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2020年4月

COVID19 私たちに何が出来るか? 日常生活編

ここでは医療従事者でない方々向けに昨今のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症:日本ではこの呼称での報道が多いので以下「新型コロナウイルス感染症」と表記します)に関して、日常生活で何を気を付ければよいかに関してまとめました。 1:新型コロナウイルスって何? 新型コロナウイルス感染症はその名の通り「ウイルス」による感染症です。人間に感染する病原体は大きくわけると「ウイルス」と「細菌」の2つに分類 […]

腹痛 abdominal pain

私は救急外来での腹痛診療が苦手です。致死的疾患が多いこと、鑑別疾患が多いこと、造影CT検査まで行っても必ずしも診断が付かない場合があることなど理由は沢山あります。恐い経験を沢山積むとついつい造影CT検査の閾値が下がり検査過剰になってしまう場合もあります。「腹痛診療でなんでもかんでも造影CT検査となってしまうことを避けたい」という思いから、「いかに解剖・病態生理を腹痛診療に活かすか?」というテーマで […]

高Ca血症 hypercalcemia

1:Ca代謝まとめ Caはその99%が骨に存在しますが、それ以外に平滑筋の収縮・神経伝達・心筋の刺激伝導・血液凝固など重要な働きをもつ電解質です。 Ca代謝にとって重要な解剖とホルモンは下記の通りです。・解剖:腸管・血液・骨・腎臓・副甲状腺・ホルモン:PTH(副甲状腺ホルモン)・活性型VitaminD ホルモンでは特にPTHが重要で、血中Ca濃度が低下すると1:骨吸収によりCaを血中へ2:VitD […]

高P血症 hyperphosphatemia

1:高P血症の病態生理 PはATP産生・解糖系など人体の機能維持に非常に重要な役割を担っています。このため人体はP欠乏に対してPを保持する機序を発展させてきましたが、逆にP過剰に対する有効な防御方法を身に付けていません。 高P血症による直接的な症状はありませんが、血管平滑筋細胞の骨、軟骨細胞への形質転換が起こる骨ミネラル代謝異常(血管石灰化・動脈硬化促進など)が問題となります。高P血症はCKD患者 […]

低P血症 hypophosphatemia

1:P代謝 P(リン)は解糖系(glycolysis)・ATP産生などの重要な生体機能で担っています。Pはそのほとんどが細胞内に存在し(そのほとんどが骨:85%、その他肝臓・筋肉などの細胞内:15%)、血液中には0.1%しか存在していない。血液でPはは有機リン(ATPなど):10mg/dL程度、 無機リン(PO4):4mg/dL程度(こちらを血中濃度として測定している)として存在しています。 P正 […]

Mg代謝

MgはNaやKと比べると普段日の目を浴びない電解質ですが、影の存在として臨床上非常に重要なのでここでまとめます。 1:Mg代謝・生理 MgはATPからエネルギーを得る際、細胞膜のNa-Kポンプ機能維持など様々な生理的な役割を担っています。Mgはそのほとんど(99%)が細胞内(特に骨>>筋肉)に分布しており、血中のMgは体内総Mgの1%程度です。 細胞内にそのほとんどがあり、細胞外にはわ […]

高K血症/高カリウム血症 hyperkalemia

1:K代謝の生理学 低K血症のchapterで詳しく解説したので、詳細はそちらをご参照ください。 K負荷に対する生体の反応をまとめると1:細胞内シフトによる緩衝2:腎臓からの排泄(6~8時間以内に起こる)の2点になります。低K血症のところでも解説しましたが、基本的に腎臓はKを排泄する力が十分にあります。よって高K血症が持続するためには、必ず腎でのK排泄障害が背景にあります。 2:高K血症の原因 高 […]

心電図「ST上昇」との戦い

救急外来、病棟当直で1人で心電図を読み判断しないといけない場面は沢山あります。そこで最も重要なのは”STEMI”(ST上昇型急性心筋梗塞)をいかに見逃さずに素早く循環器Drにコンサルテーションするか?という点です。しかし、国家試験で勉強したときのような典型的なケースは実臨床では少なく、これは”STEMI”なのか?と頭をかかえることも多いです。悩ましい […]

narrow QRS tachycardia

1:病態・原因 “narrow QRS”は電気刺激が刺激伝導系を経由して心室へ伝わることを意味します。なので、基本的には「上室性」からの頻回な刺激が、房室結節からの刺激伝導系を経由して心室へ頻回な刺激が伝わることで”narrow QRS tachycardia”が生じます。 心電図では以下の流れで鑑別します。Step 1:RR間隔がirregular […]

徐脈 bradycardia

1:徐脈の評価 ■心電図評価 まずは心電図のアプローチを考えます。以下の2stepでアプローチします。 Step 1:P波があるかどうか?Step 2:P波とQRS波の対応関係があるかどうか? その結果、以下の3パターンに分類されます。・P波がない場合:補充調律 洞停止、心房細動+3度房室ブロック・P波とQRS波の対応関係がある場合:洞性徐脈 *2:1房室ブロックに注意・ P波とQRS波の対応関係 […]