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2020年4月

低酸素血症 Hypoxemia

1:低酸素血症の病態・原因 呼吸生理の記事で勉強した呼吸生理の全体像を踏まえて、どこが障害されると低酸素血症になるか?を解説していきます。 まず酸素化に関係する要素をみていきます。上図で”PaO2″へ向かう矢印(青色で表現:酸素化と関係している項目)をまとめると、1:平均気道内圧2:PAO23:AaDO2この3要素で”PaO2″が規定されることが分か […]

呼吸生理 総論

0:呼吸の統合的な理解 呼吸生理を理解するのは難しい・・・と思っている方が多いと思います。確かに呼吸生理はV/Qミスマッチ、シャント、肺胞コンプライアンスなど勉強しないといけない項目が沢山あります。しかし多くの場合、呼吸生理を理解できていない原因は「それぞれの項目が呼吸生理全体のどこに位置しているかをつかめていない」ためだと個人的には思います。 例えば心不全でV/Qミスマッチが起こると勉強してその […]

人工呼吸器 原理

人工呼吸器は理解に時間がかかる分野です。いたずらにモードを覚え始めるよりも、自分で人工呼吸器を一から作ってみる視点で勉強すると分かりやすくなると思います。人工呼吸器の原理を理解せずして、モードの理解や人工呼吸器の管理は出来るように決してならないのでここでは原理を中心に解説します。 1:どのように空気を肺へ送るか? ここでのテーマは「どのようにして空気の流れを生み出すためか?」という点です。空気は圧 […]

胸腔ドレーンの原理

私が胸腔ドレーンの原理を初めて勉強したとき理解するのにものすごく時間がかかりました・・・。理解するためのポイントとしては「連続する空間の圧は同じになる」という物理原則と「自分で胸腔ドレーンを一から組み立てる」気持ちで考えてみることかと思います。少しでも理解の促進になればと思いここで解説させていただきます。 1:胸腔からどう空気を抜くか? 気胸の患者さんと想定してどのようにすれば胸腔の空気を安全に抜 […]

集中治療・麻酔 おすすめ本紹介

初期研修の先生方がICUや麻酔科をローテートする際におすすめの教科書を紹介させていただきます。本の画像をクリックしていただくとAmazonのリンクに移動することが出来ます。 臨床にダイレクトにつながる 循環生理 元々”cardiovascular physiology concept”という本で素晴らしい本として有名でしたが、最近訳本が出ました。麻酔科、ICU、救急、循環器 […]

腎代替療法 RRT: renal replacement therapy

腎代替療法はその名の通り腎臓の代わりを担う治療で、臨床現場では全部まとめて「透析」といわれることが多いです。ここではその原理から分類、言葉の定義などを中心に解説していきます。 0:腎代替療法の適応 1:腎代替療法の原理 これらの余分な物質を血液中から透析液中へ除去するための原理として2つ「拡散(diffusion)」と「濾過(filtration)」が挙げられます。イメージとしては前者は受動的に勝 […]

感染症 おすすめの本

感染症は何科にすすむにしても極めて重要な領域ですので、初期研修中に基本をきちんと理解していくことが重要と思います。本も沢山出版されていますが(読んだことが無い本も沢山ありますが・・・)、自分が今まで読んだ本のなかで良かった物を紹介させていただきます。本の画像をクリックしていただくとAmazonのリンクに移動することが出来ます。 レジデントのための感染症診療マニュアル 著:青木眞先生 日本語で書かれ […]

VV-ECMO (veno-venous extracorporeal membrane oxygenation)

昨今のCOVID19流行により、私も現在救急集中治療のお手伝いをさせていただいております。そこでVV-ECMOの管理があり、必要最低限の知識は知っている必要があるため、勉強している内容を体裁させていただきます(なのでやや不完全な内容であったり、耳学問のところもありすみません)。2009年のH1N1インフルエンザによる急性呼吸不全でVV-ECMOが活躍した様に、今回のCOVID19でもVV-ECMO […]

腎臓内科 おすすめの本

腎臓内科をローテートする研修医の先生、また腎臓内科の勉強をすすめる内科の先生向けのおすすめ本を紹介させていただきます。(図をクリックしていただくとAmazonリンクに飛びます。) 1:臨床ですぐ役立つ内容 極論で語る腎臓内科 著:今井直彦先生 「極論」シリーズはどれも素晴らしい内容ですが、個人的には「腎臓内科」の極論が最も素晴らしいと思います。個人的に特に秀逸だと思うのは酸塩基平衡、血液ガスの解釈 […]

骨折ハンター 著:増井伸高先生

分野:整形外科(下図をクリックするとAmazonサイトへ移動できます) 私は整形外科を初期研修でローテートしておらず、初期研修のときも当直で整形外科疾患は沢山診ますが、ずっと苦手意識をかかえていました。3年目から内科専行となり整形外科疾患を診る機会がめっきり減ったさなか、5年目に赴任した病院では当直で整形外科救急も診察しないといけないことになり、とても焦りました・・・。そこで本屋さんで整形外科の本 […]