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2023年1月

「ICUでの脳波モニタリング」 医学書紹介

見えない発作を見逃さない!「ICUでの脳波モニタリング」神経集中治療に強くなる 編集:江川悟史先生 出版社:羊土社 神経集中治療や持続脳波モニタリングは現在まさにホットトピックですが、多くの神経内科医はこの分野を苦手にしていると思います。正直この領域は集中治療部の先生方の方が神経内科医より知識を持っていらっしゃる場合が多い印象があります。私自身もまだまだ勉強不足で現在勤務している病院はICUに持続 […]

ステロイド・免疫抑制剤 相互作用

以下の内容は「ステロイド治療戦略」日本医事新報社から勉強させていただいた内容をまとめさせていただきます。 ステロイド 代謝:CYP3A4代謝の受けやすさ:デキサメタゾン>メチルプレドニゾロン>プレドニゾロン>ヒドロコルチゾン CYP3A4誘導薬:特に重要な薬剤 リファンピシン、抗てんかん薬(カルバマゼピン・フェニトイン・フェノバルビタール) リファンピシン併用時:デキサメタゾン5倍・プレドニゾロン […]

「ステロイド治療戦略」 医学書紹介

おすすめの医学書を紹介させていただきます。岩波慶一先生が編集された「ステロイド治療戦略」(日本医事新報社)の本でステロイドや免疫抑制薬の基本や、ステロイドを使用する各病態ごとの具体的な治療戦略が記載されている教科書です。 ステロイドや免疫抑制剤は神経内科医も神経免疫疾患でよく使用しますが、膠原病科の先生方に比べて使う頻度が少ないため個人的にもまだ慣れていない部分がかなりあります(特に若手神経内科医 […]

不眠症へのアプローチ 睡眠薬

不眠症へのアプローチの基本は下図の通りでまず原因の評価、そして睡眠衛生指導を中心とした非薬物療法が重要です。それらを充分に行った上でゴールを必ず事前に設定した上で薬物療法を始める場合があります。 ここで漫然と睡眠薬を処方することは御法度です。睡眠薬は根本的な治療薬ではなくあくまで対症療法薬です。上記Step1, 2を充分に行った上で、また目標をきちんと患者さんと共有した上で用いるべきです。睡眠時間 […]

不眠症へのアプローチ 睡眠衛生指導

不眠症へのアプローチで最も重要なのはまずは非薬物療法で特に睡眠上の注意点を教育する睡眠衛生指導が重要です。ここでは重要なポイントを列記していきます。 睡眠への誤解を解く ・絶対に何時間寝ないといけない、絶対に90分周期にしないといけないといった誤解を患者さんが持っている場合があるためこの点は教育が必要です。・下図は有名な図ですが、加齢と共に総睡眠時間は短縮し、中途覚醒が増加し、REM睡眠は減少して […]

睡眠・覚醒 Sleep/Awake

睡眠・覚醒の生理学 ・睡眠・覚醒がどのように調節されているのか?を簡単に模式図にしたもの下図です。脳幹網様体が覚醒を担う解剖として重要で、覚醒を担うホルモンにはヒスタミン、セロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなどが挙げられます。・一方で睡眠を担うのは視床下部前部(視索前索)でGABAがホルモンとして働きます。・覚醒と睡眠はそれぞれ相互に互いを制御(抑制)しあっており、覚醒に傾いているときは […]

転移性脊髄圧迫 metastatic spinal cord compression

腫瘍が椎体転移し硬膜外から脊髄を圧迫する病態で、神経救急の病態として非常に重要です。 背景知識 担癌患者の約5%に認めると報告されています(Neurology 1959;9:91-106.)。・原因腫瘍:前立腺癌・乳癌・肺癌(それぞれ15-20%を占める)>非ホジキンリンパ腫・腎細胞癌・多発性骨髄腫(それぞれ5-10%を占める)・腫瘍の初期症状となる場合が約20%ある:特に肺癌の場合は約30%が同 […]

抗リン脂質抗体症候群と脳梗塞

臨床をほそぼそと続けていると勉強してこなかったテーマにぶち当たります。恥ずかしながら今まで抗リン脂質抗体症候群と脳梗塞に関して文献を読んでいなかったため勉強します。まだ少ししか調べられていないですが、少しずつ追記していきます。 脳梗塞の原因 ・SLE合併例は心内膜損傷によるLibman-Sacks心内膜炎、非細菌性疣贅などによる心臓からの塞栓機序が多いが、非合併例も同様に心原性塞栓症を呈することが […]

脳梗塞におけるプラスグレル

プラスグレル(エフィエント®)は心筋梗塞で使用されますが、脳梗塞で有用かどうか?は結論が出ていませんでした。近年複数の臨床試験が発表されています。なぜ海外で承認されていけれど日本のみで承認されているのか?あえてプラスグレルを使うべき状況はあるのか?そもそも解釈の間違いが多いのではないか?などいろいろ気になるところがあり調べた内容をまとめます。 心筋梗塞領域でのガイドライン記載 “TRI […]

GFAP astrocytopathy

2016年Fangらが報告した疾患概念で近年報告が非常に増えています(JAMA Neurol. 2016;73(11):1297-1307.)。まだまだ途中なので追記していきます。 背景に関して ・腫瘍合併:約1/5の症例に認める 最多は卵巣腫瘍 teratoma・自己抗体合併:NMDAR>AQP4・感染先行:約30-40% 上気道症状など parainfectiousの可能性あり 臨床像 […]