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メトロニダゾール metronidazole

嫌気性菌原虫に効果がありますが、通常のグラム陽性菌やグラム陰性菌には効果がないという特徴的な抗菌薬です。肝代謝、内服もbioavailabilityがほぼ100%と優れており、ほぼ全ての臓器の移行性が良好(髄液移行性を含めて)で優秀な抗菌薬です。

投与量は腎機能に関係なく下記の通りです。

静注の場合(商品名:アネメトロ®)500mg q8hr *アネメトロ®は点滴バッグ(500mg/1バッグ)になっているため、溶解液での溶解は必要なく、そのまま使用できます。2014年から日本でも使用可能となりました。

内服の場合( 商品名:フラジール®)250mg 6T3x(1500mg/日) or 250mg 4T4x(1000mg/日)

使用するべき状況は、
・CDIの第1選択(VCMよりも先に使用を検討する)
・腹腔内感染症(特にB.fragilisを中心に)・肝膿瘍
・脳膿瘍(CTRXと一緒に使用する)
 *中枢移行性が良いため重要
特殊な感染症:トリコモナス(Trichomonas vaginalis)・ランブル鞭毛虫(Giardialambia)・アメーバ赤痢(Entamoebahistolytica)
が挙げられます。

*ABPC/SBT治療中、嫌気性菌カバーが外せない状況でCDIを発症してしまった場合は、ABPC/SBTをMNZ + CTRXに変更するという方法もあります。このように嫌気性菌カバーの代替薬として使用することも出来ます。

副作用は基本的に少なく短期使用に関しては問題ないことが多いです(あるとすれば消化管副作用)。
長期使用では末梢神経障害(可逆的)、脳症(メトロニダゾール脳症)、嫌酒作用などが挙げられます。メトロニダゾール脳症に関してはこちらにまとめましたのでご参照ください。

薬物相互作用としてはワーファリンの作用を増強してしまう点に注意が必要です。