ニコチン酸
今回はあえて処方するべきではない薬の紹介をします。患者さんのお薬手帳を見るとこの薬剤(ユベラ®)を内服している患者さんがかなり多く、本当に必要なのか疑問に思いポリファーマシー対策として勉強しました。 一般名:ニコチン酸(ナイアシン、ビタミンB3)商品名:ユベラN® 製剤:100mg/1Cp・細粒 処方例(処方しないけれど):100~200mg 1日3回投与作用機序:HDL上昇 副作用:皮膚紅潮、掻 […]
今回はあえて処方するべきではない薬の紹介をします。患者さんのお薬手帳を見るとこの薬剤(ユベラ®)を内服している患者さんがかなり多く、本当に必要なのか疑問に思いポリファーマシー対策として勉強しました。 一般名:ニコチン酸(ナイアシン、ビタミンB3)商品名:ユベラN® 製剤:100mg/1Cp・細粒 処方例(処方しないけれど):100~200mg 1日3回投与作用機序:HDL上昇 副作用:皮膚紅潮、掻 […]
以下の内容のほとんどをBritish Journal of Haematology , 2014, 166, 311–325より参照させていただきました。一部未完成なところもあり恐縮ですが、share目的に掲載させていただきます。ここでは診断にfocusを当てまとめます。中枢神経系に影響を与える悪性リンパ腫は1:全身の悪性リンパ腫が中枢神経に浸潤する場合、2:中枢神経のみに発生する場合(全身には病 […]
primary leptomeningeal lymphoma(PLML):軟髄膜原発悪性リンパ腫は中枢神経実質・全身のリンパ腫がなく、軟髄膜に腫瘍浸潤を認めるものです。PCNSLの7%、脳腫瘍全体のうち<1%, lymphoma全体の0.8%と非常に稀であり、また診断が極めて難しい疾患でもあります(PCNSL一般に関してはこちらをご参照ください)。私はまだ自分で診断出来たことが無いのですが […]
1:生理・作用機序 PCSK9は”Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type9″の略で、2003年に発見され、フランスの家族性高コレステロール血症患者がPCSK9を過剰発現していることが分かり脂質異常症におけるターゲットとして注目されるようになりました。 PCSK9は肝臓のLDL受容体を分解する働きをします(下図)。LDL受容体は […]
脂質代謝異常に対する薬剤はここ最近種類が増えてきており、日に日にややこしさが増しています。今回はエゼチミブ(Ezetimibe)に関して勉強したことをまとめます。 作用機序:エゼチミブはNiemann–Pick C1–like 1 (NPC1L1)を標的として、腸管からのコレステロール吸収を阻害する作用機序を持ちます。 一般名:エゼチミブ 商品名:ゼチーア® 製剤:10mg *スタチンとの合剤 […]
1:解剖と分類 眼窩先端部・海綿状脈洞部は解剖が非常にややこしい領域ですが、多発脳神経麻痺の際に必ず考慮しないといけない分野なのでここで改めてまとめます。 頭蓋内の神経が眼窩内へ脱出するためには「視神経管」、「上眼窩裂」、「下眼窩裂」の3つの出口があります。この出口をどのように障害するかによって症候群の名前が変わります(下眼窩裂の障害はまれなのでここでは紹介しません)。 上眼窩裂症候群、眼窩先端症 […]
1:アンモニアの代謝・生理 人体にとって窒素(N: nitrogen)は細胞の代謝に必須の分枝です。アンモニア(NH3)はこの窒素の代謝に関与しています。アンモニアはグルタミンの合成に関与し、グルタミンがグルタミン酸へ分解されるときにアンモニアは産生されます。アンモニアとグルタミンは体内でこのような密接な関係にあります。 食事中の窒素(タンパク質に含まれる)は腸内細菌によって分解され、アンモニアと […]
1:病態・症状 肝機能障害によってアンモニア血中濃度が上昇し、脳での神経伝達へ影響を及ぼすことが主病態とされています。(アンモニア代謝に関してこちらをご参照ください)。通常はアンモニアを尿素回路で解毒することで血中アンモニア濃度が上昇しすぎないように調節されますが、肝機能障害ではこの尿素回路の解毒機序が働かないため血中アンモニア濃度が上昇します。 それでも肝硬変患者の多くが全員肝性脳症になる訳では […]
心房細動の合併症として全身への塞栓症(特に脳塞栓症)が問題となります。心房細動での抗凝固療法に関してここでまとめます。 心房細動による塞栓症のリスク評価 代表的なリスク評価がCHADS2 scoreとCHA2DS2-VASc scoreです(下図)。点数が高ければ高いほど塞栓症リスクが上昇します。注意としてはこれはあくまで非弁膜症性心房細動の場合の話です。人工弁患者さんや僧房弁狭窄症患者さんではこ […]
Summary and Recommendations DAPTを使うべき状況は以下①軽症非心原性脳梗塞(NIHSS<5点) or 高リスクTIA(ABCD2 ≧4点)②発症~72時間③抗血小板薬の選択:アスピリン+クロピドグレル④併用期間:21日間 ■クロピドグレル初回投与はloading(臨床試験では全てloadingあり、300mg or 600mg *日本では300mg/日)・これは […]