Weber試験・Rinne試験

聴力低下が疑われる場合に簡易的なベッドサイドのスクリーニングとして行われる診察がWeber試験とRinne試験の2つです(音叉が必要です)。基本的な検査ですが解釈が意外と混乱を招きやすいためここでまとめます。 read more

せん妄 delirium

1:病態

・せん妄は意識障害の分類ではここでは「一過性」の「覚醒障害」もしくは「認知障害」に該当する(Fig1)。覚醒障害が主体になる場合も、認知障害が主体となる場合もどちらもある。覚醒障害は軽度の覚醒障害を反映した注意障害(何かに集中し続けることが困難)や睡眠覚醒障害を呈する場合が多い。認知障害では見当識障害(特に時間→場所→人の順で障害される)を呈することが多く、また論理的な思考能力も障害されやすい。 read more

意識障害へのアプローチ:改訂版

意識障害へのアプローチ

・ここでは持続性の覚醒障害(一般的に「意識障害」と呼ばれることが多い)へのアプローチをまとめました。前に書かせていただいた「意識障害へのアプローチ」という旧記事の改訂版です。こちらの方が実臨床に即した内容と思いますのでもしよければご参照ください。 read more

「◯◯さん、何か他に気になることはありますか?」

私は外来や往診の最後に可能な限り「〇〇さん、何か他に気になることはありますか?」と患者さんに聞くことを日常臨床の目標にしています。この言葉は私が初期研修医のときや後期研修1-2年目の時はほとんど使うことが出来ず、最近ようやく少し使えるようになってきた言葉です。何気ない一言かもしれませんが、この言葉をすっと言うことは予想外に難しいです。 read more

MTX-LPD: methotrexate-associated lymphoproliferative disorder メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患

病態と病理

MTX(メトトレキサート)投与中の患者に発生する「リンパ球が過剰に増生した状態」MTX-LPD: methotrexate-associated lymphoproliferative disorder(メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患)と称し、1991年Ellmanが報告したことに端を発しました(J Rheumatol 1991;18:1741)。ほとんどが関節リウマチ患者での報告ですが、その他の疾患でMTXを用いている場合にも報告されています。MTX一般に関してはこちらをご参照ください。
・「WHO分類(第4版:2008年)」では「免疫不全関連リンパ増殖性疾患(immunodeficiency-associated lymphoproliferative disorders)」の中でも、原発性免疫疾患に関連した LPD,HIV(human immunodeficiency virus)感染に関連したリンパ腫,移植後 LPD を除いた「そのほかの医原性免疫不全症関連 LPD”other iatrogenic immunodeficiency-associated LPD”」に分類されています(Other iatrogenic immunodeficiency-associated lymphoproliferative disorders. In: WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, Jaffe ES, Pileri SA, Eds. IARC Press, Lyon, France, 2008: 350-351.)。
リンパ節性またリンパ節外性(40-50%)に腫瘤を形成して、節外性では消化管、皮膚、肺、軟部組織、鼻咽腔、肝臓、脾臓、腎臓、甲状腺などほぼ全ての臓器で認める場合があります(中枢神経に発生するものを後でまとめます)。悪性リンパ腫から良性の反応性過形成も幅広く含まれます。このためMTX長期投与中にリンパ節腫大、腫瘤形成を認めた場合にMTX-LPDを疑います。
・組織としてはDLBCLが最も多く、古典的Hodglinリンパ腫が多い様です。
・病理組織だけでMTX-LPDと診断することは出来ず、臨床的にMTXを使用していることと合わせて診断する必要があります。
EBER(Epstein-Barr virus-encoded small RNA)が見られることが30-50%程度あり、EBVの関与も推察されています。 read more