathy 眼咽頭遠位型ミオパチー

遺伝形式:AD(ARもあり)原因遺伝子:LRP12  非翻訳領域の CGG repeat 異常伸長(Nat Genet. 2019 Aug;51(8):1222-1232.)その他:GIPC1, NOTCH2NLCLRP12に関してrepeat数が長いほど発症年齢が若年化することが指摘されています。 *参考:繰り返し配列の異常伸長に伴う主な神経筋疾患まとめ(https://www.amed.go. […]

視空間認知

視空間認知障害の分類 1:背背側経路 “How”:意識に上らない行為 「視覚性運動失調」、「把握の障害」2:腹背側経路 “Where”:対象物の位置、座標 「半側空間無視」、「視覚性注意障害」3:腹側経路 “What”:対象物の形 「視覚性失認」(物体・相貌・街並)、「大脳性色覚障害」 1:背背側経路の障害 “Ho […]

半卵円中心梗塞 centrum ovale infarct

解剖 ・半卵円中心(centrum ovale):側脳室上端より上の部分(側脳室がaxial像で見えていないレベル) *卵を半分に割ったようみみえることが「半卵円」という名前の由来・血管支配:髄質枝(脳表を走行する血管から垂直に脳室方向へ向かう枝)が主体*半卵円中心の一部はACAとMCAの境界還流領域(分水嶺)に該当する(external border zone)*分水嶺領域の梗塞に関してはこちら […]

Long insular artery infarction

先日”Long insular artery infarction”がカンファレンスで話題になり、今まで全く調べたことがなかったため調べた内容をまとめます。ついついLSA領域の梗塞と判断してしまいがちな点が落とし穴です。脳血管障害も日常診療でよく遭遇しますが、奥が深いですね。 解剖 島”insula”を支配する血管は中大脳動脈のM2から主に分枝し、& […]

手口症候群 “Cheiro-Oral Syndrome”

手口症候群(cheiro-oral syndrome)は特異な神経症候を呈することで比較的有名で、神経の専門ではない先生もご存じの方が多いかもしれません(”cheiro”はギリシャ語で「手」を意味するようで、「カイロ(cheiro)プラクティック」の語源はここから来ているそうです)。文献できちんと調べてまとめられていなかったため、ここで調べた内容をまとめます。手口症候群とい […]

PAPT: progressive ataxia and palatal tremor

病態 正確な病因は不明ですが、Guillain-Morralet triangleを形成する経路(下図参照)の障害により延髄下オリーブ核が仮性肥大をきたし、1~3Hz前後の口蓋振戦(palatal tremor)と進行性小脳性運動失調を呈する変性疾患です。(実際には下オリーブ核~下小脳脚~小脳の経路の障害では口蓋振戦は生じず、歯状核か中心被蓋路の障害どちらかの場合が多いとされています)家族性と孤発 […]