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感染症

尿路感染症 UTI: urinary tract infection

1:分類 ■解剖からの分類 ・腎盂腎炎、急性巣状細菌性腎炎(AFBN: acute focal bacterial nephritis)、腎膿瘍・膀胱炎・尿道炎・男性:前立腺炎、精巣上体炎 「尿路感染症」というのはあくまで総称なので、必ずどの解剖部位の何菌による感染症なのか?をカルテに記載するようにしたいです(例えば「大腸菌による腎盂腎炎」)。総称はARDSとかもそうですが、便利な言葉でついつい使 […]

蜂窩織炎 Cellulitis

1:皮膚軟部組織感染症・解剖 皮膚軟部組織感染症ではまずどの深さに感染が起きているか?を知る必要があります。そのためには解剖と病気の対応関係を理解します(下図参照)。皮膚=表皮+真皮、軟部組織=皮下組織+筋肉です。 上図の通り、・表皮:せつ・よう・真皮:丹毒・皮下脂肪織:蜂窩織炎・筋膜以下:壊死性筋膜炎という対応関係にあり、分類することが出来ます。 皮膚軟部組織感染症が疑われる際のpointは以下 […]

COVID19 私たちに何が出来るか? 日常生活編

ここでは医療従事者でない方々向けに昨今のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症:日本ではこの呼称での報道が多いので以下「新型コロナウイルス感染症」と表記します)に関して、日常生活で何を気を付ければよいかに関してまとめました。 1:新型コロナウイルスって何? 新型コロナウイルス感染症はその名の通り「ウイルス」による感染症です。人間に感染する病原体は大きくわけると「ウイルス」と「細菌」の2つに分類 […]

抗真菌薬 overview

1:分類まとめ 抗真菌薬は普段そこまで使用頻度が多くなく(血液腫瘍や免疫抑制患者を扱うことが多い先生は慣れていらっしゃるかもしれませんが・・・)、種類が多いため苦手意識を持っている方が多いと思います。 個人的には抗真菌薬はとりあえず下記4つ(フルコナゾール・ボリコナゾール・ミカファンギン・アムホテリシンB)を使用することができれば日常臨床で困ることはまずないのではないかなと思います(下記にまとめ図 […]

体温調節 thermoregulation

1:体温調節の機序 体温中枢は「視床下部」で、ここでの体温を深部体温(核心温: core temperature)と表現し、末梢は「皮膚」が中心でここでの体温を皮膚温(skin temperature)と表現します。人類は恒温動物(homothermic animal)であるため、環境音の変動に対して体温を一定に保つ必要があります。ここでの体温とは「深部体温」を意味しており(皮膚温を調節したい訳で […]

咽頭後間隙 retropharyngeal space

先日頸部痛の患者さんでCT検査でのレポートに「咽頭後間隙に液体貯留あり」と記載がありました。自分で読影したときに全く気が付かず・・・、ここの解剖は苦手でもあるため勉強してまとめました。ほとんどの情報を Am J Roentgenol 2011;96:426 から参照させていただきました(秀逸なreviewです)。 1:解剖 咽頭後間隙の位置を横断像で見ると下図の通りです。 椎体と咽頭、食道の間は3 […]

伝染性単核球症 infectious mononucleosis

1:病態・概要 EBV感染症によるものを伝染性単核球症(infectious mononucleosis)、その他の原因によるものをmononucleosis-like syndromeと表現します。 EBVは唾液から咽頭上皮細胞へ感染し、咽頭のリンパ組織のB細胞へ感染することで全身性の症状(リンパ節腫脹、肝脾腫、皮疹、倦怠感)などを引き起こします。そしてこのB細胞が様々な抗体を産生すると、自己免 […]

GNR グラム陰性桿菌

1:分類 グラム陰性桿菌は市中感染症・院内感染症いずれでもよく遭遇する菌です。ここでは具体的な分類に関して説明します。グラム陰性桿菌(以下GNR)は1:腸内細菌科と2:ぶどう糖非発酵菌(代表的なのは緑膿菌)に分類すると分かりやすいです。グラム染色の段階では主に「大きさ」で区別をします。GNRをlarge, middle, smallと区別するとKlebsiella=GNR large, E.col […]

血液培養 blood culture

1:菌血症・敗血症 まず基本的な事項のおさらいですが、菌血症(bacteremia)と敗血症(sepsis)は全く別の概念です。また、 菌血症であることは敗血症であることの十分条件でも必要条件でもありません。 ・菌血症(bacteremia)は血液中に菌を認めることを意味し、血液培養陽性と同義です。菌血症=血液培養陽性。 ・敗血症(sepsis)は「感染症に対する制御不能な宿主因子に起因した生命を […]

セフェム系抗菌薬

1:分類 ペニシリン系と並んで抗菌薬の基本となります。細胞壁合成阻害、殺菌性、時間依存性といった特徴はペニシリン系と同様です。 セフェム系抗菌薬の特徴として重要なことは、・髄液移行性:第1-2世代はないですが、第3世代からはあります・嫌気性菌カバー:セフメタゾール以外基本的になし or 弱い・セフェム系全般においてListeriaと腸球菌のカバーがない(Listeriaは特に細菌性髄膜炎の患者でカ […]