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2023年1月

てんかんと睡眠障害

以下の内容は素晴らしいてんかん患者さんの睡眠障害review Epilepsy Behav 2021 Oct 4;124:108341. を参照にして記載させていただいております。 てんかんと睡眠障害 ・睡眠障害は健常人と比較して約2倍多い *参考文献:Sleep Med Rev 2011;15:357–68.・てんかん患者の約1/3が睡眠障害を訴える 成人てんかん患者では~50%で不眠 […]

睡眠関連てんかん

睡眠関連てんかんについて勉強した内容をまとめていきます。 Sleep-related hypermotor epilepsy: SHE 睡眠関連運動亢進てんかん 旧名: nocturnal frontal lobe epilepsy(NFLE) 夜間前頭葉てんかん 1981年名称の変更 理由1:夜間という時間帯ではなく睡眠が関係している点、理由2:前頭葉以外を起源とする場合もある点、理由3:運動症 […]

SUDEP: sudden unexpected death in epilepsy

てんかんにおいて大事なテーマです。非外傷性で溺水でもない突然の予期しない死亡で剖検でも器質的な原因が指摘できないものです。 ・てんかん患者は健常者と比べて早死するリスクが2~3倍あり、突然死のリスクは25倍前後と報告・てんかん自体に関連した死亡:SUDEP・てんかん重積状態・溺水・自動車事故・転倒などの事故・自殺などが指摘あり・21~50歳のてんかん患者死亡:SUDEPが20%以上を占める・SUD […]

Streptococcus anginosus group

脳膿瘍疑いの患者さんの血液培養検査からS. intermediusが検出され、勉強した内容を簡単にまとめます。 全体像 ・分類:Streptococcus anginosus group 1: S.anginosus 2: S.constellatus 3: S.intermedius*Viridans Streptococcus属:S.anginosus groupと非S.anginosus g […]

書籍紹介 総合診療「しびれ Q and A」2023年2月 医学書院

私も執筆に関与させていただいた新刊書籍の紹介をさせていただきます。雑誌「総合診療」の2023年2月号で「しびれ」がテーマで国保旭中央病院の塩尻俊明先生と東京医科歯科大学病院の横田隆徳先生のご監修になります。Primary Care領域のためのしびれ診療のtipsを集めた内容になっています。 私は少しマニアックなテーマですが「体幹部しびれへのアプローチ」を担当しております。体幹部は四肢での評価ができ […]

臨床能力が高いとは?

私は今まで臨床能力が高い医師に沢山出会ってきました。その人達を子細に観察していて感じた点にはいくつか共通するところがあるなと思いまとめてみました。共通して感じた事は「これらの臨床能力はただ医学知識を積み重ねていけば臨床が上達する訳ではない」ということです。私は全く実践できていないのですが・・・、これらの点をできるだけ意識しながら診療しようとしています。 常にプランBを持っているか? 現在のプランA […]

閉鎖的な組織は必ず劣化する

まず最初に断っておきますが、以下は組織を運営する側というよりも専攻医などの若手医師向けの話になるかと思います。私は今まで初期研修を市中病院、後期研修を大学病院と田舎の市中病院、そして現在はまた新しい市中病院と計4つの病院で働いてきました。そこで色々な組織をみながら自分なりに学んだ教訓は風通しの悪い閉鎖的な組織は必ず劣化するということです。 ある程度の共有事項をその病院・組織の文化として持っておくこ […]

NPSLE: neuropsychiatric SLE

NPSLEは疾患に特異的なバイオマーカーが確立していないこともあり、非常に難しい疾患群です。SLEの治療中に免疫抑制剤を使用している関係で易感染性による合併症や、PRESなどの薬剤を誘因とした合併症など多くの鑑別疾患を除外した上で除外的に診断するアプローチが求められ臨床的な総合力を求められると感じております(中枢神経疾患全般に関する知識/経験が求められる感じがします)。結局スッキリする内容をまとめ […]

肝機能障害の原因精査

肝逸脱酵素について ・AST,ALTの上昇は「肝逸脱酵素の上昇」であり、それだけで「肝障害」を意味する訳ではない。心筋や骨格筋の障害、溶血、甲状腺機能異常などで上昇するため、「AST,ALT上昇」≠「肝機能障害」である。「AST, ALTが上昇しており肝障害を認めます」というプレゼンテーションがあるが、これは根本的に間違っている。・「肝機能障害」を反映するものは肝臓から合成される蛋白質でPT-IN […]

シクロフォスファミド Cyclophosphamide

シクロフォスファミドは非常に古い薬剤で、神経内科領域でも免疫疾患で使用することがあります。ANCA関連血管炎での末梢神経障害(現在GPAはリツキシマブを使用することが、EGPAはメポリズマブを使用することになってきていますが)、自己免疫性脳炎(こちら)やNORSE(こちら)での2nd line therapyあたりが代表的なところかと思います。 神経免疫疾患の領域はリツキシマブが保険適応になってい […]