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循環器 おすすめ本紹介

循環器は初期研修で必ずローテートしないといけない重要な科です。その際におすすめの本を心電図・臨床全般・生理に分けて紹介させていただきます。

1:心電図

心電図ハンター 1:胸痛/虚血編 2:失神・動悸/不整脈編 著:増井伸高先生


実践的な心電図の本として最もおすすめできます。ST上昇にどうアプローチするかなどのテーマをクリアカットに解説していて極めて実践的です。虚血胸痛バージョンと不整脈バージョンの2冊ありますが、どちらもおすすめです。救急外来で役立つこと間違いなしです。この本も私が初期研修医のころにはなかったので、現在の研修医の先生方がうらやましいです(私は医師5年目に始めて読みましたが目からうろこの内容でした)。

心電図の読み方パーフェクトマニュアル

先の「心電図ハンター」は胸痛でのST上昇など、臨床現場での主訴からのアプローチが主体ですが、本書は純粋に心電図の波形からの鑑別を網羅的に解説してあります。いわゆる一般的な心電図の教科書というイメージです。特徴としてはとにかく実際の心電図が沢山のっているので典型例を勉強するのにうってつけです。私はみんなが持っていたので買って勉強しましたが、この本をしっかり1周するだけでだいぶ心電図が読めるようになった気がします。

2:循環器の臨床全般

極論で語る循環器内科 著:香坂俊先生

極論シリーズはどれも優れていますが、循環器内科も素晴らしい内容です。幅広い循環器のテーマが扱われており、初期研修医で循環器をローテートする前に読んでおくとイメージが出来てよいと思います。非常に読みやすく書かれており、さくさく読めると思います。著者の頭の中が非常に整理されていることがひしひしと伝わってきます。

循環器治療薬ファイル

循環器内科は利尿薬・昇圧薬・硝酸薬・降圧薬など沢山の薬を使用するため、薬に習熟することが重要です。本書では各薬の使い方を実践的にわかりやすく解説されており、現場ですぐに役立つ本としておすすめです。本の大きさも小さいので(ぎりぎりポケットに入るくらいの大きさ)で持ち運びやすいです。やや著者の個人的な意見が色濃く反映されている側面もありますが、その方が読みやすくはあるのでいいかなと思います。

3:循環生理

心臓病の病態生理 “Pathophysiology of Heart Diseases”

おそらく学生向けに書かれた教科書の中最も優れた本です。自分は学生の時に読みましたが、この本がきっかけで循環器が好きになりました。教科書から感動することはあまりないと思いますが、私はこの本は感動しました。学生のときはよむのに時間がかかって、大変でしたが循環生理を基礎から勉強するには最も優れている本だと思います。

臨床にダイレクトにつながる 循環生理

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元々”cardiovascular physiology concept”という本で素晴らしい本として有名でしたが、最近訳本が出ました。麻酔科、ICU、救急、循環器をローテートする際に読むと非常に勉強になると思います。これらの科はやはり生理学の理解が病態に直結するため、生理学の勉強が欠かせません。生理学の本というとかなり身構えてしまうかもしれませんが、本書は臨床的な内容に沿ってかなり分かりやすくかみ砕いて記載されているので前提知識を必要とせずに読み進めることが出来ます。循環生理の本で一冊おすすめのを挙げるとすると本書です。