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2020年3月

血管奇形まとめ

血管奇形はそれぞれ名称と病態の対応関係がややこしいため、まとめます。 1: AVM (AV malformation:脳動静脈奇形)2: DAVF (dural AV fistula:硬膜動静脈婁)3: Carvenous hemangioma:海綿状血管腫4: DVA (developmental venous anomaly:静脈奇形)上記4つに分類します。以下にまとめ図を載せます。 ■ AV […]

抗真菌薬 overview

1:分類まとめ 抗真菌薬は普段そこまで使用頻度が多くなく(血液腫瘍や免疫抑制患者を扱うことが多い先生は慣れていらっしゃるかもしれませんが・・・)、種類が多いため苦手意識を持っている方が多いと思います。 個人的には抗真菌薬はとりあえず下記4つ(フルコナゾール・ボリコナゾール・ミカファンギン・アムホテリシンB)を使用することができれば日常臨床で困ることはまずないのではないかなと思います(下記にまとめ図 […]

一過性全健忘 TGA: transient global amnesia

一過性全健忘(TGA: transient global amnesia・以下TGAと表記します)は日常臨床で比較的よく遭遇する疾患です(私は今年2~3か月に1回くらい)が、はじめて診療にあたったときは奇妙で不思議な感覚を今でも覚えています。臨床的な特徴をまとめます。 1:病態・誘因 一過性全健忘の「全: global」は「前向性健忘」と「逆向性健忘」いずれも含むことを表現しています。また一過性は […]

記憶障害

1:記憶の分類 記憶に関する言葉は沢山あり混乱しやすいですが、何を基準に分類されているかを把握すると理解しやすくなります。具体的には記憶内容による分類、時間軸での分類、発症時点からの分類を以下に載せます。 ■記憶内容による分類 何を記憶しているか?(つまり記憶内容)により分類します。陳述記憶は言葉で表現できる記憶で、物事の意味を表す意味記憶と、昨日○○をしたというようなエピソード記憶に分類されます […]

体温調節 thermoregulation

1:体温調節の機序 体温中枢は「視床下部」で、ここでの体温を深部体温(核心温: core temperature)と表現し、末梢は「皮膚」が中心でここでの体温を皮膚温(skin temperature)と表現します。人類は恒温動物(homothermic animal)であるため、環境音の変動に対して体温を一定に保つ必要があります。ここでの体温とは「深部体温」を意味しており(皮膚温を調節したい訳で […]

診察道具

閑話休題のようなゆるいテーマですが、普段皆さまはどんな診察道具を持ち歩いていますでしょうか?ときどき研修医の先生方から「先生は普段何を持ち歩いていますか?」とご質問いただくことがあるので、参考までに私が普段白衣に入れて持ち歩いている診察道具を紹介させていただきます(職業柄神経診察道具が多い点はご容赦ください)。 上図の番号順に載せます。1:聴診器(ステレオフォネット:ケンツメディコ社)聴診器として […]

ガイトン生理学 Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology

分野:生理学 無人島に1冊だけ本を持って行って良いと言われたら、私は迷わず「ガイトン生理学」を持っていきます。そのくらい素晴らしい本です。生理学の教科書は沢山ありますが(私も全部に目を通したわけではもちろんないですが・・・・)、群を抜いて詳細にまとめられており臨床でも役立つ内容が豊富です。気軽に読める内容では全くないですが、時間があるときにじっくりと向き合う価値のある本だと思います(日本語訳本もあ […]

QT延長症候群 long QT syndrome

1:病態 QT延長の主病態は「Kチャネル(IKr)阻害による再分極障害」です。心筋細胞はNa+とCa2+が細胞内に流入することでそれぞれ脱分極と収縮が起こり、K+が細胞外へ流出することで脱分極が起こります。このKチャネルを規定するKCNH2遺伝子を例えば薬剤が阻害することで再分極障害をきたし、QTが延長します。 QT間隔が延長することでの弊害は、期外収縮が再分極中に起こることで、TdP(torsa […]

抗凝固薬の切り替え まとめ

1:DOAC → ヘパリン or DOAC ダビガトラン、アピキサバンは最終投与から12時間休薬、リバーロキサバン、エドキサバンは最終投与から24時間休薬後にヘパリン開始もしくは別のDOAC開始とします。 2:ヘパリン持続 → DOAC ヘパリン持続投与中止後、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンはすぐに開始して切り替えます。エドキサバンだけ例外で、ヘパリン持続投与中止後4±1時間の休薬期 […]

便秘 constipation

1:便はどのようにしてできるか? ・便の作られ方 便は結腸で水分吸収を行い、S状結腸で便の形態を整えることで作られます。便は30%:腸内細菌、70%:水分で構成されており、水分含有量が80%程度で泥状便、90%程度で水様便となります。一般的に食後から24~72時間で排出されるとされ、これよりも速いスピードで便が腸を通過してしまうと水分を十分に吸収しきれずに下痢に、これよりも遅いスピードだと便秘とな […]