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2022年

CGRPモノクローナル抗体:片頭痛予防薬

片頭痛予防薬として新たに出現してきた薬剤です。片頭痛一般に関してはこちらをご参照ください。調べていきながら少しずつ内容をupdateしていきます。 作用機序 ・カルシトニン遺伝子関連ペプチド (calcitonin gene-related peptide: CGRP)シグナルに関する機序です。・CGRPは三叉神経から放出され、血管平滑筋に作用し血管拡張をする作用があります(三叉神経血管反射)。片 […]

椎骨動脈解離 Vertebral Artery Dissection

古い文献は椎骨動脈の典型例が主体ですが、近年画像診断が向上していることで様々な臨床像にvariationがある椎骨動脈解離が指摘されるようになってきました。また1点注意を申し上げると頭蓋「内」と頭蓋「外」できちんと分けて考える必要があります(特にSAHを合併するか?しないか?の点で区別が重要)。この記事での主題は基本的には頭蓋「内」の椎骨動脈解離に関してですが、一部頭蓋「外」の椎骨動脈解離に関して […]

青年期の特発性全般てんかん

JMEは神経内科医はよく診療すると思います。その他のより若年のてんかんに関しては私はあまり経験がないのですが、”transition”の関係で外来での勉強が必須となってきており、教科書的内容をまとめています。ポイントをご存じの方がいらっしゃりましたら是非ご教授いただきたいです。*2017年ILAEから“idiopathic generalized epileps […]

ブログを通じての出会い

医学の話ではなく今日はとても嬉しいことがあったのでこのブログ記事を書いています。本日このホームページ・ブログを通じてお知り合いになった遠方にお住まいの先生とCOVID19の影響で中々直接お会いすることが出来なかったのですが、ついにお会いすることが出来ました!(いわゆるオフ会のような感じでしょうか) その先生は元々お互いに全く面識はなかったのですが、まだこのホームページ・ブログが初期の段階から応援し […]

腱反射が保たれるギラン・バレー症候群

特に日本からよく報告されています。「そもそもなぜ腱反射が起こるのか?」、「軸索障害や脱髄なにが特に障害するのか?」など考えることが広がり、面白いテーマです。 ただ「腱反射が保たれているギラン・バレー症候群もあるから!」という一点張りでは戦えません。やはり総合的な臨床経過・神経所見・電気生理所見などを合わせて初めて病態の評価が可能となります。つまり「腱反射が保たれているギラン・バレー症候群もある」と […]

化学療法に伴う神経合併症

Neurologyのコンサルタントとして重要な知識です。中枢神経合併症に関してはまた後日まとめさせていただきます。 末梢神経障害:Chemotherapy-induced peripheral neuropathy (CIPN) 頻度:30-70%(人によって程度は様々である) *化学療法に伴う神経合併症として最も多い検討するポイント:化学療法の種類・投与方法・積算投与量・治療期間・出現する時期・ […]

高齢者歩行障害へのアプローチ

明確な筋力低下があればもちろんそれが原因で歩きづらいことになりますが、これはそこまで鑑別に困らないことが多いと思います(例えば封入体筋炎での大腿四頭筋萎縮による歩行障害などは筋力低下による膝折れなどが明瞭であるため診断に悩むことは少ない)。 高齢者の歩行障害アプローチで難しいのは筋力低下はそこまで目立たないのだけれど、上手く歩けないというケースに多く遭遇するということです。またそれだけではなく「さ […]

BAD: branch atheromatous disease

病態 TOAST分類には記載がされていませんが(病変が15mm以上で「小血管病」(ラクナ梗塞)に該当しないと「分類不能」になります)、元々1989年にCaplanが提唱した概念(Neurology. 1989 Sep;39(9):1246-50.)でとても重要です。障害される血管はラクナ梗塞と同様に「穿通枝」ですが、穿通枝の入口部に「アテローム性病変(microatheroma)」をつくり閉塞する […]

髄液糖所見の解釈

Classicalなテーマを扱いますが、調べてみると意外とわからないことだらけです。 髄液糖が低下する機序 ・前提の生理学:通常糖は血液からBBBのグルコーストランスポーター(GLUT1)を超えて能動的にCSFに輸送されており、血中濃度と髄液濃度は平衡関係にある・髄液糖が低下する原因は以下が挙げられる原因1:髄腔内での糖消費原因2:BBBのGLUT1(グルコールトランスポーター)の機能不全 カット […]

発作(seizure)と髄液所見

ここは臨床現場でたびたびきになるポイントです。結論を申し上げると「発作後(postictal)の髄液細胞数上昇はまれであり、髄液細胞数上昇を認める場合はその原因を検索するべき!」になるかと思います。 文献 ■発作と髄液所見の検討 Epilepsy Research 2015;114:23 方法:後ろ向き単施設 319例 *中枢神経感染症は除外患者背景:年齢中央値59歳(14-97歳)原因:原因不明 […]