1:病態
歴史的には1950年台ポリオの流行により人工呼吸の創成期を迎え、人工呼吸器による肺障害が認識されるようになりました。そして1967年人工呼吸器管理患者の剖検でびまん性の肺胞浸潤、ヒアリン膜形成を認め “respirator lung”と名付けられたのが人工呼吸器関連肺障害の始まりです。これらをまとめて現在はVILI (ventilator induced lung injury)もしくはVALI(ventilator associted lung injury:人工呼吸器関連肺損傷)と表現します。臨床的にこの重要性が認識されるようになったのは、ARDSの管理で”low tidal volume ventilation”が予後を改善することを示したことが大きいです。