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2020年1月

抗ヒスタミン薬

0:ヒスタミンの作用 ヒスチジン(L-histidine)が脱炭酸酵素によりヒスタミンとなります。このヒスタミンは大きく以下の2つのプールに存在します。 1:slowly turning over pool:肥満細胞、好塩基球→分泌顆粒に貯蔵2:rapidly turning over pool:胃、中枢神経系→必要時に合成され放出 このなかでもここでは肥満細胞の貯蔵され放出されるヒスタミンに関し […]

尿電解質

尿電解質を理解せずして「電解質異常」と「酸塩基平衡」を語ることは出来ません。ここではそれぞれ尿電解質(特にNa, K ,Cl)の役割を簡単にまとめます。 まずはじめに「尿電解質に固定された正常値というものはない」という点を強調させて下さい。血液中の電解質は例えば血漿Na濃度=135~145mEq/Lと非常に狭い範囲でコントロールされています。人体にかかるNa負荷は日々異なりますが、腎臓が供給量に合 […]

腹直筋鞘血腫 rectus sheath hematoma

最近腹直筋鞘血腫を経験したので勉強したことをまとめます。比較的稀な疾患だとは思いますが、今回臨床的に疑うことが出来ず次回に活かせるようにまとめます。日本では「腹直筋血腫」と呼ぶことがありますが、海外の文献はほぼすべて “rectus sheath hematoma”(sheath=鞘・さや)となっているため、ここでは「腹直筋鞘血腫」と表現を統一します。 0:解剖・病態 腹直 […]

尿検査所見

1:尿比重・尿浸透圧 尿比重(正常値): 1.002~1.035尿浸透圧(正常値 ):50~1200mOsm/kg 体液量の評価で尿浸透圧の代用として使用します。前提条件を満たした場合(尿糖・造影剤・マンニトールいずれもなし)に尿比重は尿浸透圧と相関関係にあり、尿比重が”0.010″増えるごとに尿浸透圧が”350mOsm/kg”上昇すると覚えます(下 […]

脊髄梗塞 spinal cord infarction

0:脊髄血管の解剖 ・横断面 以下に横断面を載せました。理解するべき血管は、・前脊髄動脈(ASA: anterior spinal artery):脊髄の前2/3を支配し、脊髄の前面に1本存在し、吻側→尾側に流れます。・後脊髄動脈(PSA: posterior spinal artery):脊髄の後1/3を支配し、脊髄の後面に2本存在し、脊髄後面で動脈叢(Vasa corona)を形成しています。 […]